HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

オリジナル・シリアル・ヒーロー物の代表作 『KING OF THE ROCKET MEN』

2005年12月20日 | 連続活劇

 連続活劇のなかでもいろんなジャンルがあるが、私が大好きなのは何と言ってもヒーロー物だ。現実離れしたカッコで街の中を闊歩し、悪人たちと戦うなんて映画やテレビでないと許されないし、また観る側にしてみればそこに興奮を覚える部分なのである。さて、その連続活劇のヒーローたち、コミックスやパルプマガジンからの出身がほとんどで、現在の日本の特撮ヒーローたちのように映画のために生み出されたオリジナルヒーローというのがあまりない。誰でも知ってる有名キャラクターを映画化したほうが子供たちを劇場へ足を運ばせやすいのでちょっと無理というものだろう。
 しかし、わずかだが中にはオリジナルなキャラクターもいて、何と3回も映画化されたものもある。それがこのロケット背負ったニクい奴《ロケットマン》なのだ。以前このブログでも紹介した『月からのレイダーマン』(51)も実はこの《ロケットマン》のシリーズで、今回紹介するのは1949年製作の初登場作『ロケットマンの王』(KING OF THE ROCKET MEN)だ。  

 世界征服を狙うDr.バルカンは、自分の周りにいる邪魔な科学者たちを次々に殺していく。主人公ジェフ・キングは《どんな物質でも溶解する兵器》を開発している友人を(バルカンの魔の手に掛かって)死んだことにさせて、岩山の洞窟にこさえた研究所に身を隠させ、自らはDr.バルカン探しと《どんな物質でも溶解する兵器》の秘密を守る為に、友人がすでに開発していた携帯用ロケットブースターと砲弾型のヘルメットを身に纏い《ロケットマン》となって数々の危機に立ち向かっていくのだった…。 
 この映画、すごく期待していたのだが、実際鑑賞してみると「思っていたほどじゃないな」と正直思った。第2作目の『月からのレイダーマン』が宇宙人が出たり、有人ロケットに乗って月へ行ったりと衝撃的だったので第1作目は…と過度な期待をしていたのがマズかったか。SF的な小道具はあまりなく、ロケットマンとギャング風の悪漢たちが延々と殴りあっているイメージしか記憶には残らなかった。しかし最終回のニューヨーク大崩壊のシーンは迫力があってとてもよく、すげー!と感心していたのだが、いろんな資料を読むとあのシーンは『世界大洪水』(33・RKO製作)の流用だそうで、一気にガクーンと落ち込んだ。そりゃそうだよなぁ、あそこだけ特撮シーンが凄かったもんな…。というわけで感想としては
 「一応楽しめたけど、安っぽさだけが印象に残った作品」

でした。