東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

いたばし文化財ふれあいウィーク・東京家政大学構内陸軍第二造兵敞建物群

2013-10-27 20:50:13 | 板橋区
この時期、例年通りに文化財の特別公開が行われる時期で、板橋区でも各地で普段あまり見ることの出来ない文化財の公開が行われている。その中で、東京家政大学構内の陸軍第二造兵敞建物群を見に行って来た。現地は女子大の構内なので、なかなか普段は入りにくい。申し込めば見学はさせて貰えるようなのだが、こういった機会に見ることが出来るのは有り難い。とはいえ、この東京家政大学は私の母校でもある。母校というとちょっと違う感じもするのだが、この校内にある緑が丘幼稚園荷渡しはかつて通っていたのだった。今では、校内の建物もほとんど建て替えられていて、当時とは様相が大分変わっているのだが、数十年ぶりに訪れてみると懐かしい思いがした。2013年10月26日(土)、27日(日)の二日間に渡って公開された。

区内各地で、公開される分解材の案内がパンフレットにまとめられてあった。


そして、これはポストカードになっている文化財のカード。旧東京陸軍第二造兵敞建物群の説明などが出ている。今回見学してみて、構内には当時からの建物が三棟残されている事が分かった。そのうちの一つ、切妻屋根を持つこの建物は、奥まった場所にあってこれだけが公開されていなかった。周囲を建物に囲まれていることもあって、見学しずらいのだが、建物としては一番立派のものかもしれない。


今回の公開は、タイミングが学園祭と重なったことで丁度良かった様子。正門前には飾り付けがされていた。居間は十条駅側にも敷地が拡張され、新しい校舎が出来ているので、大分様子が変わった。


私の幼稚園時代には、この正門から入ると公園のように緑が多かったのは覚えている。正面に今とは違う横に広がる形で建物があって、その下を潜って奥へ行くようになっていた様な気がする。その先直ぐの左側に、木造の園舎の幼稚園があった。今は、幼稚園も鉄筋コンクリートの新しい建物になっている。


その幼稚園の奥に、一棟目レンガ造りの建物があった。片流れの屋根を持ち、レンガ造りの上から一部はモルタル仕上げにしてある。アルミサッシに改修され、今は学校の施設になっている。


側面はレンガ積みがそのまま見えている。昭和22年に撮影された空中写真を見ても、この構内は建物を木々が囲むように植えられていて、そういう意味では雰囲気はあまり変わっていないのかもしれない。陸軍の工場であったわけだが、爆薬製造などの部門だと建物が土手に囲まれて半ば埋められたような形になっていたりした。この辺りでは、そういった形態ではなかったようだ。


片流れの建物の断面がよく分かる。この構内以外の遺構では、切り妻屋根の建物が多いように思えるので、片流れの建物は希少なのかもしれない。


反対側から裏手が少し分かる様な角度で。隣接する建物が近いので、この側の様子があまり見えない。レンガの上からモルタルを塗ってある。レンガの上からモルタルというのは、この周辺ではよく見掛ける。


別の一棟もすぐ近くにある。こちらも片流れの屋根の建物で、東京家政大学構内以外のところにはあまり残っていない形態のものがあるのが面白い。構内に木々が多いのもこのカットからも分かると思う。


学園祭だからなのか、カフェのようになっていた。外観もキレイにされている様子。


裏側に回ってみると、出入り口がある。僅かにデティールに歴史を感じさせる雰囲気が残る。


扉は新しくなっているが、その上の部分は木製の明かり取りの窓が残されている。


反対側は少し増築されている様子で、大学の施設としてしっかり活用されている様子が伝わってくる。


といったところで、非公開だった建物はずっと奥の方にあることだけは確認したが、近くまでは行けなかった。それでも、こんな状態で現存しているところが見ることが出来たのは良かったと思う。幼稚園を卒業して以来、しみじみと構内を歩く事もなかったので、そういった意味からも興味深く見ることが出来た。
そして、折角なので、こちらは道路から見ることの出来るすぐ近くの陸軍第二造兵敞の遺構。愛歯技工専門学校構内に残るレンガ造りの建物。これもレンガ造りの上からモルタル仕上げにしたもの。


内部で爆発が起きた場合に、圧力が上に逃げるように、屋根が薄く弱く作られているという。


表面のモルタルが一部崩れていて、その中にレンガ積みが見えている。


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