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ペンギン×アート作家 松島佳世のブログです。
展覧会情報と創作の日々の様子を書きます

ルソー夢×ペンギン、壁画になる その3

2023-03-29 22:52:00 | 壁画ルソー夢ペンギン




『ルソー「夢」×ペンギン』は私が2008年3月に制作した作品です。

大きさはたて45.5㎝×よこ60.6㎝。キャンバス アクリル画

その年の第10回ペンギンアート展東京には出品しましたが、けっこう早くに売れてしまったので、展覧会で生の作品を見た人はわりと少ないと思います。私もその一人。

この絵を描くきっかけは、ジャングルにいるペンギンのことを知ったこと。緑いっぱいの絵にペンギンを紛れ込ませてもだれからも突っ込まれないと思ったからです(気が弱い)

詳しくは作品集「ペンギン美術館」にも書きましたが、制作当時はまだペンギンが南極以外にも生息していて、しかも18種類もいるなんてペンギンの超マニアでなければ知らなかった時代。(今でも世間一般ではそうかもしれませんが)

種類についても実はこの時ペンギン会議研究員上田一生先生に直接メールして教えていただいたのでした。

(先生、その節はありがとうございました。肩書はこれであってますか?)

2008年3月時点ではまだ18種類にハネジロペンギンがいて、イワトビペンギンは一種類でした。

この時点でも上田先生に次の国際ペンギン会議で変更になりそうだと言われていて、ほどなくイワトビペンギンはキタイワトビペンギンとミナミイワトビペンギンが別の種類と正式に認定され、ハネジロペンギンは亜種とされたのでした。

しかし、私が描いた2008年3月当時はハネジロペンギンだと上田先生に教えていただいたのでそのまま『ルソー「夢」×ペンギン』に描いています。

イワトビペンギンも私はどっちを描いたのか今となるとわかりません。たぶんキタイワトビペンギンではなかろうかと思うのですが、さっぱりです。

昨今はリアルペンギン描き分けが主流の時代ですが、

大事なことなのでもう一度書いておきます。

『ルソー「夢」×ペンギン』は2008年3月現在の上田一生先生お墨付きの種類分けで描いています!なのでハネジロはいるし、イワトビは一種です!

相変わらず私は気が弱い(笑)


おまけ








つづく

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ルソー夢×ペンギン、壁画になる その2

2023-03-25 22:38:00 | 壁画ルソー夢ペンギン




(東大阪にあるサンコーインダストリー株式会社さんの建物の外壁にはペンギンがいっぱい。ここの7階が食堂)

サンコーインダストリーさんの新しい食堂の壁画制作にあたっては1つ問題がありました。

絵を壁面に直接描くには、手洗い場の上に足場を組まないといけないことです。

足場に乗って描くのは全然怖くないし、巨大壁画制作で慣れてむしろ楽しいのですがそんなことではなく、

ここに集まったメンバーは誰も気づいていない様子ですが(なんで⁉︎)足場を組むと制作が終わるまで手洗い場が使えなくなるのです!

「大丈夫ですよ~。合間をみてちょこちょこと使いますから~」

「いやいやいや…不便でしょう。またもし私が制作中に汚したり、こわしたり、台を凹ませたりしたらどうするんですか?まだ新しいのに」

「大丈夫ですよ~。気にしませんよ。松島さんがここを凹ましたって語り継ぎますから(笑)」

「いやいやいや…」(私が気になる)

とうわけで、私からの提案として別の場所に同じ大きさの板に絵を描いて後で手洗い場の上の壁面に設置することになりました。

板であればアクリル絵の具で描けるし、大きな絵を現地で制作するという私としては最良の形で描けることになりました。

なのでいつも壁画と言っていますが、厳密には違います。

(細かいことは気にしない~♪)

板の準備、その他もろもろは巨大壁画「最後の晩餐」×ペンギンで大変お世話になったマックスさんがしてくれることになったので、こちらも心強い。

あとは環境が整う12月頃までに下絵を考えるだけ。この辺りまでは余裕の私でした。

基本的にはいつもなんとかなるだろうと予測が甘い人なのです(笑)





↑ここがその手洗い場

サンコーインダストリーさんの建物の真ん中にもペンギンがいます。

時計は東大阪らしくラグビーボール🏉の形です。かっこいい!





つづく




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ルソー夢×ペンギン、壁画になる

2023-03-24 22:25:00 | 壁画ルソー夢ペンギン

昨年の夏ごろ、最後の晩餐×ペンギンの巨大壁画でお世話になったサンコーインダストリー株式会社さんから、新しく食堂をつくるのでその入口に横3メートル×縦1.5メートルほどの絵をまた描いてほしいと連絡をいただきました。

「食堂やったらこっちのほうが最後の晩餐×ペンギンでよかったんとちゃうん?」と心では思いましたが、大人なので声には出さず(笑)秋ごろに現場に打ち合わせに行きました。

場所は壁画「最後の晩餐×ペンギン」の隣の建物でビルの7階。窓が多くて明るく、とても見晴らしがいい食堂でした。その入り口に横一列の手洗い場があり、その上の壁面に描くとのことでした。

「なんで手洗い場の上が鏡じゃないんやろう」と心では思いましたが、大人なので声には出さず(こればっかり笑)何を描くか社員さんや関係者で相談しました。

私の心の中の悪魔の声は「横長なので風神雷神図とか北斎の沖浪裏と赤富士がいいよな~楽で、すぐ描けるし~♪」とささやきますが、社長が「ルソー夢×ペンギンがいいんとちがう?」の一言!

「まじ!?あれ細かいし描くの大変なんですよ~」とたぶんこれは口に出したはず。大人なのに(笑)

ここの社長さんが好きな絵だとは知っていたので予感はありました。こういういやな予感は当たるものです。

でもこの壁画の件の担当社員Kさんが、「ルソーのあの絵は緑が多くていいですよね。この食堂に社員のために観葉植物を置かないといけないと思っていたので、絵が代わりになってくれるから助かります」と言いました。

ここに集う社員さんの目を、心を、なごませて、昼休みや休憩時間を気持ちよく過ごしてもらうために描く!

なんてすばらしいことなんでしょう。

で、そのKさんが続けて言うには「ほんとはユニコーンの周りにペンギンがいる絵がいいと思ってはいたんですけどね」

それってこの↓↓「囚われの一角獣」クロイスターズ美術館所蔵×ペンギンのこと⁉︎



顔面蒼白になりました。

この絵は無理!絶対に再現は無理!

この絵に比べたらまだ「ルソー夢×ペンギン」は楽に再現できる。

このユニコーンの絵は植物が細かいなんてもんじゃなく、しかもたくさんある。描くのに1年ぐらいかかる。いつまでたっても終わらない。きっと死ぬ!

これらも心の声だけど、顔には出ていたはず。

ということで、「ルソー夢×ペンギン」を描くことを気持ちよくお引き受けしたのでした(爆笑)



つづく


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