蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.279

言葉だけではない。すべての生きとし生けるものが、黙って通り過ぎていくのである。合掌。12/1
誰かが不祥事を起こすと、おおかた「世間を騒がせた」というて辞任するのだが、それはてんで辞任の理由になっていない。世間はいつでも騒がしいものである。12/2
売れなくなった自称大物のポップス歌手は、たいがいNYのカーネギーホールで一夜限りのコンサートをするとか、オーケストラを伴奏にしたライブをやりたがるものである。12/3
私は原則として毎朝PCに向かってこの「言葉」を書き、「なにゆえに」の短歌を即興で詠み、昨夜見た夢を記しているが、いつまでこんなことを続けられるかは神のみぞ知る、である。12/4
ひとはいつでも見解を異にする他人を、いくぶんかは憎むものだ。そしてその憎しみが嵩じて増殖していくと、いつの間にか他者は不倶戴天の敵として対象化されて、その死を願ったり、みずから手を下したりしてしまう。12/5
あの名指揮者ジェームズ・レヴァイン選手までがセクハラ疑惑? 勘弁してくれよ。12/6
死に腹を切るのが誠実というものだという人もいるし、死んで花実が咲くものか、命あっての物種という人もいる。どちらも正しいのだろうが、自死する動物は人間だけである。12/7
判決理由に「受信料制度が国家機関から独立した表現の自由を支えている」とあるが、籾井体制以降、安倍蚤糞に盲目的に追随するNHKの報道局には、表現の自由も自主性もない。よって受信料を支払う根拠も、義務もない。12/7
何十年振りで、1万歩を超える距離を歩いたら、何十年振りかで、朝の8時までぐっすり眠ってしまった。でも、浅い夢だけはおぼろに見ていた。12/8
家族3人で藤沢まで行ったのですが、ドンキホーテには如雨露を売っていなかったので、鎌倉に戻って東急ストアの3階に行ったら、ありました。帰りに海岸を走って青い海と空を見たかったのですが、耕君が「いやですお」というたので諦めました。まる。12/9
「実存」ではなく、「虚存」という言葉にひかれる。「実存」が現実的存在なら、「虚存」は非現実的存在。いっけん「虚無」のように見えるが、そうではなく、現実が存在するのと同様に「非現実という現実」も存在して現実を背後から支えている。宇宙空間に存在する暗黒物質にも似て。12/10
老子は「物事の真に肝要なところは虚にのみ存す」というておるようだが、この「虚存」という概念は、人間存在のみならず建築にも適用できる。建築物の本質は、屋根と壁と柱ではなく、それらによって取り囲まれている、いっけん空虚な空間こそが建築生命の泉なのだ。12/10
米帝のトチメンボウが、イスラエルの首都を決める権利も資格も毫もないことを、極東の愚かな番犬も、たまにはご主人様にわんわん鳴いて教えてやるべきだろう。12/12
表現することは、おおむね喜びそのものなのであるが、その奥底に必ずいくばくかの苦痛と吐き気が伴うのが不思議だ。これは「そんなつまらんこと書いて何になる。いいかげんで止めろよ」と、頭の中の誰かが言うておるようにも感じられる。12/13
唇が腫れ、頭皮が赤剝けし、陰嚢の裏が痒くてたまらんので、皮膚科へ行き、たくさん薬をもらって帰ったら、ただそれだけで死ぬほど疲れた。「2週間後に治っていなければ陰嚢を見ます」と疲れた顔をした女医さんが宣うた。やれやれ。12/15
朝の散歩に行ったら、消防車が停まっていて、小さな2階建ての民家が黒こげになっていた。まだ焼けたてのホヤホヤ状態だからきっと早朝のボヤで全焼したのではないだろうか。住民はいなかったが、無事だったのかしら。他人事にあらず。うちも気をつけなくちゃ。12/16
