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鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

新成長戦略

2015年02月01日 00時00分01秒 | 提言

 政府の産業競争力会議で今年の夏にまとめる新しい成長戦略の検討方針が決められた。若者が現場で役立つ知識や技術を学べる新しい教育制度や、中高年の能力開発につながる出向制度の創設が柱である。夏までにはまだ時間があるので、内容についても精査されるため、果たしてどのような形となってまとめられるのか楽しみであるが、この問題は方針を出すだけでは、実行に移す上で紆余曲折することが予想される。若者の就職率の低下、定着率の改善はそこに至るまでに受けてきた学校教育や、企業の人材育成機能が明らかに低下してきた(ミスマッチしてきた)ことの表れで、方針を出しただけでは机上の空論や絵に描いた餅に過ぎない。

 スローガンを掲げ、俗語ではアドバルーン上げ、それを徹底して、事業として推進するためには、企業の今までの人材育成や、採用方針が従来とどのように変えるのか、何度も過去に行ってきたことではあるが、従来の学校教育、家庭教育、企業内教育などへの影響を丁寧に説明し、強制力を持って、実行しないと、かけ声だけで終わる可能性がある。我が国の目指す将来像が、具現化して始めて取りかかることが出来る問題で、安倍首相が議長となっていても、全省庁に関係する問題であり、全企業にもかかわる点で、新たな戦略は、更地の場所に新築するのとは全く違う。

 既に強固な基盤で構築された学校制度があり、独立性の高い企業活動がある。これらは走り続ける列車と同じで、途中で止めることが出来ない代物である。新制度は動いているこれら現制度と並行して行うことになり、移行期間を設ける必要があることだ。これには人材であり、費用であり、施設がダブルで動くことになり、簡単に進めるわけにはいかない。

 若者を対象とする新戦略は可能性があるとしても、中高年の対応といえば、新たな能力開発をどのようにするというのであろうか、既に、多くの社内失業者が行き場もない状態におかれて、職種転換させるにはどうするのであろうか、従来も行われてきた能力再開発といえば、雇用吸収力があるとしている分野に、短期間に訓練を行い、就職させていたが、長年培った分野から、異なる世界を半年ぐらいの期間で習得できる世界はないといわざるを得ず、上着を着せ替えただけで務まるものではない。求められる能力は従来と異なる範疇にあり、例えば、国内で異文化に接したことがない従業員を、販路開拓として海外へ送ったところで成功する事が難しいのは誰しも判っていることである。決して他人事ではなく、成功の可能性を考えながら、今後も考えていきたい。