森かずとしのワイワイ談話室

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チリの奇跡と軌跡

2010-10-15 01:26:47 | Weblog
 この2ヶ月間余り世界の話題をさらってきたチリのコビアボ鉱山落盤事故からの33人の救出作戦が無事完了した。読者も報道を感動を持ってご覧になったことと思う。救出された受難者たちも救出に携わった人々も、もちろん生還を待ちわびた家族たちも、チリ、チリを連呼し、国歌を歌い喜びを爆発させた。全員の救出を私も賞賛を惜しまない。国交のないボリビア人鉱夫も救出され、ボリビアのモラレス大統領が感謝と祝福にやってきた。人命のために周到で組織的な対応を行ったチリは、国家の存在を許容するとして、唯一の存在意義を端的に示したと思う。
 チリと言えば、1970年のアジェンデ社会主義政権の誕生、その軍事的転覆により誕生したピノチェット軍政独裁の人民圧殺、フリードマンの新自由主義の凶暴な実践による社会崩壊、そして世界的な話題となったピノチェットの訴追、社会的な政策を指向する初の女性大統領社会党のバチェレの改革。地下に閉じこめられた鉱夫33人の救出を国家的な救難作戦として成功させたビニェラ現大統領と、激動の現代史を刻んでいる。こうした歴史を経てきた国民の意識が現れているように思う。
 愛国を強要する人命軽視の国と、一人の人命・暮らしを守ることから愛国の情が発露する国がある。その違いは明瞭だ。救出の報道を見ていて、そんな感慨がせり上がってきた。

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