トランプがツイッターで、「日本の首都は京都に決めた。妻も娘も大賛成というておる」と呟いたら、安倍蚤糞は「ああそうですか。そうですよね。じつは私と妻もそれがいいと思っていたんですよ」と、諸手を挙げて賛成するに違いない。12/17
またまた我々にはなんの相談もなく税金を上げようとする安倍蚤糞。「それでいいのですか?」と聞かれても、相変わらずこの国の阿呆莫迦臣民どもは「どちらともいえない」などと平気で嘯くのだろう、未来永劫にわたって。12/18
NHKの「直虎」がやっと終わったが、受信料を返してほしい最悪の大河ドラマだった。
民放で無料で見られる「陸王」、「民衆の敵」の方がはるかに面白い。大門未知子は死んだと思ったが、どっこいキューバで活躍しているんだね。12/19
無人の家にテレビが置いてあるだけで受信料を払わねばならぬとする最高裁などは、悪徳企業NHKと共に消えてなくなればいいのだ。12/20
それにしても貴乃花という男の非常識には驚く。どこの誰だか知らないが、親の顔が見たい。これでよく大人になれたものだ。12/21
黒柳徹子の死んだ恋人は、ピアニストのアレクシス・ワイセンベルクだったという。最初は驚いたが、「さもありなん」という気持ちも、だんだんしてきた。12/22
トランプのやることなすこと利害むき出しの露骨そのもので、もう笑うしかない。こいつの脳味噌には、「爬虫類の脳」にオブラートをかけようとする「人間脳」の在庫が無くなったらしいのだ。12/23
年年歳歳降誕祭だの新年だのがこの瘠身に降りかかってくるようだが、もはやなんの感慨も湧かないのは、いったいなぜだろう? もはやわが内なる星の王子様の初心を、どこかとおい惑星に忘れ去ったせいだろうか。12/24
指揮者のJ.レヴァインに続いて、今度はシャルル・デュトワがセクハラ加害で出場停止処分を受けた。アルゲリッチの後、チョン・キョンファ、諏訪内晶子を次々にスケこましたという噂のあるプレーボーイの彼だから、今更誰も驚かないだろうが。12/25
「陸王」の最終回盛り上がったね。やはり原作、脚本、演出、そしてキャスティングがいいドラマは見応えがありますね。役所広司はいい役者だ。莫迦高い製作費を投入して糞面白くもないNHKの大河ドラマとは雲泥の差なり。12/26
「民衆の敵」は、民衆と政治という興味深いテーマに挑んだ民放ドラマの逸品だったが、肝心の阿呆莫迦民衆の総スカンにあって文字通りの「民衆の敵」になってしまい、低視聴率に終わったのは気の毒だった。フジTⅤ、脚本の黒沢久子と篠原涼子、高橋一生以下の出演者の力演に拍手を贈りたい。12/27
義理の母、藤壺をものにして子を成しただけでは飽き足らず、藤壺に瓜二つの幼い姪、紫上を拉致誘拐してその処女を奪い、皇族の血を引く六条御息所と朝顔君をイテこまし、あまつさえ朱雀帝寵愛の朧月夜の君を執拗に犯す17歳の異常性欲男のいったいどこかよいのであろうか。
12/28
ふだんお相撲なんか見ないような人までしゃしゃり出てきて、貴乃花がどうたら、協会がどうのと、さながら海内の一大事のように口角泡を飛ばして夢中になってる。ああ仕合わせな極東帝国の臣民よ! マルデブルクの半球よ!12/29
鎌倉時代の蒙古来襲は、幕府が招来したものではなかったが、昨今のモンゴル全盛は相撲協会自身が招いたもので、それに起因する様々な軋轢は、彼らが一致団結して解決するほかはない。そもそも相撲界が外国人に門戸を開いたことが躓きの石だったのである。12/30
「やれやれ、今年もやっとここまで辿り着いたか」、という思いだけである。12/31
全国の労働者諸君戻りけり変哲もなき去年の職場に 蝶人