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終身雇用の終わり

2019-04-24 12:00:00 | 18期生のブログリレー
 18期の佐々木(晋)です。こんにちは。「経団連と大学が新卒の学生の就職活動について、通年採用を広げることを合意した」というニュースが話題になっています。一連の報道の中で、経団連会長の「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだという風に(大学側と)お互いに理解が進んでいるので」というコメントが気になりました。「終身雇用・年功序列の時代ではない」と言われて久しいですが、財界のトップがここまではっきりと公言するのは珍しいのではないでしょうか。実力主義や成果主義を導入しても、日本型終身雇用の良いところは維持していくという企業が大半だったと思います。私がNYに駐在していた時のアメリカ人の同僚は「日本企業はレイオフしないから就職した」と言ってました。彼女は会社へのロイヤルティが高かったし、ご主人も同じ理由で日本の大手商社に勤めていました。
 経団連会長は先のコメントに続けて「人生100年時代に、一生一つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている」との認識を示したそうです。この傾向はここ数年とても強くなっていると実感しています。私の職場でも転職する若手が少なくありません。以前は会社の仕事が彼らにとって魅力的でないことが原因だと思っていたので、転職を防止するために「従業員満足度」を上げることが課題だと思っていました。でも最近は、今の若手にとって転職はキャリアアップの当たり前の手段なので、いずれ転職する前提で組織をマネージした方がいいと思ってます。通年採用ではジョブ型採用の推進も考えられているようなので、専門性を軸にキャリアを考えている人には合うのかもしれません。
 転職を前提にするマネージとは、人材の流動性が高まる環境において、業務遂行を安定化させることです。テレワークやサテライトオフィスで育休や介護休暇中社員の復職を推進したり、再雇用者を積極的に主要業務に配置することが、安定的な人材リソース確保に繋がります。また、企業の中で一管理職がこのような人事制度の変革をリードすることは難しいので、自分の裁量でできる準備もしておくべきだと思います。具体的には、転職者が出ても業務の停滞を招かないよう常に進捗を見える化して共有しておくこと、業務の属人化を避けるために担当替えの頻度を高めて多能工化を推進すること、新しく配属された人にスムーズに引き継ぎを行えるようマニュアルを定期的にアップデートしておくこと、と言ったところでしょうか。これらのことは普段業務がスムーズに遂行されているときは積極的に行い難いですが、人の入れ替わりが多くなる今後は定常的に必要になります。
 私が若手の時も、それ以前よりは転職する人は多かったですが、不安やリスクがありましたので一部に限定されていました。ネットやSNSの発展によって確度の高い情報を入手できるようになったことも、転職文化の急速な普及を後押ししていると思います。人生100年時代で働き方は変わりますが、それをマネージする方も価値観を変えて対応する必要があると考えます。
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2 コメント

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Unknown (木村祐介)
2019-05-01 12:22:43
以前のブログにあったホラクラシーなども現状に効果的に機能しそうですね。
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Unknown (渡邉大輔)
2019-05-05 19:16:51
確かに時代は変わって転職するのも当たり前になってきていますよね。それに抗うのではなく、それに合わせた戦略をとるという事が重要ですね。
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