アメリカとの同盟は、小泉純一郎元総理の時、国民的議論なく、言葉が登場し、世論形成が行われたと思います。小泉元総理は、自衛隊は軍と言い続け、小学生からすら憲法に無知と批判され、今の小学校教育はどうなっているのだと彼が怒ったという新聞報道がありました。
彼は朝鮮(北)の拉致被害者問題に突破口を開くなど果敢な言動で賛同と批判の両方を受けましたが、国民には理由が理解されないまま突然総理職をやめ、あるいはやめさせられました。
その後、アメリカとの同盟という考えはやはり国民的議論なきまま、次第に国民に定着し、激しい反対運動はありませんでした。うやむやの内に成立しました。
ところが最近、やはり同盟論ですが、NATOプラスという安全保障協定が、やはり国民的議論なきまま登場しました。NATOは31か国が加盟するアメリカ・ヨーロッパ諸国が加盟する同盟で、昔は対ソ連、今は対ロシア同盟です。近年ロシアは、エネルギーをヨーロッパに輸出するなど、ヨーロッパとの経済交流が盛んになり、NATOの存在感が弱まっていましたが、ロシアが突然ウクライナどりに動き出したのでNATOの動きが活発になりました。これまで中立のスウェーデン、フィンランドまで加盟する動きでロシアの野蛮性が明るみに出たという感じです。
NATOプラスとは、このNATOにイスラエル、オーストラリア、韓国、日本、ニュージーランドの5か国を加えた安全保障協定で、対中国、対アラブ諸国という目的が加わっているようです。
この同盟もうやむやの内に世論形成が行われるでしょう。戦争の不安にとりつかれている日本の人々は、肯定的でしょう。
しかし、アメリカとの同盟も、NATOプラスも、すでにあるかのように思われているスクワッド(アメリカ、インド、オーストラリア、日本の4か国の中国包囲網)もいずれも中身がはっきりしない情緒的協定です。民主主義国でこのような協定はありかと思うような安全保障協定ではないでしょうか。いざというとき機能するか疑問です。
どうしてこんな案山子的協定がはやるのでしょうか。一種の心理作戦で条約を結ぶより簡単であり、敵を牽制するのに役立つと思うからでしょう。
信用して安心する日本の人々は多いのではないでしょうか。ちゃんとした条約でも裏切られる時代です。情緒的協定を信用することはまずいのではないでしょうか。
真の安全保障は、永遠に世界に通用する「戦争しない」という絶対法を信じ、貫くことだと思います。生きる、生かす、人を殺さない、自殺しないは、永遠の正義です。
宗教は絶対論がほとんどです。相対論ではありません、だから宗教信者は大きな力を出し、新世界を切り開いてきました。戦争主義者や同盟論者が戦争に失敗し、破滅してきたことは歴史が証明しています。