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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

公務員の政治活動(2・完)

2012-02-25 14:35:35 | 憲法学 憲法判断の方法
さて、公務員の政治活動についての議論を整理しましょう。

一 公務員の業務遂行の「中立性」の定義
 公務員の業務遂行の中立性とは、
 公務員が職務行為をする場合に、
 民主的に決定された法律を忠実に従うべきことを意味する。

二 公務員の政治活動の禁止と公務の中立性確保の関連性

 1 公務員の業務遂行の中立性が、その1に示した概念である以上、
   個人の立場でやる=業務としてではなく行う政治活動は、
   公務員の業務遂行の中立性に違反しない。

 2 また、個人の立場で政治活動を行う人間は、
   業務においても中立性に反する業務を行う、
   という事実を認定することは困難である。
    (例えば、休日にA党のポスターを張っている八百屋さんが
     B党支持者にニンジンを売らない、
     という現象は、一般に観察されない) 

 3 よって、公務員が個人の立場で行う政治活動の禁止は、
   公務の中立性それ自体を保護するためには、役立たない。
   (公務の中立性確保という目的とは、関連性が欠ける)

三 公務員の政治活動の禁止と公務の中立性への「信頼」確保との関連性
 1 ただし、
   「個人の立場で政治活動を行う人間は、
    業務においても中立性に反する業務を行う」
   という偏見をもっている国民がいる可能性は否定できない。

 2 よって、
   公務員が個人の立場で行う政治活動の禁止は、
   公務の中立性「への信頼」を保護する目的には資する。

四 批判
 最高裁の立場は、三に示した通りであるが、
 三1の国民の偏見は、偏見ないし差別感情にすぎず、
 これに迎合する目的は、およそ正当とは言い難い。


ふむ。よくまとまったなあ。
このままゼミの報告とかしたら、ウケるかもしれない(悪知恵)。


・・・・・・。
はい。ゼミの発表では、ちゃんと出典を示しましょう。


さて、ここまでの議論は、
公務員が個人の立場で(=業務外で)行う政治活動を禁止することは
正当化できない、というものです。

しかし、公務員が、業務遂行中に、あるいは、
業務上の立場を利用して政治活動を行えば、
これは、当然、公務の政治的中立性に違反します。

たとえば、
「学校の先生が家庭訪問中に、特定候補者への投票を依頼する」
(めがふぉにっく様ご指摘。ありえん。戸別訪問で逮捕じゃ。)とか、
「警察官が、休日に、制服と拳銃を持ち出し、
 『次の選挙で、○×候補に投票した者は、それ以降、
  警察の保護を受けられないものと思ってほしい』と演説する」とか。


これは、
政治的信条によらず業務を誠実に執行すべき、という公務員法の規範
公務員の立場で発言(ガバメントスピーチ)する場合には、
内閣以下の監督の下で、許容された範囲での発言すべき、
という規範に、真正面から違反しています。



さて、そうすると、公務員の政治活動の禁止のうち、
「公務員の地位を利用した」政治活動の禁止は、
公務の中立性の確保と言う目的と関連しているといえ、
正当なわけです。

現行法は、それをはるかに超える範囲を規制していて、
関連性のない規制が多く含まれているので
違憲部分が多いということなわけですね。

はい。こんな風に公務員の政治活動の禁止の論点、
考えて見てはどうだろうか?ということでした。

公務員の政治活動(1)

2012-02-21 06:52:33 | 憲法学 憲法判断の方法
ご回答、ありがとうございます。
すばらしい回答ばかりで、とてもうれしいです。

さて、まず自然に、というか最高裁の法廷意見の考え方は、
まさに、次のような考え方だと思います。


Unknown (vI-_-Io)
2012-02-20 20:13:54
民主主義社会形成のために必要であり正当な目的なのではないかと思います。

他の公務員個人にとっても、信頼が罷免されない一要素であることからも正当性が担保されるようにも思います。



ええ、しかし、ここで話を整理します。
①「行政の中立性」それ自体ではなく、
②「行政の中立性への信頼」を保護する、
という目的をわざわざ掲げるということは、
①では、規制を正当化できない、ということです。

