野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

我が輩は、アカハライモリ

2017-06-26 | 自然

梅雨の雨間を利用し、木城町の高城に出かけた。戦国時代、2度にわたって合戦の舞台になった場所だ。それも激戦だ。1度目は、豊後の大友軍の攻撃、2度目は天下統一を目指す豊臣軍の攻撃。2度とも落城することはなかった。
何度か訪れてはいるが、もう少し確認したいことがあり出かけた。実際に歩いてみると、この城を攻める難しさは実感できる。眼下には、合戦の名前にもなっている高城川(現・小丸川)。その向こうには陣が張られた山並みが見える。第1次合戦の舞台となった平野部は、木々に遮られているため部分的にしか見えない。しかし、ある程度は望む事ができるため、合戦の様子を想像するにはもってこいだ。

ところで、この城の一角を歩いた時、足もとを何か素早く動くものがいた。トカゲのようにも見えたが、今まで見た事のない姿なので写真におさめた。大きさは8cmほど。気にかかるので、後日あれこれ調べたが皆目分からない。
イモリ・・・?、ヤモリ・・・?、トカゲ・・・?、それともサンショウウオ・・・?。普通、画像検索などで大概見つかるが、全くヒットせず。一番似ているのはイモリのようだとは思ったが、皮膚は乾燥肌。そして尻尾はトカゲのように細くなっている。それに背中に赤い一本線。ん〜っ?、分からない。
といこうとで、博物館に尋ねた。動物に詳しい学芸員の方曰く、「アカハライモリですね。イモリは、陸上では肺呼吸をします。間違いないです。ちょっとですが、写真のお腹のところに赤く写っているでしょう。」
いつも田んぼ周辺で見ているイモリとは随分違う感じを受けていたが、個体差もあったようだ。その場でひっくり返してみれば、「なんだアカハライモリか」と確認できたのだろうが、見つけた場所が標高約60mの頂上付近であり、あまりに乾燥肌でありすぎた。
でもこれで一件落着。こういうアカハライモリもいるということだ。

アカウミガメ/2017(宮崎二ッ立海岸)

2017-06-19 | 自然

数十年前とまではいかないが、一ツ瀬川河口右岸(二ッ立海岸)にアカウミガメの上陸が続いている。

宮崎市の最北端になる一ツ瀬川から、市の中心部を流れる大淀川までの海岸を、最近は宮崎海岸と呼ぶようになった。しかし、地元には地元の名前がある。宮崎海岸は北から南へ、二ッ立海岸、大炊田海岸、石崎海岸(明神山海岸)、住吉海岸、阿波岐原海岸、一ツ葉海岸となる。二ッ立海岸から石崎海岸までは佐土原海岸だ。以前は「海岸」などと言わず、「浜」と言っていた。二ッ立海岸は「二ッ立ん浜(二ッ立の浜)」という具合だ。
二ッ立海岸の大部分は数十年前から直立護岸(垂直護岸)だ。その前には巨大なテトラポット(消波ブロック)が並んでいる。数年前までは、直立護岸に直接波がぶつかり、波しぶきが護岸の陸側まで打ち上がっていた。「護岸が倒れるのは時間の問題」と言う専門家さえいたが、どういう理由からか、ここ数年一ツ瀬川河口側(北側)から次第に砂が付き始めている。

ところで、忙しさ等もあり、昨年からアカウミガメの産卵観察会を止めにしているが、産卵シーズンになると気にはかかる。そのため、浜の状態を見ておきたいこともあり、時間をみつけて浜に出かけた。
今年の二ッ立海岸は、護岸の前、北半分ほどは産卵できるほど砂が付いている。アカウミガメは期待にたがわず、思ったよりたくさん上陸していた。この2、3日前に産卵したと思える個所も何カ所かあり、全部で15、6数カ所。(注/しっかり数えたわけではない)。しかし、南に行くほどテトラポットが目に入るようになり、何カ所かは、上陸したアカウミガメはその手前で引き返していた。
大炊田海岸は、現在、見た目は自然の浜に近い。一昨年より少し前は、養浜と巨大なサンドパックが埋められたばかりで、サンドパックが侵食でむき出しになり、近づく事もできないほど危険な状態だった。今年は、傾斜が少し人工的な感じはするが、そこにも2、3のアカウミガメが産卵していたが、やはり何かが違うのだろう。養浜部分は、よそから持ってきた土砂が固められている。砂ではなく土砂だ。その土砂が少しずつ波に洗われるという寸法のようだが、陸の松林に近づくほど地面は堅く、産卵には適さない。数年前の観察会では、松林のすぐ近くまで這い上がり、穴を掘り始めたが、堅くて掘れず、4カ所も産卵場所を替えたアカウミガメがいた。

宮崎海岸には、直立護岸、テトラポット、養浜、サンドパック、傾斜護岸、ヘッドランド、人工ビーチ、港湾施設と防波堤という様に人工構造物が見本市よろしく並んでいる。「侵食」と「浸食」は違う。人の行為が生んだ末の対症療法、今後の成り行きをアカウミガメと共に見守りたい。


護岸前の産卵(二ッ立海岸)


テトラポットで産めず(二ッ立海岸)


