中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

「中国語で自己紹介ができる本」が出版されました!

2011-09-29 23:01:30 | 中国語
さる9月22日、漢和塾責任講師の金枝瑠璃著で、「中国語で自己紹介ができる本」が発売されました。出版はメディアファクトリー、ひょんなことから漢和塾に出版の話が持ちかけられました。常々、中国語の発音、特に4つの声調について、謝った解釈が巷に広まっていて、ジレンマを感じていたところでしたので、まさに渡りに舟!さらに、ろくに休みを取らずに受講生の中国語教育に没頭している金枝にとっても、本人の熱い思いが伝えられるわけです。

とは言え、出版作業はけっこう大変なものがあり、とにかく忙しい中で、ある程度のクオリティのものを作らなければならない、さらに、中国語の自己紹介だけで1冊の本を出すとなると、それだけでも十分価値のあるノウハウを提供しなければならないわけで、金枝の苦労はもちろん、一緒に編集に携わってくれたメディアファクトリーの責任者、ライターの方のおかげで、待望の1冊が世に送り出されました。

漢和塾の会社としてのPR書籍ではないので、コンセプトとメッセージ以外は、私のほうは口を挟む筋合いにありませんでしたが、内容としては伝えたかったことを表現していただいております。DVDの映像や、カラオケの練習に原曲がないことがちょっと悔やまれますが、殺人的なスケジュールの中で初めて出版に漕ぎ着けたことを考えれば上出来しょう。

中国語の入門書は数多くありますが、発音だけで半分のページ数を割いたものも少ないと思います。たかが4つの声調、そして何よりも、発音、特に声調が綺麗にできることが、ビジネス上どれだけのメリットがあるか、そのことだけは確実に理解いただけると思います。今朝まで中国にいたわけですが、以前に比べて、中国語自体が流暢な人、さらには発音も正確な人が上海あたりでも確実に増えていると思います。が、そのペースを上回るスピードで中国語を学ぶ人が増え、同時にいい加減な教え方をする学校や先生らしき人も増えていきます。今回は、蜂の一刺しにもならないかも知れませんが、書籍を手にとっていただいた方には少なくとも、声調の重要性やコツは理解いただけると思います。

真夜中に、声調について、何度もブログで吠えるようなことは、もうしたくないですが、歴史の長い英語でさえ教育力に差は歴然としてるわけですから、私ごときの寿命がつきる寸前まで、やっぱり声調にこだわってみても悔いはないと思います。

【書籍詳細】「中国語で自己紹介ができる本」金枝瑠璃著 メディアファクトリー発行 http://www.mediafactory.co.jp/c000051/archives/028/009/28942.html

上海の地下鉄事故・・・社会主義資本経済の危機!

2011-09-29 14:25:40 | 中国
一寸先は闇との言葉がありますが、ここ中国での先日の高鉄(新幹線)衝突事故に始まり、i一昨日の地下鉄10号線の衝突事故、さらには香港上空では、わずか数メートルで飛行機が激突する可能性があったニアミスが起こっていたり、どれも制御能力が問われる事故ばかり立て続いています。もちろん、これは程度問題で、中国に限らず、世界の何処でも列車衝突事故はあるわけですし、日本の原発など制御不能は許されないはずなのに起きてしまった大事故もあります。が、ここ中国での事故の原因は、割とはっきりしていると感じます。

そもそも中国、特に上海の発展は目覚しいものがありますが、地下鉄においては、ちょっと前まで4号線くらいまでしかなかったのに、上海世界博覧会にあわせるように、一気に13号線までできてしまいました。北京は面子の問題か、歯抜けの番号ですでに13号線はありますが、本数的には上海が圧倒的に多い・・・このスピード以外に問題は、お金の使われ方にあります。

以前にも申し上げましたが、中国の公共工事において、仮に1億元の予算がつくと、役人が5千万元を抜いて業者に発注、業者はその半分を着服して下請けに発注、出来上がりは品質はもちろん、安全管理にまで手が回らないこと言ったことになります。さらに今回事故を起こした10号線のホームには、達筆な楷書で駅名が書かれていますが、誰の知り合いかわかりませんが、あの文字だけで何億も飛んでいってしまうわけで、制御システムに問題が以前からあったにも関わらず、誰か死なない限りは修正の予算はなかなかつきません。

