大事なことを忘れていた。
私が今回辺野古にいくことができたのは、県庁前から毎日バスがでていたからに他ならない。
「島ぐるみ会議 辺野古バス」で検索するとでてきます
県庁前を毎日9:30に出発して17:30頃戻ってきます。
往復で1000円。(←安すぎる)
大型の観光バスでトイレ休憩もありました。
私が乗った日、27人が島の方で、私ともう一人の女性が本土の人間でした。
大型バスが毎日島の人で埋まる、というこの事実にまずはびっくりしました。
近所の女性3人組がお弁当を持って「週に何回かだけだけど・・・」と控えめに乗っていたり
自作ののぼりを持ったおじさんが乗っていたり、職場の仲間で乗っていたり、
主婦も、若い人も、おじさんおばさんも、おじいさんおばあさんも(←一番元気だった)
いろんな人がいろんな思いを抱えて乗っていました。
レンタカーを借りていくのもひとつの手段ですが、このバスだと車内でいろいろな話を
聞けることが、辺野古を理解するうえで非常に貴重な時間になると思います。
県庁前(那覇)からだけでなく、宜野湾市、うるま市、北谷町、沖縄市、名護市からも
同じバスがでています。申し込みは不要。
何かを強制されることは一切ありません。「とにかく知って欲しい」そんな思いがひしひしと
伝わってきました。
ひとつおもしろかったのが、帰りのバスの中で一人ひとりマイクを持って(話したい人は)話す
機会があったのですが、ひとりの男性が「どうしても歌いたいんだけど、今は歌の順番じゃないから・・・」
と言ったとき、すかさずみんなが「歌いたい時が歌の順番、今でいいの。はい、歌って」と答えて
突然民謡大会になったこと(笑)
それまで固い内容の話がずっと続き、島の人たちの「本気で新基地建設を止める」という意気込みに
圧倒されていた私ですが、この展開には別の意味で圧倒されました。
民謡の合いの手のうまさといったら・・・「うっわー!私、今、完全アウェー」とおかしくなりました。
それまでは標準語?日本語?でそつなく会話をしていた人たちが、いきなりスイッチを切り替えて
うちなー口で語り始め、一番威厳のあったスタッフ?の女性が顔の表情を一気に柔らかくして歌い始めた
時は、「本当はみんなこうやって穏やかに過ごしたいだけなんだよな」と今さらながら気づきました。
そうこうしていると、歌集みたいな歌詞カードみたいなものが配られ始め、県庁に近づく頃には
みんなで大合唱。運転手さんもノリノリで歌ってたのがミラー越しに見えて、さすが沖縄。
島の人は生きる幅が広いよなー。とノリ切れなかったわたしは小さくなってバスを降りたのでした。
“毎日バスを出す”ことがどれだけ大変なことか。
バスのことを公表するのにどれだけ勇気がいることか。(妨害も多数あった)
それでも今日も、明日も、バスに乗る人がいる。お弁当を持って、三線を抱えて、暑い暑いゲート前へ。
私はそれを忘れないでいようと思う。これだけ土地の人に愛される沖縄はやっぱり幸せだと思う。