木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

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必要最小限について

2014-06-12 14:42:22 | 憲法一般
最近、「必要最小限度」という言葉がはやっているわけですが、
この言葉は、それ自体はからっぽなのに、どうも変だなあという気がします。

最近話題になっている政治課題についても、

「これに賛成ですか?」と聞くと
かなり多めに反対がでるが、

「必要最小限度のそれに賛成ですか?」と聞くと
賛成者が多く出る、ということのようで、

これは結構不思議な事態です。


例えば
「侵略戦争についてどう思いますか?」という質問に、
反対です、と答える人が

「必要最小限度の侵略戦争についてどう思いますか?」
と問われた瞬間

賛成です、と答えるというのは、かなり奇妙ですよね。

そういう人は、
「必要最小限度の殺人」も「必要最小限度の強盗」も、
何も疑問に思わず賛成してしまいそうで、なんだかなあという感じがします。

世論調査をするときは、
「何のための」必要最小限度か、が大事なわけで、
「正当防衛のための」必要最小限度の殺人と
「自分の気持ちを満足させるための」必要限度の殺人では
かなり意味が違うわけであります。


そんなわけで、私は最近、
当初の設計案に「必要最小限度の」修正を施して新国立競技場を建設しよう
という議論に、いささか胡散臭さを感じ始めている次第なわけであります。


「何のための」必要最小限度や、ということが大事ですね。