里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'23~あんぽ柿が出来上がる

2023年12月19日 | 干し柿づくり

あんぽ柿が出来上がりました。
干し柿は、干し始めてから4週間。
今年は順調に干し上がりました。
気温は総じて高かったものの風が吹き比較的湿度が低く経過したためです。
柿自体も大玉が少なく乾きやすかった。
数は29連で490個余りとほぼ例年並です。今年は昨年のような特大玉はありません。
すでに1週間ほど前から食べており、甘味は十分です。
想定より乾きが進んだため、吊したまま空気に晒し続けると硬くなってしまう恐れがあります。
そこで、3日ほど前から直接空気に晒さないよう紙袋で覆いをしました。
こちらが横吊りにした干し柿。


比較的大きい方で主に贈答用にします。
紙袋は30キロ入りの米袋を利用しています。3層になっている内側の1枚を外すと綺麗な状態で使えます。
片方の紙袋を外してみます。


プロ生産者の大半は横吊りで、縄の跡が付かないので玉回しの必要がありません。
風の通りが良いため乾きも安定しています。


色上がりもまずまずですが、大きさは昨年からみるとかなり小さい。


表面はよく乾き、しわも出てきました。白粉はまだ見られません。


こちらは従来からの縦吊り。


こちらは縄を少し寄せて、同じように紙袋で覆いをしています。
片方の紙袋を外してみます。


今年は乾燥の進み具合は横吊りと全く変わりませんでした。


こちらは玉回しを数回行っています。
当地では「芯切り」と言っている柿の腹を揉む作業はどちらの吊し方でも行っています。
小振りなものを縦吊りにしていますが、あまりに小さいものもありません。


特大玉がない代わり大小あまり違いがないのが今年の特徴です。
今は甘味だけでなく干し柿らしい旨味も出てきました。
中身は予想以上に固まってきました。これであんぽ柿の出来上がりとします。
1週間後くらいにはうっすらと白粉が見えるものも出てくるのではないでしょうか。
我が家ではあんぽ柿からさらにころ柿へと進めていきます。
あんぽ柿、ころ柿と言っても連続している訳で甚だ主観的なものです。
ただ「あんぽ柿」は白粉が吹かないもの、「ころ柿」は白粉が吹いたものと区別するのは分りやすい。
現在、当地方の干し柿は殆どが白粉を出さないあんぽ柿として出荷されます。
大産地の福島県伊達地方も同様です。
蜂屋柿が大不作だった昨年は別として、我が家では例年春先までころ柿を食します。
表面に真っ白に白粉が吹き、中身がヨウカン状に硬くなるまでです。
この後、干し柿の状態を観察しながら、室内に取り込み白粉を吹かせます。
比較的大きな1個を取ってみました。
白粉が吹いていない典型的なあんぽ柿。


中身はゼリー状ですが、トロトロと流れるようなことは全くなく見かけより固まっています。


甘味だけでなく干し柿らしい旨味も乗ってきました。
これから白粉で真っ白になるまでその時々の味が楽しめます。
人によって軟らかいあんぽ柿から硬めのころ柿まで好みは様々。
好みの時にタッパーに入れて冷蔵するなり冷凍して長期保存すれば、その時々の状態が保たれます。