2050年。エレベーターで宇宙旅行ができるかもしれません。
大林組が、9万6000㎞のタワー、
「宇宙エレベーター」建設構想をぶちあげました。
エレベーターには、炭素繊維
「カーボンナノチューブ」のケーブルを使います。
30人のりのかごは、時速200㎞で、
高度3万6000㎞のターミナル駅まで、
約1週間かけて向かう計画です。
ターミナル駅には、実験施設や居住スペースを整備するといいます。
駅周辺で太陽光発電を行い、地上に送電する設備もあります。
ちなみに、9万6000㎞とは、
月までの距離の約4分の1に当たります。
地球の成層圏は10~50㎞ですから、完全なる宇宙空間です。
私は、一度「コンコルド」で大西洋を横断したことがあります。
コンコルドの高度は、通常の航空機の約2倍、約18kmほどです。
それでも、成層圏を飛びますから、
空の色が“濃紺”だったのを覚えています。
成層圏をこえるどころか、じつにコンコルドの5300倍以上です。
もはや想像のつかない世界です。
果たして、本当にできるのか。実現可能性はあるのか。
地球につくる限り、建設物は、限界を超えれば自重によって崩れます。
しかし、9万6000㎞の「宇宙エレベーター」は、
理論上、実現可能といわれているそうです。
宇宙への大量物資輸送の手段として期待されています。
NASA(米航空宇宙局)も研究を進めているそうです。
しかし課題は山積しています。
9万6000㎞もの長さのケーブルは、
乗り物をつけただけで、100㎞以上も伸びるといいます。
風などの影響で、地球側の末端は、10㎞単位で揺れ動く。
もし事故が起これば、地球に落下、
もしくは、宇宙の果てに飛び去ってしまいかねません。
どう安全を確保するのか。コストの問題はどうするのか。
多国間連携はどうするのか……などなどです。
しかし、それでも、威勢のいい話ではありませんか。
大林組は、東京スカイツリーの施工で注目を浴びていましたが、
今月末の竣工でひと段落つくので、次なる挑戦を掲げたのでしょうか。
スケールの大きい話は気持ちがいい。
夢があって、応援したくなりますね。