①では規制を正当化できない、というのは、
要するに、
「政治活動をする公務員は、
 政治的中立性に反する業務遂行をする」
という立法事実が認定できない、ということです。

このことを前提としますと、
「政治活動をする公務員は
 政治的中立性に反する業務遂行をするにちがいない」
という(一部)国民の考え方は、
単なる偏見だということになります。


Unknown (杏アフター)
2012-02-20 21:41:46
目的が、
①「」内にあるような主観的なものを過ぎないものを中核としていること
②一部国民のもの(主観)に過ぎないこと
③「」内の意識に合理性に疑問があること
から、正当な目的とは言えないと思います。



そうすると、②の目的は、
偏見への迎合と言う目的だということになります。

そして、差別や偏見への迎合は、
そこから差別意識や偏見を持っている人を喜ばせる
という、ある種の利益を実現できるものではあるが、
差別対象・偏見対象となっている人の個人としての尊重の理念に
反するので、不当な目的だと看做さざるを得ない、
と言われています。

②を正当な目的とすると、
「女性は、結婚すると公務員を辞めてしまうから
 公務員に採用すべきではない」とか
「特定人種の人は、国民であっても、
 業務遂行能力が低いから、
 公務員に採用すべきではない」と思っている
差別的な国民がいる場合に、
公務員から女性や特定人種の人を排除することが正当化されてしまう、
という、帰結になります。

というわけで、

正当ではないと思います (YS)
2012-02-20 22:53:58
「政治活動をする人の規範意識の低さ」につき,事実の裏付けがあるならば別ですが,現状そうではないので,当該国民の意識は偏見にすぎないと思います。
そうした偏見への迎合を目的とした規制は,政治活動をする人の自律性を否定するもので,「個人の尊重」(憲法13条前段)と相容れない不当な目的ではないでしょうか。
あるいは,政治的な信条による差別の助長を目的とするもので,「非差別原則」(憲法14条1項後段)に反するともいえるのかなぁ,と考えました。




というご指摘の通りに考えるべきなわけです。

ほほほ。
というわけで、猿払事件も本籍地は、14条1項後段。
いやあ、非差別原則解釈の威力抜群ですねえ(自画自賛)。


さて、但し、私は、
公務員の政治活動禁止一般が違憲だとは考えていません。

明らかに合憲的適用部分があるわけです。
次回は、その点について考えて見ましょう。

中盤戦の戦い方(5・完)

2012-02-20 06:50:26 | 憲法学 憲法判断の方法
さて、中盤戦の戦い方ということで連載をしてきましたが、
いわゆる防御権制約の具体的事案の分析というのは、
例の四要素に関する分析です。


原告・弁護側(違憲を主張する側)は、
その事案の中から、

①目的の正当性
②関連性(目的達成に役立っていること)
③必要性(LRAがないこと)
④相当性(利益均衡)

を否定する要素を抽出し主張します。
(法文違憲審査の場合は、典型的適用例に含まれる要素、
 処分審査の場合は、その事案の特有の要素でないといけない)

他方、被告・国側は、
その事案から、①から④を肯定する要素を抽出していきます。


また、目的が複数構成できる場合、
例えば、猿払事件なんかは、
「行政の中立性それ自体」の保護という目的と
「それに対する信頼」の保護と言う二つの目的を構成できました。


で、①から④を分節して考えた方が、
クリアな思考ができるので、
私としては、そのまま書くかどうかはともかく、
実際の問題で、制約が認定できたら、
この四要素を表にして分析してみることをお勧めします。

その上で、目的手段審査の基準を使うなら、
①と④を目的審査に、
②と③を手段審査におとしこんで書いてやれば、
おお外しはしないはずです。


・・・。
もし、
「そうはいっても、事案から①から④の要素を
 抽出できないよ・・・。」
こう思われた方がいたら、これはもう練習あるのみです。

お手元の問題集、判例集の事案を読み
ひたすら、①から④の要素抽出の練習をしましょう。


・・・。
また、例の採点実感先生の言うことがどうしても怖い!
ということでしたら、いっそうのこと、目的手段審査の枠組みを放棄して、
制約認定後に普通目的手段審査の枠組みを立てる箇所
(急所で言うと2-4工程か)で、

