里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のイネはヤマセの鬼門からは免れそう

2021年07月20日 | 田んぼ

今、イネは最も気象の影響を受けやすい重要な時期を迎えています。
当地方は、常に7月はヤマセに悩まされます。
昨年、一昨年も低温に見舞われました。
ギリギリのところで一大事になりませんでしたが、我が家では少なからず影響を受けました。
今年のイネは5、6月好天に恵まれ、生育は順調。


目標としている茎数25本もほぼ確保されています。


中干しは不十分で、茎数30本を越え分けつ過剰な株も見られますが。
こちらの田んぼも、イネの姿は悪くありません。


病害虫の発生も見られません。


草丈がぐんと伸びました。


今年のイネの生育なら穂の基が出来る幼穂形成期は7月5日頃だったと思われます。
7月は幼穂の生長する最も低温の影響を受ける時期です。
特に花粉の出来る減数分裂期と言われる時期に強い低温に遭遇すると致命的。
一日の平均気温20℃以下又は最低気温17℃以下の日が数日続くと極めて危険とされます。
7月に入り、6月までの好天から一転雨続きで心配な天候となりました。
例年、梅雨期に雨が続く時は、当地方は必ずと言ってよいほどヤマセによる低温に見舞われます。
昨年、一昨年もそうでした。
ところが、今年はそのような低温になっていません。
これは極めて珍しいことで、当地方にとってはラッキーと言っていい。
そして、思いがけず突然の梅雨明けとなりました。
これまた、近年稀なこと。ここ数日真夏日となっています。
茎を3本取って丁寧に剥き、中の幼穂を見てみました。


予想以上に大きく生長していました。
幼穂の長さ3~12㎝くらいが「減数分裂期」に当たります。
今が減数分裂期のまっただ中。
穂が出る10~15日前に当たります。 通称「穂ばらみ期」。
この時期が最も危険。
低温障害を受けると花粉ができないため穂が出ても実りません。
当地方では、穂が出ても穂が垂れず立ったまま透けて見えることから、「行灯(あんどん)穂」と呼ばれます。
大凶作となった平成5年、15年は大半がこのような穂となりました。
これまでも先の天気には何度も裏切られてきたので100%とは言えませんが、ヤマセの直撃による最悪の事態は免れそうです。
こちらの田んぼも姿は良い。

順調なら、8月早々には穂が出ると思われます。


7月中にもポツポツ穂が出始めるかもしれません。
穂が早く出るとマイナス面もあり、気温が高すぎるとこれまた悪影響があります。
この先、まだまだ難関が待ち受けます。
周辺の刈り払い作業はこの幹線道路の法面が最後。


雑草の刈り払いは害虫対策に必須。
汗だくになりつつ予定通り全て終わりました。