元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

『川狩無人の仕業』:kipple

2006-11-23 00:30:00 | kipple小説

未完小説
   ああ!完全にあっしの妄想日記と化した未完小説!
   この世には!2種類の未完小説がある!
 ドアから入る未完小説と窓から入るはぐれ未完小説だ!
ああ!復讐のラッパの音が聴こえてきたぜぇ!はぐれ未完小説!第4弾!


  “この世には2種類の未完小説がある!
  銃を構える未完小説と、穴を掘る、はぐれ未完小説だ!”


     『川狩無人の仕業』


 プロローグ

 ・・・・・・ここ数ヶ月、雨が降り続いている。

 雨は地面に吸い込まれ続け、地面は水びたしになり、どんどん雨は地中に吸い込まれ、地核まで水浸しになり、地球はビチョビチョのスポンジみてぇになっちまった。
 ビルや家々は水の中に沈んでゆき、不気味な植物が生え、あちこちで大災害が起きた。

 人々は、この現象を様々に論じ合った。環境破壊による地球滅亡説から宇宙人侵略説まで飛び出した。だが、真実が見つかるとは到底、思えなかった。天文学的にも気象学的にも、ありえない現象なのであった。


 エピソード・1

 ジョニー・クース・30才、トニー・ジョーンズ・27才、は、砂漠を彷徨っていた。飛行機が墜落し、LOSTな砂漠に落ちてしまったのだ。乗客は、2人を残して皆、死んだ。

 彼らの頭上には、カンカンと照り続ける熱い熱い太陽があった。そして歩けど歩けど、彼らの前方には、だだっ広い砂漠が地平線を包んでいるだけだった。

 ジョニーは悲鳴をあげた。 「水!喉が、からからだ!」

「おい!トニー。俺たち、もうダメなんじゃないのか?どうせ死ぬんなら、ほら、このピストルで・・・・・・」

「おい!ジョニー。まだ、分からんぞ!何が起こるかわからんぞ!」
 と、その時である。

 見る見る間に黒く厚い雲が、空一面をおおい隠し、とどろくような雷鳴と共に雨がいっきに降りはじめたのである。

「おい!ジョニー!見ろ!見ろよ!ほっ・ほらぁっ!何が起こるか分からんだろー!世の中はぁっ!はっはー!ジーザス!オーマイゴッドッォォオオオ!」

 二人とも空に向って口を開け、精一杯の雨水を飲み込んだ。二人は、ホッとした。

 が、次の心配が襲ってきたのだ。
 それは、いつまでたっても雨が降り止まないということだ。

 その日から彼らは豪雨を浴び続け、何も食わず、三日間だけ生きた。

 だが、死ぬ前の3分間だけ、彼らは見たのである・・・雨空一杯に広がる巨大な二つのマヌケな顔を・・・。
「あれは何だ?蜃気楼なのか?もしかしたら、これが復活の日なのか・・・」


 エピソード・2

 月面有人小型探索宇宙船・ソケット8号は母船とドッキングしたところだった。

 ソイスチョフは他の乗組員たちに充分に休むように言いわたし、自分は展望室に向かった。

 この母船は全面的に地球上にある国連の巨大AI「LOGOS」の1ユニットによって管制されていた。

 彼は展望室の「LOGOS」ユニットの端末に向って話した。
「・・・ああ、妙に湿っぽい・・・ああ、湿っぽいぞ。俺は生まれた時から、ひとりぼっちだった。俺は捨て子だったんだ!俺は孤児だったんだ!お前は俺の気持ちが分かるか!俺は他人と接するのが怖いのだ!だから、この宇宙空間にいる時だけが安らぎなんだ!こうして一人で展望室で凄まじいカラッポの宇宙を眺めている時だけがな!・・・・・・と、俺は思っていたんだ。だが、どうだ?今、俺は早くあの青い地球に戻りたい!帰りたがってるんだ!人間が、いっぱいいる、あの青い地球になぁっ!・・・え? あの青・・・?青・・・・・・ど・どうしたんだ、おい!何が起きたんだ。お・俺たちの地球は・・・?ななんだ・・・おい・・・「LOGOS」・・・通信を切りやがった・・隠してたのか・・・地球と何ヶ月も連絡がとれてないじゃないか・・・いや、こ・壊れたのか?・・・この湿気のせいだな・・・」