「このような権利(防御権)の制約が正当化できるか否かは、
 ①正当な目的を構成できるか、
 ②規制がその目的と関連性があるといえるか、
 ③規制について必要性があるといえるか、
 ④目的が、失われる利益よりも重要と評価できるか、
 の四点で検討すべきである。」

という基準を立てて、
目的手段審査の枠組みをとらずに議論してしまいましょう。
(原告のとこだけでなく、私見を述べるところでも
 この基準で判断してもよいのです。)

このような枠組みは、それはそれで不安だ、というご意見もおありでしょうが、
そんな時は、猿払事件上告審判決の立てている
制約正当化の可否を判断する基準を見て見て下さい。

ほとんど、この通りですから・・・。


・・・。
というわけで、これが中盤戦の戦い方ですね。
お付き合いいただきありがとうございました。


そうそう。積み残された課題ですが、
公務員の政治活動の禁止を正当化しようとすると、
結局、

「政治活動するような奴らは、
 業務にも政治信条をもちこんで、
 不当な業務、反対する政治信条を持つ人への
 嫌がらせ的業務をするに違いない」
 という意識を持った国民に迎合すること
 (そういう国民の信頼の確保)

という目的を立てざるを得ません。

実は、法学男子さん、いまどき喫煙者さんが
おっしゃっていたことですが、
「俺のクラスに、そんな国民なんかいない!」
という熱血タケオカ先生的に断言するのは
結構難しいことなのです。

とはいえ、私のいつもの戦法で恐縮なのですが、
そもそも、今見た目的って、正当なのでしょうか?

ちょっと考えて見て下さい。

ではでは
「結局、何のための公務員の政治活動の禁止か?」
の記事で会いましょう。

中盤戦の戦い方(4)

2012-02-14 12:15:37 | 憲法学 憲法判断の方法
前回の問題は、次のようなものでした。

Q 次のような、検察側標準答案についてどう思いますか?
 検察側標準答案
 ①郵便局員にも、いろいろと行政の中立性に反する業務の遂行の仕方がある。
 ②国民は、
  「政治活動をする公務員は、政治的信条に従い業務のやり方を変える」
  と認識している。
 よって、現業公務員の政治活動の規制は、中立性信頼確保に役立つ。

 解答A ①がおかしい。
 解答B ②がおかしい。
 解答C ①も②もおかしくない(検察側の反論が正しい)


さて、この問に対する解答のほとんどは、
「政治活動をする」=「政治的信条を優先させた違法な業務遂行をする」
という②の想定は、短絡的で、そんなこと誰も思っていないから、
解答Bというものでした。

 monaさん、K.sさん、ブラウヴァルトさま、YSさま、ゆんゆんさま
 都尾利 寿雅琉さま、gsskさま、めがふぉにっくさま、冥王星さま
 どうもありがとうございました。

まあ、確かに、②のような主張を見てみますと、

「いやいや、休みの日の活動は休みの日の活動、仕事は仕事、でしょう。
 だいたい、あんた、近所の八百屋さんがSPDのポスター貼ってるとこ見て、
 『ヤバ!アタシ、キリスト教民主同盟党員だから、もう
  アタシにキャベツ売ってくれないかも!』
 (キャベツ不買=政治的中立性に反する八百屋さんの業務遂行例)
  って思うんですか?」

とツッコミの一つも入れたくなるものです。




・・・というわけで、話を私なりに整理してみたいと思います。


1 目的Aと立法事実Aからの分析

 あの事件で問題になるのは、まず、

 「政治活動をする者は、業務に自分の政治的信条を持ち込み不正をする」
 という事実(猿払立法事実A)があるか?