改革開放以来の、社会主義資本経済は矛盾を孕みながらも、政経一体システムとして奏功してきたと思いますが、ここにきて資本経済が欲望のままに独走し始めた・・・そのように感じます。階級社会が露骨になり、富裕層は海外に資金を逃がし、胡主席・温総理になって比較的安定していた政権ですが、上海閥の巻き返しで、お決まりの熾烈な内紛が、2012年にかけてさらに激しくなるでしょう。中国のトップは、独裁ではなく、政治局委員による集団指導体制ですが、その下の役人が猫ババも含めて、国の方向性を歪めてしまう。激動の近代史の中で安定するかに見えたこの10年ですが、やはり、2012年は、アメリカの金融テロ、欧州の混乱、中東の緊張に加えて、中国の政権交代が大きな影響を及ぼす、いわばエポックメイキングな1年になるかも知れません。

されどこの10日間で見た中国は、そんな要素とは関係なく、活気に溢れていました。日本にとっても、好き嫌いは別に付き合っていかなければならない国であることは間違いありません。中国語をうまく操る若い世代も上海や北京で増えてきていますが、政府が当てにならないだけに、まずは経済人で危機感を持ってチャレンジしていきたいものですね。それにしても、東京の空は青いですね!




第六届中国中部投資貿易博覧会に出席して・・・

2011-09-26 22:31:31 | 中国
一夜明けた太原の朝は、6時朝食、7時出発で、中部投資貿易博覧会の会場に向かいました。この中部とは、山西省、河南省、安徽省、湖北省、湖南省、江南省の6つの省の経済圏を指し、沿岸部と四川省などの内陸部の丁度中間に位置する省の集合体です。6年前から博覧会を初めて、日本はもちろん、海外からの投資促進に向けて協力しているユニットです。モーリシャスから来賓が来ていることも興味深かったです。

これからは中国!と言う文字も躍る中で、沿岸部の主要都市は、世界の国々も含めて役者は出揃っていて、比較的投資の遅れた中部が、この数年メキメキと頭角を表しています。実際、この5年の6省のGDPの伸び率平均は、13.2%で、中国全土平均を2%上回っています。元が低いと言うのもありますが、沿岸部が発展していて内陸部が遅れているとの指摘は当てはまらず、すでに発展中と言うのが正しい分析でしょう。実際、昼間に見た太原の街は、綺麗に舗装された道路に高層ビルと、金太郎飴的に発展を続ける地方都市の典型であり、石炭の街、刀削面の街と言う実感はほとんど湧かない、近代都市になっていました。

博覧会には、王岐山副総理が参列していて、力強い開幕の挨拶をしていました。同行した中国ビジネス四半世紀の商社の先輩によると、次期国家主席さえ、習近平氏かどうかも実のところまだ決定していないようで、総理も有力な李克強氏ではなく、金融に強いとされる王岐山氏かも知れないなど、日本の書籍や報道は今のところ推測の域をでていないと言わざるを得ません。意外だったのは、王岐山氏が歴史専攻で博物館で働いていたと言う経歴だったこと。さらに、山西省の偉いさんがスピーチしていましたが、あまりにも普通話がひどく、会場から若い女性が失笑をすると言う現実も見てしまいました。

午後は、日中投資促進機構の合同会議。商務部や六省の重鎮が中国側で出席しましたが、中国の日本への投資についての方向性を一言でまとめると、「ハイテクは引き続き沿岸部へ、ローテクは中部も含めた内陸へ」これに尽きるのでないかと思います。環境、エネルギー、卓越した中小の精密技術は歓迎しますが、それ以外は、発展途中の中部、内陸のほうに是非どうぞ!そのような姿勢がはっきり見て取れます。社会保険や賃金上昇、優遇制度の廃止についても、内外格差解消、欧米との比較と言う言葉で片付けられ、豊田章一郎氏がまさに国を代表するように、要望を投げかけますが、やはり政府と政府のパイプがないだけに、歯痒い感じがしました。

いっそ経済のトップが日本の政治の中枢にいたほうがいいのではないか、中国自体は経済=政治なだけに、あらためてそう感じました。いずれにしても二日目の山西太原、多くの中国ビジネスのプロの先輩方に囲まれて、危機感はあるものの、貴重な言葉やエネルギーをいただき、感謝感激の一日になりました。

人生初!山西省の太原にやってまいりました!