「LOGOS」・“ジジジジジジジジ・・・・・・・”

 その黒い空間に浮ぶ太陽系第三惑星も、又、より黒く深く真っ黒だった。


 エピソード・3

 川狩無人とkippleは五鳥プラネタリウムで掃除のバイトをしていた。職員は皆、帰り、館内には、2人以外、誰もいなかった。

 川狩無人は真面目に一生懸命に働いていたが、kippleはプラネタリウムを勝手に起動させて、リクライニング・チェイスに、だらんと寝そべって全く働かずに、場内に展開される宇宙のあちこちを指差し、ゲタゲタと笑って、“バッキュ~ン!バッキュ~ン!”と指鉄砲で次々と星々を破壊する妄想の中で恍惚としていた。

 川狩無人は待合室のトイレの床にホースで水をかけ、モップをかけていた。

 声をかけられたので振り向くと、kippleがホースを持って、深刻な顔をして立っていた。

kipple「いいか、あっしは重大な事に気づいたっすよ。黙って俺の言う通りにしてくれって!頼むっすよ!川狩クン!」

 きょとんとしている川狩に、kippleはホースを握らせ、場内に連れて行き、場内一杯に広がる宇宙空間の中の一つの星を指さした。

kipple「あれが地球っすよ!ずいぶんと汚れちまってるぜ!テロに内戦に北朝鮮は核保有っす!モラルも低下する一方っす!どうです?徹底的に綺麗に洗い流してやろうじゃないっすかぁっ!」

 kippleは、疲れて頭がボウっとしている川狩に有無を言わさず、ホースを握らせ、天のスクリーンに映ずる地球に向けて力強く方向を固定した。

川狩「おーい、何するんだよ。俺、こうして立ってんの?」

kipple「そうともさ!そのままっすよ!そのまま!絶対に動いちゃダメッすよ!位置がずれるっすから!」

川狩「ちょっと待てよ。また、クダラナイ事を考えてんだろ、俺、やだよ!」
 と、言う川狩を一切相手にせず、kippleはすばやくトイレに飛んで行って、ホースの繋がった蛇口を全開にした。

じょばばばばばばぁぁぁあああっ~~!

 川狩が手にしたホースから勢い良く水が飛び出して、天のスクリーンの地球に当った。

 川狩「あっ!」
 と、川狩が叫んでホースの位置をずらしかけた時、またまた素早く背後からkippleが川狩を押さえつけた。

kipple「だめっすよ~!地球を洗ってあげるんですから。大変ですよぉ。」

 疲れ果てていた川狩は、ああ、又、クビかなぁ・・・と思いながらも、もうkippleに抵抗する気力を無くしていた。

 ホースから飛び出した水は、半球スクリーンの中の小さな地球を見事に直撃し続け、夜明け近くには、ついにポッカリ穴が開いた。意外と、もろかった。

 川狩の握り締めるホースから飛び出した水は、宇宙に、地球と言う穴をあけたのだ。

kipple「あーあ、地球が宇宙の穴になっちゃったぁ~!知ぃ~らねぇ~っと!川狩のせいだー!うひょひょひょひょ・・・」


 エピローグ

 ある夜、ノーマン・ベイツのモーテルで女が殺された。

 女はシャワーを浴びている最中に滅多刺しにされ、殺された。

 シャワーから噴出し続ける水は、女の血と共に排水口にどんどん吸い込まれていった。

 排水口は、どんどん吸い込んだ。どんどん、どんどん、吸い込んだ。

 水は、くるくる、くるくる回りながら、いつまでもいつまでも、穴に、くるくる、くるくると吸い込まれ続けて、

          くるくる くるくる くるくる くるくる くるくる~!
               
          くるくる くるくる くるくる くるくる くるくる~!






                   未完!


未完小説。それは最初から未完として!未完を目指して書く小説!

必ず未完で終わらせる事・・・・・・決して完成しては・・・・・・・・・・・


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)



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