夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<泥中の蓮 いくつ咲かせましょ。>

2014-03-29 | つれづれ

今日は冲方丁先生のトークショー&サイン会が泉涌寺であるということで、出掛けてきました
天地明察、光圀伝、ときて今回「はなとゆめ」という清少納言が主人公の小説を手掛けてらっしゃいます。
そのため皇室所縁の泉涌寺で、平安文学研究家の山本淳子教授とのトークショーと、続けてサイン会とが行われました。
トークショーには残念ながら間に合わなかったのだけど、サイン会はいずれの本でも大丈夫とのこと。
どれにしようか迷ったのですが、最初に冲方先生を知るきっかけになった本、天地明察を持参しました。

近くの東福寺には行った事あるけど、気になってたままでお参りしたことなかった泉涌寺。
 境内の桜はもう、見頃です 
 良い天気で  バス停から歩くと、汗ばむくらいの暖かさ。
 まずお参りしてから、会場に向かいました。
会場では遠田志帆さんの挿絵のイラストパネル展も開催されてました。

冲方先生は、大柄な方で、なんといっても、ハンサム
イケメンってより、ハンサム
 「勇気百倍!」って入れてくれたの
それを見ると、ドタバタおっちょこちょいで 夢に溢れてた若かりし頃の渋川春海が目に浮かびます。

楊貴妃観音は、思ったよりも小さなお堂でしたが、優しいお顔の観音様でした。


折角なので、周りも色々とお参りしてきました。
まず、雲龍院。
ここにあるって知らなかったのだけど迷いの窓・悟りの窓で有名な 泉涌寺の別院です。
 お庭もとても綺麗
入ったところにある清浄の間の龍は、見る立ち位置によって鼻の長さが違って見える!
右からと~
 左からと~・・・わかるかな?笑。

 迷いの窓。
四つ並んだ 四角い窓は、人生における苦しみ「生老病死四苦八苦」を表しているそうです。
そして、入り口すぐ左側に座って眺めると、それぞれの窓から
 椿と灯篭、そして
 楓と松 が見えます。
紅葉の時期にはきっと綺麗なんだろうなぁ。。。
霊明殿のところにある中庭には、菊のご紋と灯篭が。
  どうやって描かれるのだろう。。。すごい。。。
龍華殿には薬師如来と、日光・月光菩薩が祀られています。
写経もできるみたいで、時間があれば今度伺いたいなぁと思いました。
これからの季節、清水寺とか八坂神社とか もう人がわんさか居たけど、ここ東山はとても静かな一角でした

そして、こちらが悟りの窓。 
窓の下にも枝と花が綺麗に描かれてます。 
 
 禅の悟りを表しているそうです。
煩悩まみれの私では、こんな短時間ではちっとも悟れませんでしたが(笑)窓からは紅梅・海棠・シャクナゲと順に並んで見えて、奥行きが出て素敵なお庭が拝見できました。

台所には「走り大黒天」がいらっしゃって、俵の上に乗ったいつもの大黒さん、というより、ちょっと怖いお顔。
でも、足を一歩踏み出した体勢で、家まで入って幸福を持って来て下さるそうです!


あとは時間との兼ね合いで、バス停に戻りながら 寄り道お参りをいっぱい。笑。
次に今熊野観音寺へ。
 ベビ緑
境内は広くて全部回ることはできなかったのですが、本殿とお大師さんにお参り。
頭痛封じのご利益があるそうです。なむなむ。


そして、こちらは戒光寺。
約10mの大きなお釈迦様にお参り。
こちらのお釈迦様の喉元には、血の跡のようなものがついています。
後水尾天皇が即位争いに巻き込まれて暗殺者に襲われた時に、身代わりにたたれて、ついたものだそう。
怖い~
悪い事から身代わりになって守って下さるんだって。
境内には、伊東甲子太郎や藤堂平助といった御陵衛士の墓所もありますが、今日は申し込みしてなかったので気持ちだけ。


向かい側にある、こちらも泉涌寺の山内寺院の法音院。
不空羂索観音がご本尊ですが、七福神の寿老人もお祀りされていて こちらは外からも薄らと拝見することができます。
小さな寿老人で、可愛らしい雰囲気でした。


そして最後に、雨が降りそう!てなりながら急ぎ足で向かったのが、即成院です。
今は平成の特別拝観中なので、拝観料を収めると内陣まで案内して説明していただくことが出来ます。
平等院を建てた藤原頼通の子、橘俊網がつくられた寺院で、ご本尊の阿弥陀如来と、25菩薩様、番外の如意輪観音を合わせて26体、拝観することが出来ます。
臨終に際して阿弥陀様が25菩薩と一緒に迎えに来て下さり、その時に菩薩様方はそれぞれ楽器を持って音楽を奏でている、というところを表しています。
本当に表情豊かで、白い歯を見せて笑っていたり、その手で鼓を叩こうとしていたり、見ていると楽しくなります。
そして、如意輪観音も片膝を立てて物思いに耽っているお顔。
こちらの如意輪観音に会いたくてお参りしたのです。
でも、もっとすごかったのが、観世音菩薩。
大勢至菩薩と共に脇侍としていらっしゃるのですが、大和座りという つま先を立てて 正座からすぐ立ち上がることのできる姿勢で座られています。
手には蓮華台を持って、この姿勢で 人が亡くなるとすぐに駆けつけてくださると。
(もちろん、人にもいろんなランクがあるのですが、それは置いといて。笑)

何かねぇ、思わず泣いてしまったの。
何があっても、こんなに素敵な観世音菩薩が、いの一番に駆け付けて下さるんだよ。
死んだって、安心だよ。
そう思ったら何だか、死ぬのも悪くないなって思った。
そう思ったらすごい泣けてきて。
恥ずかしいからお寺の方が居なくなって、一人でお参りする時まで我慢したけど。笑。

お堂から出ると、那須の与一のお墓もあります。
那須与一って扇を射る場面でしか知らなかったけど、その時彼は17歳だったんだって!!!
屋島の合戦に向かう途中、病気になって、この即成院の阿弥陀様にお参りして治ったということで、戦が終わった後、出家して即成院で阿弥陀様とともにあったらしい。
全然知らなかった~。
3mもある大きな石造りの宝塔にお参りできます。

堂内には、坂本龍一さんが捧げたという笙の音楽が流れててとても荘厳な雰囲気。
いつまでも中でずっと座っていたい気分でした。
宇治とかまだ行った事ないけど、極楽浄土の信仰ってあまり感動したことなかったけど、この菩薩様たちを見て、昔の人の気持ちが良く分かった。
こんなに素晴らしい世界があるなら、何も怖くないなって。

こちらも境内にはお大師さんがいて 
前に多分お大師さん所縁の黒白の犬のことだと思うのだけど、可愛らしい子たちが守ってました。
 この子と  この子。
ちょっとドキドキしながらナデナデしてきた

すごく癒されて、お寺を後にしました。
まだ特別拝観している間にお参りに行きたいです。

祇園までバスで揉みくちゃになりながら戻って(笑)
お気に入りの、「祇園の月」ってお団子と、「舞妓はん ひぃ~ひぃ~」って辛いカレーせんべいお土産に買って帰りました。

気付いたら、良く歩いたよ!・・・たぶん。
すごく素敵な東山でした
この季節が一番いいね