春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ。
今日の福岡の天気はどんよりとした曇り模様、いつ雨が降り出してもおかしくない天気です。
昨日は、先日オーダーメード補聴器でCICタイプを両耳で購入いただいた40代の男性の方が、初回調整にいらっしゃいました。
データログを見ると、1日10時間以上使用されており、ほぼ、日中は補聴器を使用されていました。
ご本人曰く、「補聴器を付けると、今まで聞こえていなかった音に気付かされて、面白いですね。」とのこと…。
装用上の違和感もなくなり、とても快適なご様子でした。
若い方は、慣れも早く、前向きにご使用されるので、こちらとしても調整に手こずることが少ないです。
何より、補聴器に対してマイナスイメージをお持ちでないことが嬉しい限りです。
さて、本日は、「アナログ的フィッティング(その2)」です。
アナログフィッティングの代表的なものは、「トリマー調整」です。
アナログの補聴器がほとんどなくなってしまった今日では、「トリマー調整」を行う機種が希少となってしまいました。
「トリマー」とは、音質調整を行う際の「調整ネジ」のことで、専用のドライバーで調整をします。
補聴器本体のスペース上、この調整ネジは、3~4つほどしか付いていません。
代表的な調整器は、
・Gトリマー:利得(音量)調整器。
・NHトリマー:低音域調整器。
・NLトリマー:高音域調整器。
・MPO:最大出力調整。
・PCトリマー:出力制限器。
・TKトリマー:増幅度可変調整器。
などがあります。
トリマー調整は、アナログ補聴器の時代から行われている調整で、いわば音質調整の基本です。
補聴器屋さんでは、「補聴器特性器」という補聴器の音響特性を計測する機械で、補聴器から実際に出ている音(音響特性)を計測します。
調整トリマーを可変させると、音質が変わるので、当然、音響特性が変わってきます。
補聴器屋さんは、複数の調整トリマーを駆使して、お客さんのきこえに合わせた音質調整を行い、都度自分がイメージした音になっているか、特性器で計測して確認します。
調整ネジの微妙な回し具合で、音質が変わっていくわけですから、ある意味気が遠くなるような地味で地道なフィッティングと言えます。
補聴器屋さんが、補聴器を調整しながらヒヤリングチューブで補聴器の音を聞き、「アー」とか「イー」とか言っているのは、はた目で見ると滑稽な感じがします。
こうした音質調整の基本を熟知している補聴器屋さんは、パソコン調整が当たり前になったデジタル補聴器でも、メーカーやソフトの違いを苦にせず、巧みな補聴器調整ができるというわけですね。
昔ながらの補聴器屋さんは、ドライバーとヒヤリングチューブのみで補聴器フィッティングを行っていたわけですから、「音の職人」と言えるでしょう!
本日は以上です。
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