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 コラム「風」朝鮮半島の軍事対立回避で日本ができること

2009年03月13日 22時04分51秒 | Weblog
 コラム「風」朝鮮半島の軍事対立回避で日本ができること:川瀬俊治

 朝鮮半島がいま一発触発の軍事的対立にあるということを日本人の多くは感じていない。南北融和を進めてきた過去の10年の政権時代には信じられないことがおきている。

 韓国の保守政権誕生でこうしたことが心配もされたが、ここまで対立が深まるとは想像しなかった。韓国軍最高幹部(合同参謀本部議長)が昨年3月26日、国会での人事聴聞会で「北に核攻撃の兆しが見えれば、北の核基地を攻撃しえる」と答弁した。これはアメリカのブッシュ前大統領が9・11以降に主張した「先制攻撃権」の韓国版である。これに朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)が黙っているわけではない。

 われわれが接する報道は朝鮮がドントドン対立を煽っていると見てしまうが、必ずしもそうではない視点をもつべきだ。李明博大統領の「非核・開放・三〇〇〇ドル構想」が朝鮮への新たな政策として打ち出されたのだが、これに当初朝鮮が反発したという認識を私はもっていない。「先制攻撃」権とかの発言に引き返すことができないほどの対決が生まれてきた。朝鮮も「そういうことは失言ですよ」といって処理する柔軟な姿勢をもてないほど追い込まれていると見る方がいい。

李政権誕生が朝鮮の工作員が政府公認で表舞台に出る事態を生んだ。金賢姫元死刑囚が日本人拉致被害者家族に会うことができたのがそれだ。前政権ではとても無理なことだ。拉致問題の前進に結びつくかどうかという期待とともに、朝鮮がどうした反応を示すかも心配だ。さらに韓国との対立が深まりはしないか。李政権はここで南北対立に日本が無関係ではない現実に巻き込んだ、貸しを作ったという論調もある。

どう南北関係を改善していくか。これについてはまことに残念なことがある。もし日本が朝鮮と国交を回復していたら、役目を多く担えたのにと思うのは私だけではないだろう。ただアメリカを飛び越えて朝鮮にアプローチして南北融和を作り出し、国交を結ぶことは戦後の外交関係から考えてかなり無理な要求だろう。しかし政治的状況は変わらねばならない。

アメリカと対等な政治的行動を主張していたのが、検察に嫌疑をかけられている民主党代表だ。しかし、アメリカと対等な関係を結ぶならその後尾に着くのではなく、ここいらで、「日本の歴史的責任をはたします」と朝鮮との関係改善をはかることも重要ではないか。朝鮮半島情勢にいつも受身を装っいていいのか。
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