外に無く、内に有ること。

美を感じること、自然に生きること。

滝と道 象徴としての同一性

2009-06-04 10:22:38 | 日本美術


昨日の那智滝図を見ていたら,滝の出口のカーブが他の絵に似ている事に気が付きました.
右の東山魁夷の「道」,左は那智滝図を滝の部分を拡大し,遠近感を付け,色を変換したもの.(下から見上げた感じ)
荷車の跡と滝が分かれているラインも似ている.


東山魁夷の「道」は実際の風景からスケッチしたものです.
しかし,戦後ほどなくの日本文化に誇りを取り戻そうという時期,その風景を描こうとした深層心理に那智滝図があったはず,と思う.
それを見る観衆の根源的な記憶のなかにも,それはあるだろう.(那智滝図を知らなくても)