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うつわと家具展

木屋工房のテーブルと椅子

同ロッキングチェア

陶工房・彩の練り込みの器

同コーヒーカップ

陶工房・彩の日用雑器と木屋工房の木工家具
ギャラリー 野の苑

木屋工房の久しぶりに家具を視た。“見た”ではなく“視た”だ。綾町で開かれる工芸展等では毎年見ているのだが、その仕事ぶりをじっくり見るのは、何年ぶりなのだろうか。
丸いテーブルと椅子が気に入った。ここに座り、本を広げて読書したり、パソコンを前に書き物をしたり、あるいは友人に長電話をしてみたり・・・。座ってみてそう思った。一代きりの家具ではない。次の世代にも引継がれていく家具だ。最近は家も家具も消耗品のように2、30年したらもうおしまいというようなものが多くなったが、これは違う。定番のロッキングチェアもいい。デザインは何年も変わっていないが、全く飽きがこない。相変わらずいい仕事ぶりだ。これに座ってゆっくり揺れながら本を読んだり、考え事をしたり・・・。と言いたいところだが、、私はきっと、その横に寝そべって本でも読んでいるだろう。

陶工房・彩の器も丁寧な仕事だ。技法は「練り込み」。色や濃さの違う粘土を貼り合わせたりしてつくる陶芸技法のひとつだ。「手間がかかるでしょう?」と尋ねると、「そうでもないです」の応え。でも出来上がった作品は、手間ひまかけてつくられたことをうかがわせる。この人のつくる器は、陶器でもなく、磁器でもないというような感じだ。“半磁器”という言葉の方がぴったりするかもしれない。やさしさを感じさせる清潔感があり、都会的でもあり、現代的でもある。すっと以前、コーヒーカップを求めたことがあるが今も気に入って使っている。今回目にとまったのは、コントラストが強く、少し大きく深めのうつわ。その縁は、コンパスで引かれたような正円でなく、手が描いたゆったりとした円だ。コントラストの強い器だが、いつものやさしさを感じるのは、そのためだろう。

手づくりのものは、一見同じようでひとつひとつ違う。ひとつひとつに手のぬくもりが残っている。それが手づくり作品の魅力だ。
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