これもテトラポットで産めず(二ッ立海岸)


砂浜には巨大なサンドパックが埋まっている(大炊田海岸)


養浜の砂浜に産卵(大炊田海岸)

コガネムシ

2017-06-16 | 田んぼと畑

ブルーベリーがそろそろ熟れ始めた。いつもなら雨気味の中で摘み取るが、今年は違う。梅雨入りが1週間ほど遅れた上に、梅雨入りしても極端に雨が少なく、水を欲しがる植物は少々疲れ気味。しかし、そんな中でブルーベリーはたくさんの実をつけている。本格的摘み取りにはまだ早いが、幾粒か熟れていた。雨が少ないせいか、いつもより甘い。
そのブルーベリー、困った事に昨年秋から冬にかけてミノムシがたくさん付いた。小さなミノムシで、枯れ葉や枝のようでもあり、当初見過ごしていた。しかし時が経つにつれ、葉っぱがみるみるなくなるので気がつき、何度かに分けて取り除いたのだが、2、3本は手遅れ気味だった。その影響は今年の実の付き具合に現れ、実は例年の3分の1ほど。代わりに葉っぱは盛りもりとなった。
その葉っぱに隠れるようにコガネムシが1匹。コガネムシもすぐに取り除かないと葉っぱがなくなってしまうが、まだ1匹なので観察のために写真に残す事にした。
布張りの椅子の上に移すと、最初は触角も出さずに固まっていたが、時間が経つとアンテナみたいな触角も出してきた。足の爪は、どこでもつかまれるように鋭い。食害さえしなければ、特有の金属色のきれいな昆虫なので、カブトムシやクワガタのように大切にされるはずだが・・・。
このコガネムシ、取られたのは写真だけで、命まで取られることはなかった。


最初は触角も出さず固まっていたコガネムシ

型絵染め

2017-06-11 | ギャラリー
写真は、図柄を洋型紙に写しとったところ。

ずっと以前、アザミの型絵染めを手がけたことがある。大きさは幅45cm高さは140cmほどだったか・・・。タペストリー仕上げだったが、それなりに気に入っていた。その作品は知人が求めるところとなり、手元には型が残るのみだ。
その型を使いのれんを作りたくなり、ひっぱりだしてみた。つくりたいのは、やはり45cm幅の麻布を使ったもの。2枚横に並べるので幅は90cmとなり高さは150cmほど。その真ん中に藍のアザミという寸法。ところが困ったことがふたつ。
ひとつは取り出した型。横に伸びた葉っぱの部分が足りないし、背丈ももう少し欲しい。しかし、新たに型をつくり直せば時間がかかる。しばし思案・・・。結果、図柄に少し気になる部分をあったので、そこも新たに手直しするため、最初から作り直すことに決めた。
もうひとつの問題は、麻布がとても高い。ネットで調べてみると、以前と比べて1.5倍ほどの値段になっている。お店によっては2倍ほどになっているところさえある。元々麻布は高いが、これでは・・・。調べること数日、どうにか手の届きそうなお店を探して注文。しかし、現物を確認できないところがネット注文の難しさ。手元に届いてみるまで不安があったが、届いたのは思っていた通りのものだった。
のれんは、梅雨前に仕上げたかったが、やはり型作りは時間がかかる。そのため仕上がったのが梅雨直前となった。型づくりの後、この型に糊を入れ、乾かして色を入れていかなければならない。ずっと以前、梅雨時期に糊を入れて乾かず、カビが生えて麻布と共にダメにしたことがある。そのまま放置していたら、糊の部分(図柄部分)のみ、ゴキブリがきれいに食べていた。
今回は、失敗をくり返さないため、梅雨明けを待つことに決めた。それまでは別の仕事だ。

アシタバのヤブキリとアマガエル

2017-06-07 | 田んぼと畑

アシタバは漢字で書けば「明日葉」。若葉を摘み取っても、次の日にはもう新しい若葉が出るほど旺盛だ。そのため、この名があるという。少し苦みがあるが、和え物などにすれば美味しい。お茶にして地域おこしにしているところもある。そのアシタバが大きな葉を付け、日増しに元気になってきた。
そのすぐそばを横切った時、昆虫が目に入った。バッタと思ったが、よく見ればヤブキリ。キリギリスの仲間だ。薮にいるからヤブキリギリスならぬヤブキリなのだそうだ。長い触覚を動かしながら、じっと目を向けている。私が動けばまたじろり。じっと睨まれているようだ。
写真におさめてじっくりながめてみると、足の先の棘が目につく。こんなに鋭いとは思わなかった。昆虫や小動物を捕まえるのに都合がいいようにできているようだ。口の回りもすごい。拡大して、そこだけ取り出してみると、まるでエイリアン。一寸法師でなくてよかった。食べられてしまうところだ。
アシタバには、葉っぱに隠れてもう一種。アマガエルだ。朝日を浴びながら、葉っぱの上でじっとしていた。。こちらも昆虫や小動物を狙っているようだった。ここにも生態系の一端が見て取れる。


ヤブキリと目があった

前足の棘

口の回りもスゴイ


じっとエサを待つアマガエル