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春の準備のドングリ


年の瀬は、なにかと慌ただしい。それでもなんとか、ギャラリー野の苑も今日が仕事納め。玄関を開けると、垣根の下のアジサイの葉が目に飛び込んできた。このところの寒さのせいで、まるで蝋細工のように紅葉ならぬ黄葉だ。
そして、駐車場脇のコナラ。いつもの年なら3月頃に葉っぱを落とすのに、今年はずっと早く葉っぱを落とし始め、駐車場側には落ち葉がぎっしり。先日、その葉っぱを畑に埋め込むために袋いっぱい詰めたばかりなのに、また袋2つ分。やはり今年は寒さがきついのだろう。
しかし、その葉っぱの下ではもう春の準備。いっぱい落ちているドングリは、もう根を出し始め、中には2〜3cm根を伸ばしたものさえある。
今月初めにやって来た友人は、杉の林を照葉樹の森にするのだと言って、小さなバケツいっぱい拾って持って帰った。その友人は、照葉樹林の町・綾町に少しばかりの山を持ち、普段からそこで遊んでいて、杉林を照葉樹の森に変えたいようだ。
ギャラリー野の苑のドングリも、照葉樹林再生へ一役買うことになる。


垣根の下のアジサイ


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さどわらの干支展




昨日から、ギャラリー野の苑で、来年の干支=戌の土人形を中心にした展示会を始めた。案内チラシには、「佐土原人形伝承会」会員がつくった干支を配した。創作人形だから、個性豊かだ。「伝統的」という枠組みから飛び出したものも多い。講座の最中に何枚か写真を撮ったが、一人の作品だけ“頭隠して尻隠さず”の戌になってしまった。最も大事な戌の頭が写っていないのだ。気をつけて撮影したつもりだったが、後の祭り。「ごめん」という羽目になった。
人形工房の戌は後ろに配置した。前回の戌年の時、年賀用切手になった人形だ。どっしりとした人形である。眉毛があるものとないものとの2種類がある。私も一体分けて頂いたが、私が頂いたのは眉毛がない戌。表情に少し違いがある。

さて今日は、MRTラジオの“スクーピー”が取材にやってきた。約7、8分ほどの生中継。テレビなら黙っていてもいいが、ラジオではそうはいかない。打ち合せの時と、少しずれた応答をしてしまったが、こちらも後の祭り。いつもだが、自分の声は聞く気にはなれない。

そんなこんなだが、伝統的佐土原人形、創作土人形、木目込み人形、陶器、ちぎり絵という各分野の干支がそろった。ぜひ観に来て頂きたい。気に入れば求めて頂きたい。正月にちょっと飾ったりするだけで空気が違うはずだ。















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佐土原人形「塩谷判官」(えんやはんがん)


新春「土人形展」に手持ちの土人形を中心に登場してもらうことにした。ギャラリー野の苑の新春企画だ。新しい年に古い土人形を展示することになる。
「土人形」と言うと、一般にはなじみがない言葉かもしれないが、「原型---人形型---素焼き」という工程をへて、それに絵付けされた人形だ。全盛期は明治・大正期だろうか。全国的に同じような傾向だ。
宮崎の土人形と言えば、佐土原人形だ。展示会では、その佐土原人形を中心に、これはと思うもの約20点ほど展示するつもりだ。産地も年代も分からないものもあるが、どれも残しておきたいものばかりだ。
案内ハガキには、節句人形など数あるジャンルの中から歌舞伎人形を選んだ。人形名は「塩谷判官」。仮名手本忠臣蔵に登場する人物だ。忠臣蔵で言えば、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)。本当は、この人形には相方の人形があるはずだ。佐土原の歌舞伎人形は、歌舞伎のシーンを再現するため、2体、あるいは3体で一組というのが一般的だ。そのため、大胆にデフォルメされた形態と絡み合う目線などを特徴としている。首は胴体にグイッと差し込まれ、手も同じく差し手の技法で表現を豊かにしている。「塩谷判官」と対の人形は、宮崎県総合博物館蔵の「高師直」(こうのもろなお)人形かもしれない。いつの日か、合わせてみたい気もする。
佐土原人形は、一般的に「どこか素朴で懐かしく温かく」などと評されるが、「塩谷判官」をみれば、そればかりでないことは一目瞭然だろう。佐土原で盛んだった歌舞伎芝居を背景に、腕を振るった人形師たちがいたのだ。乞うご期待である。
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トゲナナフシ


ギャラリーの壁に変な虫がいるという。聞けばカマキリに似ているけどカマキリではないという。パソコンに向いながら「じゃー、ナナフシじゃなーい」と返事をしてカメラを持って外に出た。宮崎弁の「じゃー、ナナフシじゃなーい」とは、標準語に直せば「それではナナフシではないですか」という意味。
その変な虫は、やっぱりナナフシだった。それもトゲナナフシ。体にトゲがある。トゲと言っても硬くはなく、トゲのある植物の小枝に似せているのだろう。しかし、擬態のうまいナナフシといえど、壁に貼付いていればすぐに見つかってしまう。このトゲナナフシ、不思議なことに全てメスで、女性ばかりで増えるのだそうだ。そう、単為生殖だ。体長6.5cm、まっすぐ伸ばした前足は頭の先。そのため4本足にも見える。今日の最初の来訪者はなかなかおもしろい方だった。

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