旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

沖縄旅・島ぐるみバス

2015年08月14日 22時50分57秒 | 旅のこと

大事なことを忘れていた。
私が今回辺野古にいくことができたのは、県庁前から毎日バスがでていたからに他ならない。

「島ぐるみ会議 辺野古バス」で検索するとでてきます

県庁前を毎日9:30に出発して17:30頃戻ってきます。
往復で1000円。(←安すぎる)

大型の観光バスでトイレ休憩もありました。
私が乗った日、27人が島の方で、私ともう一人の女性が本土の人間でした。

大型バスが毎日島の人で埋まる、というこの事実にまずはびっくりしました。
近所の女性3人組がお弁当を持って「週に何回かだけだけど・・・」と控えめに乗っていたり
自作ののぼりを持ったおじさんが乗っていたり、職場の仲間で乗っていたり、
主婦も、若い人も、おじさんおばさんも、おじいさんおばあさんも(←一番元気だった)
いろんな人がいろんな思いを抱えて乗っていました。

レンタカーを借りていくのもひとつの手段ですが、このバスだと車内でいろいろな話を
聞けることが、辺野古を理解するうえで非常に貴重な時間になると思います。

県庁前(那覇)からだけでなく、宜野湾市、うるま市、北谷町、沖縄市、名護市からも
同じバスがでています。申し込みは不要。

何かを強制されることは一切ありません。「とにかく知って欲しい」そんな思いがひしひしと
伝わってきました。

ひとつおもしろかったのが、帰りのバスの中で一人ひとりマイクを持って(話したい人は)話す
機会があったのですが、ひとりの男性が「どうしても歌いたいんだけど、今は歌の順番じゃないから・・・」
と言ったとき、すかさずみんなが「歌いたい時が歌の順番、今でいいの。はい、歌って」と答えて
突然民謡大会になったこと(笑)
それまで固い内容の話がずっと続き、島の人たちの「本気で新基地建設を止める」という意気込みに
圧倒されていた私ですが、この展開には別の意味で圧倒されました。
民謡の合いの手のうまさといったら・・・「うっわー!私、今、完全アウェー」とおかしくなりました。
それまでは標準語?日本語?でそつなく会話をしていた人たちが、いきなりスイッチを切り替えて
うちなー口で語り始め、一番威厳のあったスタッフ?の女性が顔の表情を一気に柔らかくして歌い始めた
時は、「本当はみんなこうやって穏やかに過ごしたいだけなんだよな」と今さらながら気づきました。

そうこうしていると、歌集みたいな歌詞カードみたいなものが配られ始め、県庁に近づく頃には
みんなで大合唱。運転手さんもノリノリで歌ってたのがミラー越しに見えて、さすが沖縄。

島の人は生きる幅が広いよなー。とノリ切れなかったわたしは小さくなってバスを降りたのでした。

“毎日バスを出す”ことがどれだけ大変なことか。
バスのことを公表するのにどれだけ勇気がいることか。(妨害も多数あった)

それでも今日も、明日も、バスに乗る人がいる。お弁当を持って、三線を抱えて、暑い暑いゲート前へ。
私はそれを忘れないでいようと思う。これだけ土地の人に愛される沖縄はやっぱり幸せだと思う。

沖縄

2015年08月14日 16時56分33秒 | 旅のこと
那覇で泊まった久々の安宿「照美荘」国際通りから徒歩5分で一泊2000円。
クーラーは100円だったけど、天井も高くて、シーツも清潔で大満足。
隣の部屋には謎の長期滞在のおじいさんがいたけれど、そんなのアジアの安宿では
当たり前のことだし、別に気にならない。隣に顔の見える人がいることが
かえって落ち着く。

安いビジネスも探したのだけれど、部屋にベットしかなくて、壁が薄くて
エレベーター降りてからドアがいっぱいの廊下を歩くのが怖い私。

翌朝、民宿の窓を開けたら屋根のシーサーと目が合って「ああ、久しぶりの
沖縄だ」と嬉しさがこみあげてきた。

一階におりるとおばあさんがいたので「もしかして照美さんですか?」と
尋ねると「そう、私が照美よ」とニッコリ。今からデイサービスに行かれる
とのことで、車いすで静かに迎えを待っていた。「辺野古にいってきます」と
言うと、「日傘をもっていくのよー。そこのドンキ(ドン・キホーテ)で
売ってるからね」とアドバイスされた。
ドンキ、日常に根付いとるがな・・・ちょっと微妙な気分。

かつて那覇に着いたら必ず泊まっていた月光荘はもちろん健在。
というかパワーアップしていた。ふらりと立ち寄っただけだけど、あの雰囲気は
全然変わらず。また泊まりたいなーと思った。朝早くに立ち寄ったのだけど
ちょうど居合わせたスタッフの方に「懐かしいでしょー、2階あがっていっていいわよ」
と言われ、ズカズカと階段をあがっていくと、酔いつぶれた男女がごろごろ雑魚寝していて・・・
「ああ、懐かしい。」としばらく遠い目になった。
月光荘の2階の窓が大好きだったあの頃を思い出した。風に揺れる布はあの頃と変わらず。
ここに泊まる体力と、気力と、好奇心を失っているのならば、もう一度鍛えなおさねば!と
鼻息を荒くして月光荘を後にした。(って、いったい何を鍛えるというのだろうか)