 という点です。

 もし、この猿払立法事実Aがあると言えるなら、
 政治活動の防止は、
 公務の政治的中立性(目的A)の実現に役立つ(関連性がある)といえます。

 しかし、さすがに、このような事実がある、と言い切るのは難しいでしょう。
 だから、目的は政治的中立性の維持だ(目的A)、というだけでは、
 あの規制を正当化しきれないのです。


2 目的Bと立法事実Bからの分析

 そういうわけで、判例は「中立性への信頼」という目的(目的B)からも
 検討を加えるわけですね。

 さて、そうすると、この事件のキモの中のキモは、これです。

 「『政治活動をする者は、
   業務に自分の政治的信条を持ち込み不正をする』
   と多くの国民が考えている」
 という事実(猿払立法事実B)があるか?


 これが、あると言えるなら、
 規制は、少なくとも「中立性への信頼」に役立つ、と言えそうです。

 猿払事件における、最大の争点は、この立法事実Bの有無なのです。


 そして、立法事実Bがあるとは思えない、というのが、
 上記のみなさんの解答でした。
 これは、十分な説得力のある解答と思います。
 そして、これがなければ、
 政治活動の禁止全体が目的達成に役立たないものになるので
 法令違憲の結論になります。

 ただし、法学男子さん、いまどき喫煙者さんがお気づきのように、
 単純に否定しきれるか、というと
 これは、国民の「頭の中」の問題であるだけに、微妙な点を含んでいます。
 (そういうわけで、微妙な点を踏まえて
  ゆんゆんさんのように、そもそも違憲の推定が働く場面だから
  という形で、実質的関連性がない、と処理するのも一計です。)

 そして、猿払上告審判決は、立法事実Bがあると認定しました。

 もし、この認定を前提にすると、
 現業公務員にも、政治的中立性に反する業務遂行の仕方は色々ある以上、
 (この点は、解答A(①がおかしい説)を採用された方が
  ほとんど居なかった点からも分かるように、
  多くの人の同意を得られそうです。)
 合憲の結論まで、ほぼ一直線です。 

 従って、違憲説・合憲説の攻防の焦点、この事件の急所は、
 立法事実Bの有無だ、ということになるでしょう。

 この点については、後の記事で書きたいと思います。
 さしあたり猿払事件の焦点がここにある、ということを理解しておいてください。


3 現業性とは?

では、このシリーズで問題とした「現業性」を
どう評価すべきなのでしょうか?

ここまでの検討から
「現業公務員は、政治的中立性に反する業務遂行ができない」(主張①)
ということはできない、ことは分かりました。

そうすると、
立法事実Bがあるなら、現業公務員の活動でも信頼を害するし、
立法事実Bがないなら、現業非現業問わず信頼を害しない、ので、
現業性によって区別して検討する必要はない、ということになりそうです。
(これが猿払上告審の立場ですね)


ただし、弁護側の立場から、

「政治活動をする人は、不当な業務をしやすい
 (あるいはそう国民が思っている)との
 立法事実A・Bがあるとしても、」

 として

「裁量の狭い公務員が、政治的中立性に反する業務をした場合、
 そのことは認定・発覚しやすいので、
 そういう公務員については、
 事後規制で不当な業務を十分防止できるし、
 国民の信頼確保も図れる。」(主張②)

という必要性を否定する事情として主張する、ということは言えそうです。
(これは、しがないさんやゆんゆんさんが考えていた方向ですね。)

主張①と主張②の微妙な、しかし決定的な違いに注意してください。

次回は、中盤戦の戦い方をもう少し一般的に議論して、まとめたいと思います。



PS おまけ

というわけで、猿払シリーズのまとめでした。
最後に少しおまけなど。

例の採点実感先生の発言について、

 原告の主張を展開すべき場面(設問1)においては、
 違憲審査基準を出すこと自体禁止しているように見える。

 そして、設問1では、
 権利の保護範囲と制約の存在だけを論じれば良く、
 違憲審査基準やそれに対するあてはめ、対立利益の考慮などは
 全くしなくていいのではないか?

