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中小企業も東京一極集中か?

2020-09-13 12:00:00 | 20期生のブログリレー

こんにちは。20期生の岡田です。
皆さんは7月に東京都診断士協会の能力開発部推進部から案内があった「東京都並びに振興公社施策説明会」の動画はご覧になったでしょうか?
東京都の中小企業支援施策と東京都中小企業振興公社が推進している支援や助成に関する丁寧な説明でした。

中小企業向け公的支援の構図をしっかりと把握していなかったため、説明動画を見たときは中小企業診断士の1次試験向けに勉強した支援がほとんど出てこないことに違和感がありました。今考えると当たり前で、診断士試験で出るのは中小企業庁が中心となり全国で一律に行っている支援であり、この動画は東京都が独自で実施している施策の説明です。

そのことに気づいてから条件を見てみると、確かに「東京都で事業を行っている中小企業」とありました。そうなると気になるのが助成金の金額です。設備投資の上限が1億円であるとか、3年間で総額上限8000万円など高額な助成金がいくつかあります。比較をするため他の道府県を調べてみると、ここまで高額な独自の助成金や補助金のプログラムは見当たりません。国が主導で行っている高額助成金と同レベルの支援を独自で行っているのは東京都だけでした。

理解を深めるため、助成金・補助金を運営している東京都中小企業振興公社のホームページを閲覧してみました。そこに開示している収支報告書を見ると、収入の大部分は東京都からの補助金で、国からの支援をほとんど受けずに166億円の収益金がありました。これは他の道府県の振興機関とは桁が違います。1位である東京都の経常収益金は、2位である大阪府のそれの3.5倍強であり、2位から6位までの府県の合計と同レベルで、全国の都道府県協会の収益金合計額の約2割を占めています(各振興機関の収支報告書より)。

振興機関の収支額や助成金の上限だけで議論できるものではありませんが、東京都は中小企業の振興において他県よりも積極的な自治体に見えます。それもあってか、中小企業の事業者数は東京都が1位です。しかし、東京都の事業者数は全国の事業者数の約1割であり(中小企業庁HP掲載の統計表より)、2位である大阪府の約1.5倍と差は大きくありません。全国の振興機関も中小企業支援に力を注いでいることがうかがえます。とはいえ、事業者数も振興機関の予算額も全国1位の東京都は、中小企業診断士として活躍する場が多いとも言えるでしょう。

東京都以外の地域に目を向けるべく、全国中小企業振興機関協会の各都道府県協会ホームページを見ると、各地の歴史や文化を踏まえた活動を進めていることが垣間見られました。そう考えると、東京都の大規模な助成金も歴史や文化を踏まえた活動なのかもしれません。ちなみに東京都の助成金事業には、「グローバルニッチトップ助成事業」など世界規模で事業展開する企業の支援や、「次世代イノベーション創出プロジェクト」など東京都を世界一の都市にするための助成から、「LED照明等節電促進助成金」のように環境や電力消費を意識したものもあります。

今回は助成金を通して中小企業支援について考えてみました。国や都道府県の中小企業支援施策を上手に活用して、活力と持続発展性のある企業が増えていくことに貢献できる中小企業診断士を目指したいと改めて思いました。


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2 コメント

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Unknown (たけい)
2020-09-16 15:48:04
今回のコロナウィルス感染症に関する支援の金額は、やっぱり財源ある東京都は規模が違いますね。
そして、東京都は支援策の数も多いです。(都独自という支援が多いのも特徴)
融資は国、都、特別区の3つを比較する方もいるようです。
報道などをみて、同じ業種でも自治体によって、これほど金額が違うのかと感じました。(支払う税金も違うので当たり前ですが)
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Unknown (ながいち!)
2020-09-20 01:41:57
東京協会の登録診断士は約4,500名。一方、大阪協会の登録診断士は約1,100名。東京は大阪に比べて中小企業の数は1.5倍ですが、診断士の数は4倍!
東京は診断士にとって、競争が激しく、専門性を高めないと生き残れない世界のようです。
私は1年半大阪協会に属していて、その後、会社の転勤とともに東京協会に移ってきました。雰囲気も、こちらの方が少しピリッとしているように思います。
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