アメリカン・ドリームというのは「なけなし」の人であってもアメリカ社会で成功を勝ち取る開かれた社会だと一般に言われるが、もうひとつのフレーズがある。地球上にいまだ実現していない共同体をつくることも意味していると思う。新しい社会の建設である。オバマ新大統領が建国の精神回帰はだからこそ未来志向である。
ケネディー大統領とオバマ新大統領がよく比較されるが、むしろ世界恐慌時のニューディール政策時のルーズベルト大統領の時代と比較する方がいいのかもしれない。
新自由主義による金融経済の肥大はサブライムローンでつまずいたが、穀物相場や原油価格の異常な高騰の時にすでに病理現象があらわれていた。また新自由主義はブッシュ大統領の時代に始まったわけではなく、クリントン政権のときに始動していた。今回、ブレーンにクリントン政権時代の閣僚が起用されたから、経済政策の舵取りは大きく変わるというものではないだろう。新自由主義の路線は継続される。
1968年のパリ革命では、これまで声を上げてこれなかった社会的マイノリティーの人たちが声をあげ自由と平等を叫んだ。この衝撃は世界に波及し反差別運動が以降大きく広がった。オバマ新大統領に演説を聞き、アメリカ建国の原点に回帰する新たな保守主義を感じたのはわたしだけか。
ただしこれはすでに述べたように回帰すべきアメリカがあるからで、日本の場合は回帰すべき原点とは性質が違う。戦後の日本は国家目標を経済再建としてたてたものの、精神的な轍(わだち)を刻む共同体的なもの=ナショナルなものの構築にいまのところ成功していない。
とりわけ韓国に行くと国家戦略がはっきりしており、文化政策にしても明確だ。日本は戦後の精神的価値観である憲法の精神は根づいてきているが、それが世界化するナショナルなフィルターを通して外に打って出ることになお時間を要してしている。というより、逆風が吹き荒れている。
オバマ新大統領がアメリカ建国の精神に立ち返えることを呼びかけた時、振り返ってみて、日本は建国を天皇の国とすることに多くの人が違和感を感じるだろう。それは神話の領域にあるからだ。歴史が長い国だからこそ伝統的にして現代の民主主義を鼓舞する道を見つけねばならないだろう。そこで行動規範としての戦後精神は葬り去られるものではないだろう。
アメリカの人たちは建国の精神回帰に鼓舞され、また人種的融合の訴えに長かった黒人の不当な差別を乗り越えていく希望を感じたに違いない。大統領の椅子に座るのがアフリカ・ケニアにルーツをもつバラク・オバマ氏だからだ。数々の難局を乗り切っていただきたいと正直思う。
ケネディー大統領とオバマ新大統領がよく比較されるが、むしろ世界恐慌時のニューディール政策時のルーズベルト大統領の時代と比較する方がいいのかもしれない。
新自由主義による金融経済の肥大はサブライムローンでつまずいたが、穀物相場や原油価格の異常な高騰の時にすでに病理現象があらわれていた。また新自由主義はブッシュ大統領の時代に始まったわけではなく、クリントン政権のときに始動していた。今回、ブレーンにクリントン政権時代の閣僚が起用されたから、経済政策の舵取りは大きく変わるというものではないだろう。新自由主義の路線は継続される。
1968年のパリ革命では、これまで声を上げてこれなかった社会的マイノリティーの人たちが声をあげ自由と平等を叫んだ。この衝撃は世界に波及し反差別運動が以降大きく広がった。オバマ新大統領に演説を聞き、アメリカ建国の原点に回帰する新たな保守主義を感じたのはわたしだけか。
ただしこれはすでに述べたように回帰すべきアメリカがあるからで、日本の場合は回帰すべき原点とは性質が違う。戦後の日本は国家目標を経済再建としてたてたものの、精神的な轍(わだち)を刻む共同体的なもの=ナショナルなものの構築にいまのところ成功していない。
とりわけ韓国に行くと国家戦略がはっきりしており、文化政策にしても明確だ。日本は戦後の精神的価値観である憲法の精神は根づいてきているが、それが世界化するナショナルなフィルターを通して外に打って出ることになお時間を要してしている。というより、逆風が吹き荒れている。
オバマ新大統領がアメリカ建国の精神に立ち返えることを呼びかけた時、振り返ってみて、日本は建国を天皇の国とすることに多くの人が違和感を感じるだろう。それは神話の領域にあるからだ。歴史が長い国だからこそ伝統的にして現代の民主主義を鼓舞する道を見つけねばならないだろう。そこで行動規範としての戦後精神は葬り去られるものではないだろう。
アメリカの人たちは建国の精神回帰に鼓舞され、また人種的融合の訴えに長かった黒人の不当な差別を乗り越えていく希望を感じたに違いない。大統領の椅子に座るのがアフリカ・ケニアにルーツをもつバラク・オバマ氏だからだ。数々の難局を乗り切っていただきたいと正直思う。