東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

台東区の銅板貼り建築~その四

2014-10-17 17:58:11 | 台東区
 台東区の銅板貼り建築の続き。上野駅の東側の一帯は、戦災を免れた町が広がっているところだ。関東大震災では焼失している。それでも、さすがに大ターミナル駅上野駅に程近いだけに、開発も激しい。大通りに面したところには、軒並みオフィスビルが建ち並んでいる。そんな中に、銅板貼り建築も残されているし、一本裏へ入ると、意外と思えるほどに昭和初期からの町が生き延びている。

 浅草へ向かう浅草通り沿いの店舗。上野駅の眼の前という場所。東上野三丁目。


 少し浅草寄りへ進み、一本裏通りに入ると昔ながらの街並みが息付いている。背後には通り沿いのビルが見えているが、銅板貼りの看板建築が並んでいる。東上野三丁目。


 二階の窓廻りなど、木製の建具に手摺りが残されている。一階はモルタル仕上げになっているのだが、開き戸や窓はこれも木製の建具で、雰囲気のある表情を持っている。東上野三丁目。


 さらに浅草寄り、下谷神社の近くにも銅板貼りの建物が多く残されている。東上野三丁目。


 その並び。長屋造りになっているが、それぞれの家ごとにリフォームなどされていて、一軒ずつ表情が異なっている。長屋造りといっても、一括して大家が建築したものを賃貸していたというケースもあれば、もともとバラバラの地主だったところで、震災後に土地が狭くなったことから共同で長屋造りを建てているというケースもある。区画整理や道路拡張で使える土地は減ってしまったので、壁を共有することでより効率的に土地を使い切る手段として長屋造りが建てられていると言うことが多い。形態は繋がった長屋でも、一軒ずつ所有者が異なっているケースも普通にある。東上野三丁目。


 少し引きで見ると、こんな景色になる。左角の家は、波板の鉄板を貼ってペンキ仕上げされたもの。時代的にはそれ程違わないものだと思う。その直ぐ背後には、通り沿いのビルが壁のように聳えている。


 こちらは仕舞た屋の三軒長屋。緑青の色も濃く、流れた歳月の重みを感じさせてくれる。東上野三丁目。


 出桁造りの系統の建物だが、側面に銅板が貼られている。軒部分や雨戸の戸袋に銅をあしらったスタイルも見掛けるものだが、側面の前面に銅板が貼られているというのはあまり見ない。重厚な造りの二階家。東上野三丁目。


 上野と浅草を結ぶ浅草通りの北側、台東区役所の向こう側にこれも見事な銅板貼り建築がある。二階家で、真四角の総二階。屋根は瓦葺きで、その下には漆喰壁があって、この辺りは伝統的な技法で建てられている。そこからしたが、銅板貼りで、洋風の縦長の窓が開けられており、独特の雰囲気でユニークなもの。同じ様な建物を見た覚えがない。東上野四丁目。


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