という趣旨のコメントを幾つか頂きました。

中盤戦の戦い方シリーズは、実は、このコメントに
少し丁寧に答えようという意識もありました。

上記のような理解・答案構成が、なぜ、マズいかというと、
猿払事件のような問題が出たとき、
ここまで書いてきたような中盤のねじり合いが、設問1には全く登場しなくなり、
設問1の論証が、次のようなものになってしまうのです。

「政治活動は表現行為であり、憲法21条により保護されている。
 本件規制は、その行為を刑罰により規制するものである。
 よって、国家公務員法は憲法21条に違反する。以上。」

・・・。
ほとんど設問1というものを置いた意義がなくなってしまいます。

というわけで、私は、採点実感先生の御発言を、
設問1=制約の存在だけを主張すればよい、と解釈する見解については
まあ、「そんな手は、ありえないでしょう」(渡辺竜王風)という立場を採っているわけです。

中盤戦の戦い方(3)

2012-02-10 06:56:25 | 憲法学 憲法判断の方法
さて、中盤戦の戦い方ですが、

現業=裁量なし=公務の中立性への信頼という目的関連性を否定する事情になる説
 
 ①現業公務員には、裁量がない(もしくは、裁量が狭い)。

 ②よって、何らかの政治信条があっても、
  それによって業務のやり方を変えることはできない。

 ③だから、現業公務員が特定の政党を支持する信条を持っていることが
  社会に知れても、行政の中立性への信頼は害されない。

  よって、現業公務員の政治活動規制は、行政の中立性信頼確保と言う目的との
  関連性がない*。



さて、このようなまとめ方に対し、冥王星さんから、
なぜ目的を中立性への「信頼確保」に限定し、
中立性自体の確保は外したのですか、とのご質問を受けました。

今現在の文脈は、さしあたり勤務時間の内外を問わず、
現業・非現業の区別が、目的とどうかかわっているか、です。

勤務時間外に地位を利用せずに行う政治活動は、
それ自体が行政の中立性を侵害する行為ではないので、
「現業」公務員の政治活動「一般」の規制と関連させようとすると、
中立性それ自体では足りず、信頼確保と言っておく必要があるからです。


さてさて、このような論証に、どのように反論するかが問題です。

これに対する反論のほぼ全ては、

「郵便局員等現業公務員でも、
 自らの政治信条に反する者への郵便物を遅配させたりする可能性があり、
 現業公務員の政治活動は、行政の中立性への信頼を害する。」


という答えでした。

問題は、これが上記①から③のどれに対する反論なのか?です。

①とした方
 しがない大学生さま、K.sさま、TORAJIROさま

②とした方
 monaさま、都尾利 寿雅琉さま、gsskさま

③とした方
 ノートメアシュトラーセさま、Jiroさま、めがふぉにっくさま
 今年度初受験さま、ごんさま、首都にあるLS生さま、冥王星さま

ふーむ。ほぼ同じ論証なのに、分かれました。

ワタシとしては、「」内の反論は、②が自然だと思いますが、
信頼を害するというところを強く読むと③に、
この場面で、裁量という概念がそもそも有用ではない、
ということを見抜いている方は、①にいったということでしょう。

これで、現業性に着目した戦い方になります。
よく、原告の立場からの立論と被告の立場からの立論、
思いつかないのですが、どういう練習をすればいいでしょう?
と質問を受けるのですが、
これは、もう、こういう練習を積むしかないということになります。


では、最後の問題になります。

被告側の主張を分析すると、以下のような主張です。

 ①郵便局員にも、いろいろと行政の中立性に反する業務の遂行の仕方がある。

 ②国民は、
  「政治活動をする公務員は、政治的信条に従い業務のやり方を変える」
  と認識している。

 結論:だから、現業公務員の政治活動の規制は、信頼確保目的に関連する。


では、みなさんは、こうした被告の主張をどう思いますか?

 解答A:①がおかしい。
 解答B:②がおかしい。
 解答C:①も②も正しい。

そのように考える根拠とともに、AからC中から、解答を選んでください。
例によって、解答根拠は「」内に200字、、、ちょっと難しいから
今回は300字以内でお願いいたします。