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クサガメ、見〜つけた!




やっと2度目の田植え(WCS用)が終わり、ホッとするまもなく、今朝はカモよけの防鳥テープを張るために、目覚めてすぐ田んぼに出かけた。苗が根付いた後なら、天然「合鴨農法」と言ったところだが、数羽のカモが越冬後もそのまま居着き、田んぼ周辺にやってくるのだ。植えたばかりの苗はまだ種が付いているため、それを求めて泳ぎ回られれば、最悪植え直しということもあるためだ。

今朝の田んぼは無風、そして50m先も見えないほどの朝霧。植えた苗の列が霧の中に見えなくなるほど幻想的だった。そんな中、畔を歩き始めた。すると畔草の上になにやら黒い物体。「ああ、やっと姿を現したか」と思った。田植え前の田んぼのあちらこちらに痕跡があったので、たくさんいるだろう事はわかっていた。大きいものは約10cm幅、中くらいのものは7〜8cm幅、もっと小さい5cmほどの幅で、お腹を引きずり歩き回った跡だ。そう、クサガメが歩き回った跡だ。この田んぼはヨシ原を隔ててすぐに幅数メートルほどの小川が流れているため、たくさんの生き物の痕跡に出会う。先日は喰いちぎられたばかりのネズミの死骸。肉片生々しい首と胴体があったが、田んぼを一回りすると、もう無くなっていた。イタチかなにかの仕業に違いなかった。ここでは生存競争も激しいのだろうが、どことなくアジアの雰囲気も感じさてくれる好きなところだ。

ところでこのクサガメ、近年までは在来種とされていたが、江戸時代以降に中国や台湾、朝鮮半島から日本に持込まれたという説も出てきている。ニホンイシガメとの交雑問題などが指摘されるようになっているようだ。しかし、わが田んぼ周辺はゆったりした宮崎平野の中心部。流れが少しありそうなところを好むニホンイシガメは元々少ないようだ。調査報告では生息の確認もあるようだが、私自身は未だ見たことはない。ここ周辺で見た事があるのは、小川の主のような大きなスッポンに困り者のミシシッピアカミミガメ。ミシシッピアカミミガメは川に流れているのを一度だけ見たことがある。今までに見たのはほとんどクサガメだ。

参考にするため、ちょっとだけ家に持帰り計測してみた。持帰る時、少し臭いがした。名前の語源には、一説にこの臭いから「臭亀」とも言われる。甲羅の長さは20cm、幅は14cm。ツメは前足も後ろ足も鋭い。幼体では目立つ背中の3本のキールはかなりすり減っているため、大きさ等から年令は20歳ほどか。性別は、頭が大きいこと、尻尾が小さいこと、加えて首筋や頭の横に黄色い模様がはっきりしていることからメスと断定した。その後、カメはどのように動いていくかと思い、そのままじっと観察してみた。甲羅にすっぽり引っ込めていた頭を少しずつ出し始め、ゆっくり右、そして左と辺りの様子をうかがう。それはそうだろう。見かけない風景のはずだ。私と出会わなければこんな風景と出会うこともなかったはずだ。もっそりと歩き始めたところで家での観察終わり。







というこで、元の田んぼへ返してやることにした。元の田んぼの畔に返してやると、辺りを少し観察したそぶりを見せると、そのまま田んぼの泥のなかへ頭から突っ込み始めた。風景も臭いも同じなのだろう、ひとかきふたかきしながら次第に姿をかくしていった。完全に泥の中にもぐり込んでしまうまで約1分。すぐ横のアシ原ではオオヨシキリが「「ギョギョシ、ギョギョシ」とけたたましく鳴いていた。









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