「ガタガタ青年、放火を趣味にする」
光の中に白い服の少女がいたんだ!僕の方を見たんだ!
通り過ぎて、もう二度と来る事のなかろう、トキメキの瞬間なんだ!
夕暮れの街の騒音が止まったんだ!
僕は、よくないんだ!
目も、よくないんだ!耳も、よくないし、心も傾いたんだ!
体も低く重く、苦しそうに唸ってるんだ!
耳は絶えずゴウゴウ鳴ってるし、
口は人と話す事を欲しているくせに、すぐに話に絶望し黙りたくなるんだ!
しかし、僕の方は、ずるずると話を続けてしまい、
きっぱり止める事が出来ずに気分を外面の軽薄さと反対に、
とことん、沈ませ、暗くする事になるんだ!
悪いのは何だ?
いったい悪いって何の事だ!
最低とか、屑とか恥かしさとかとは別の事か!
僕が一瞬、見た美しい少女に心を染められるのは、いったい、
よくない僕の、何なのだろうか!
何か、よい事か?
9の悪の中の一つの良は、9の悪によって大きく歪められ、9の悪を超えた、
強力な邪悪!陰湿さ!となって後にあらわれるのだ!
しかーし!僕は悪というよりは最低なんだ!
身体の、どこをどうとっても、ガタガタなんだ!
僕は昔、水の中にいたんだ!誰も、そうらしいんだ!
でも、もう誰も水の中へは帰らないんだ!
空気の中へ、地の中へ、海の中へと散っていくんだ!
誰も、あの水には戻れないんだ!
僕は、どこに散るか!地上か海かだ!
灰にされるか、土や海に溶けるかだ!
よく回りを見るんだ!何がいる?
男だ!女だ!鳥に犬だ!
全て、消え、又、全て違う形の同じものが、やってくるんだ!
川の流れの如くだ!音があるんだ!
やけに騒々しかったり急に消えたり、一つだけになったり、繰り返すんだ!
聞く者が、いなくなったって、同じ事なんだ!
誰も、いない場所、そこに音が、あるのか?
世界に、最後のたった一人の男、そいつが小説を書いたんだ!
それは意味を持つのか?
果たして、そいつは一人ぼっちで、どんな小説を書いていたんだ!?
そいつに今の僕の体験している、どんな小さな行為でも想像できるのか!
太陽に欠ける顔だ!想像するには余りにも眩しいんだ!
まっ白の、だだっ広い風景の中の一つの小さな黒点!
想像するには、余りあるんだ!
やわらかな黒髪の中に見つけた小さなツムジだ!
太陽のようにだ!・・・天与の才だ!
才は、拡散し、ぼやけて白くなり、ぷつりと断えるんだ!
精神的オナニーだ!文化はオナニーによって育つんだ!
ああああ木々が青く燃えるぅぅぅぅ!
人の魂も!目の中の青!青い夢だ!かわいい女の子!
スリップ・ノットの曲を聴いてたら久し振りに恋がしたくなったんだ!
一ヶ月前の明日、ママンが死んだんだ!
もう見栄や、かっこつけは、うんざりなんだ!
存在からの逃避だ!
薄闇の街に、ぽぅっと灯りがともり、何かが帰ってくるんだ!
逃避からの逃避は半妥協だ!ぶらさがりだ!
そして安定が望まれるんだ!お前の夢は何だ!
生活の秩序か!安定なのか!
道端での、野垂れ死にじゃないのか!
夏なんだ!
右耳では、いつもジェット機が唸るんだ!
意識はとっても白く、無意識は分からぬ願望を押すんだ!
ので、次第に行為も思考も異常なものへ走っちゃうんだ!
ただ死んだように布団に横たわり汗をかくんだ!かくんだ!
何もないんだ!気力も!生きるためのエゴも!
静かに時と風が通りすぎるんだ!
葬式の旅から戻って、もう10日たとうとしてるんだ!
僕は絶対に欠如だ!穴ぼこだらけだ!どーしょーもないんだ!
煙草吸って酒飲んでゲロ吐いて眠ってブルブル震えて頭を熱くして、
悲しくて悲しくて、何も起こらないのに涙が流れるんだ!
世の流れに平然と従ってる奴らに会うとブルブルふるえちゃうんだ!
身体が、ガクガクなんだ!
頭に来るんだぁぁああああぁあけど、
奴ら僕と異体質のように思えて何やら薄気味悪く、ただ恐ろしいんだ!
一人で、ふるえちゃうんだ!
何故、ああやって、何も退廃しないんだ!
身体、ぶっ壊したくなんないのか!
田舎の山や海、土の道で野垂れたくなんないのか!
なんにもなーいんだ!
なんにもなーいんだ!
眠りと夢とネジレたリビドーと煙草以外は!
僕の生活、何も、なーーーいんだ!
たんれんすんのイヤだぁ!
真剣に取り組むと、続かないんだぁあああ!
真剣に取り組まないと、何も、なーーいんだ!
放火を趣味にするんだ!
いつも心に太陽をって火を持って、くだらん火の組み合わせして遊ぶんだ!
炎
炎炎
炎炎炎
炎炎炎炎
炎炎炎炎炎
炎炎炎炎炎炎
炎炎炎炎炎炎炎
炎炎炎炎炎炎炎炎
炎炎炎炎炎炎炎炎炎
終
This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)
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