重い腰を上げたきっかけは、職場で3分雑談を語り続けるよう指導されたときにJR東日本の関東大回りの話をしたら、先輩がぼそりと「そんなことができるか、週末は是非」とつぶやいたことでした。
関東大回り、いろいろ呼び名はありますが、安い運賃で関東の鈍行列車に乗りまくる旅のことです。
JRの規定に、大都市近郊の特定の路線では、大回りして乗車しても運賃は最短経路で計算すると定められています。東京近辺は指定されている区間が特に多いです。
目黒から五反田に行くまでに、仮に高崎や成田を通る大回りをしても、最短の一駅分の運賃でいいんです。
それを「仮に」どころか実際にやりました。
目黒 8:00 → 新宿、出発前にわかめそばをいただく
新宿 8:39 → 八王子 9:18
八王子 9:38 → 高麗川 10:49
高麗川 11:46 → 高崎 13:04、高崎駅でだるま弁当をいただく
高崎 13:46 → 小山 15:29
小山 15:36 → 友部 16:44
友部 16:46 → 我孫子 18:00、我孫子駅で月見そばをいただき、缶ビール 350 ml を買い込む
我孫子 18:16 → 成田 19:01
成田 19:01 → 千葉 19:36
千葉 19:47 → 蘇我 19:54
蘇我 20:04 → 東京 20:52
東京 21:02 → 五反田
# お茶とミネラルウォーターは数えませんでした
回れるんだという証拠を作ろうとして、五反田駅で降りるときに自動改札が開くビデオを撮ろうと構えたら、(知っている人は知っているのでしょうが)自動改札で止められてしまう証拠ビデオを撮ってしまったというおまけ付きです。有人改札で経緯を説明して降りさせてもらいました。
旅の感想は、ええっと、途中からインナートリップに入っていました。
田舎の普通列車で、人生を知らないような中高生が乗っては降りる(もちろん人生を知っている大人たちも多数いるのですが)、そんな時間を延々と過ごすうちに、自分の身の振りを考えはじめてしまいました。
昨日に「ヱヴァンゲリオン新劇場版・破」を見まして、夕日に照らされた通勤電車の中にいるようなインナートリップがTV版の頃から知られていましたが、大まじめにそんな感じになったんです。
思い詰める中で怖いこともいくつか考えました。人の間として生きていくことが下手だと思い知るようなこともありました。終わった後は、ええっと、少し澱が抜けた気もしています。どうにか帰ってこれた後の諦観です。
ひたすら疲れるかインナートリップにはいるか、いろいろ危うい旅は、僕はお勧めしません。