あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

「夢は第2の人世である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第111回

2022-04-25 11:18:34 | Weblog

西暦2022年睦月蝶人酔生夢死幾百夜

 

おらっちはパーティで与太話をしていた貴族から、その街を発展させる計画についての感想と協力を求められたので、すぐさま断ったのだが、それは、そんな難しいことなんか、自分で出来っこないと分かっていたからだった。1/1

 

私は大阪城を大掃除していたおばはんの実態が、掃除婦ではなく、腕利きの印刷屋であると知ったので、新しい1万円札が出回る前に、偽札作りに協力してほいいと頼んだが、あっさり断られてしまったのよ。1/2

 

歯が痛い、歯が痛いと七転八倒する息子を見ていると、可哀想になって来て、そうだ日々を無為に過ごしている父親の自分が替わってやろう、と思いついたのだが、どうすれば入れ替わることが出来るのか分からなくて、往生している。1/3

 

正月になっても、朝から晩まで町内をほっつきまわっている夫婦がいるので、「どうしたの?」と訊ねると「暮れからうちの愛猫が行方不明なので、正月どころではないんです」と答えてから、またあちこち探し続けるのだった。1/4

 

犬派と猫派のふた手に別れて新春大討論会が開かれたのだが、両者相譲らず、まるで革マルと中核派のように武装して、時ならぬ大ゲバルト大会が始まった。1/5

 

「雨が降っても、雪が降っても、槍が降っても、おらっちは断固として前進するぞ!」と息巻いていたら、本当に雨と雪と槍が降ってきたので、ちと驚いている。1/6

 

若輩ながら販売チーフに抜擢されたおらっちは、年長の先輩たちに天文学的な売り上げノルマを課したので、たちまち総スカンを喰らい、その会社から追放されちまった。1/7

 

ここは陸軍の散髪屋なのだが、軍隊刈りのショートカットにあこがれる大勢の市民が、門前市をなして詰めかけている。1/8

 

明日からダム工事が始まって、村は湖底に沈められてしまうので、おらっちたちは、三々五々涙をぬぐって、住み慣れた襤褸家を後にした。1/9

 

生来おっちょこちょいのおらっちは、よせばいいのに両組の出入りの最先端に飛び出したので、あっというまに全身をなますのように切り刻まれて、儚いいのちを散らせてしまった。1/10

 

「「フィガロの結婚」を聴く前に、お互いの言い分を言いあって手打ちにしようぜ」と、敵の親分が提案したのだが、その時遅く、かの時早く、オペラの序曲が始まってしまった。1/11

 

その戦士は、女子供には傷一つつけないで、敵の男どもを皆殺しにしていくのだった。1/12

 

横浜市では毎年スポーツ大会を開いているので、それをそのまま毎年五輪に昇格することにしたそうだ。1/13

 

リュウホウ部長が、「企画のヒサミツ課長と相談して、新ブランドのPR案を考えてくれ」というので、おらっちは急遽、中目黒に出向いたのよ。1/14

 

木造の古いモナコホテルには、無数の貧民たちが住んでいるのだが、ここに30年以上住み続けると、その部屋を無料で払い下げてくれるので、とても人気があった。1/15

 

われひとは、何故か人世に失敗したのではないか、という疑いにとらわれて、城門の傍らで長く立ちずさんでいた。1/16

 

街中を歩いていたら「相撲取りになりませんか?」と勧誘されたのだが、人から勧誘されたのは生まれて初めてなので、「相撲取りになってみようか? どうしよう?」と、ずっと悩んでいるのよ。1/17

 

ゲーム カナリチ エニンシア カーターなどになって叩く僕。1/18

 

ボク、紅衛兵用の新品マスクを付けて「気をつけー!」で 「エライ、エライ」と、誉めてもらった。1/19

 

おらっちは新入社員なので、先輩たちに「おはようございます」と挨拶すると、「おい、そういう月並みの挨拶をしていると、すぐに社長から首にされるぞ」と警告された。1/20

 

八幡様の二ノ鳥居の傍で休んでいると、左側に自転車に跨ったセイさん、右側には仲間と連れだって歩いているセイさんがやってきたので、おらっちはどっちに声を掛けようかとしばらく考え込んでいた。1/21

 

そのマラソンレースは、ちと風変わりで、走者は、1キロ走る毎にシェークスピアの芝居のせりふ、例えば「生きるべきか、死ぬべきか」を喋らなければならないのだった。1/22

 

毎年大学を留年ばかりしているので、今年こそは卒業するぞ、と心に誓って久しぶりに登校したが、自分に必要な単位と講座がさっぱり分からないので、ただただキャンパスの中をうろうろしているのよ。1/23

 

新しいCMの製作を依頼されて、まずその企画内容の予告編を作らなければならないのだが、じつはおらっちビデオの撮影はやれても編集作業なんてやったこともないので、ひどく消耗しているとこ。1/24

 

どういう風の吹き回しか、おらっちはリーマンになっている。総務から机と椅子や文房具一式が届けられたので、とりあえず座ってあたりを見回してみると、なんだか嬉しくてたまらぬ。こんなに仕事がしたくなったのは、じつに生まれて初めてのことである。1/25

 

しかしここはどういう組織で、どういう仕事をすればいいのだろう。そもそもこの会社の名前はなにで、どういう職種に属するのだろう?誰かに聞いてみようと思うのだが、みな忙しそうに立ち働いているので聞けない。そうこうするうちにお昼になったので、弁当を使ってお茶を飲んだ。1/26

 

眠くなったので昼寝をしようかと思ったのだが、ふと午後いちで試写会があったことを思い出し、急いで会社を出てから地下鉄に乗って銀座で降りて試写会場に入ったら、顔馴染みのキサラギさんがいたので、ちょっと会釈して安楽椅子に座って映画鑑賞しているうちに眠ってしまった。1/27

 

しまった、これは申し訳ないことをしてしまった。試写会で見る映画は9割がたは詰まらない映画なのだが、今日のはそれほど酷い映画ではないので、ちゃんと終わりまでみようと思っていたのに、寝てしまった。これで感想文を頼まれても書けない。困った、困った。1/28

 

どうしたものかと考えてみたら、さいわいまだ試写は数回あるので、また来ればいいやと思いついて外に出たら、もう誰もいない。みんな3時半からの試写に行ってしまったのだ。おらっちも負けてなるものか、と銀座の別会場の試写会に駆けつけて、今度は居眠りしないで最後までしっかり見届けた。1/29

 

終って外に出たらもう5時半だ。これで会社に戻っても仕方がない。6時からはクロコダイルでロック、渋公でパンク、武道館では松田聖子のコンサートがあるので、急がなくっ茶。明日から午前中に会社の仕事をして、午後からは映画とお音楽にしようと決めた。1/30

 

ふぁっちょんライターのおらっちが久しぶりに巴里に行ったら、今年の秋冬のトレンドガ「ステルス・ろまんちっく」から「極超レアル」に180度大転換している、という話だったので、こないだアンアンに書いたお洒落速報を書き直そうと連絡したのだが、もうデリバリー済だった。1/31

 

   プーチンの「軍事作戦」さながらに日本も韓国を併合したり 蝶人

 

コメント
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