2011-09-25 23:47:57 | 中国
人生初と大げさに語ることでもないですし、そもそも、今回の出張は自分のミスでプチ波乱万丈な一日になってしまったわけですが、日曜の夜7:10、無事に太原駅に着きました。足の臭いおじさんとは、その後世間話をする仲になれたことが救いでしょうか。ただ、時間もないため、ホテルまでタクシーで急ごうと思ったのですが、これがまた捕まらない・・・結局これもまた人生初、客引きに来たおばさんのバイクの後ろに二ケツしてホテルまで辿りつきました。スーツ姿でそんな格好の人は皆無・・・なんだかな~とは思いましたが、背に腹は変えられません。

夜に到着したので、太原の街は、行き交う車と排気ガス、オレンジ系の多い建物の灯りが街を照らしていましたが、地方都市の雰囲気は確かにするものの、道路も車も高層ビルも、最近見た上海均衡の都市と変わらない感じがします。山西太原の名前は、中国語の独学時代、ネットラーニングで交流した中国人大学生が、そこの出身で、その当時はいったいどんなところかもわからず会話(日本語で)していたものです。彼女は今、日本の大手企業で働いていますが、純朴な彼女の性格は、この街で作られたのかな?なんて思ってしまいました。

日中投資促進機構の合同会議ですが、豊田章一郎氏も参加していて、トヨタ系の方が10数人、あとは皆大手企業の方ばかりで、私なんか参加していいものかと思いましたが、やはり、どの先輩方も中国十数年、中には、もう28年も中国ビジネスを担当されている銀行系の方もいらっしゃいました。やはり、皆さん、知識も経験も豊富で、私のこの3年程度の思い入れは、紙くずのようなもの・・・恐縮しきっていました。

そんな中で、あるコンサルタントの方が面白いことをおっしゃってたのですが、最近はどんどん、若い人や新しい会社が中国に進出してきますが、過去を知らないほうがある意味新しい発想で仕事ができる、とのこと。確かに昔の中国、電気もない、交通網もない、そんな頃を体験している方からすると、その延長線上で物事を見勝ちですが、恐れを知らないというか、今の中国しか知らない人は、それはそれなりに新鮮な感覚でビジネスにチャレンジできると・・・最後に、そうは言っても歴史を学ぶことは忘れちゃだめだよ!と釘を刺していましたが、非常に腑に落ちるアドバイスでした。

明日は朝6時の朝食から始まってスケジュールがいっぱい。年齢に限らず、どう考えても私が一番経験不足な今回の会議のメンバーですが、先輩方のお話を少しでも吸収できれば、踏んだりけったりの今日一日も価値のあるものになるでしょう。ある先輩が、中国の省、自治区で行っていないのはあと3つとおっしゃっていました。私も寿命の範囲で、何とか中国の主要都市と全行政区だけは言ってみたいと思いました。もちろん、ビジネスで動きながらでは、何年かかるかわかりませんが、様々な中国を体感したいと思います。


やっちまったな~!飛行機に乗り損ねました・・・

2011-09-25 21:16:04 | 中国
25日から3日間、会員でもある日中投資促進機構の中国商務省との合同会議が山西太原であり、それに出席するため、朝9時25分北京首都空港を出発するはずでした。が、朝目覚めたら8時過ぎ。以前も上海で寝過ごし、奇跡的に搭乗に間に合ったのですが、今回は勝手の違う北京、タクシーも朝はつかまりません。結局、9時20分にカウンターにかけこんだものの当然却下!問題は、次の便も含めて今日はどれも満席。今日の予定は夜8時からの結団式なので、新幹線でも大丈夫と思い北京市内に戻りました。北京は上海と比べて一駅が長く、かなり時間がかかります。また、北京西駅までは地下鉄はなく、軍事博物館駅から箱型のバイク、白タクならぬ白バイクに初めて乗って何とか辿りつきました。

しかし今度は、新幹線がすべて満席。今日中に辿り着く方法は、4時間45分かけて普通列車に乗るだけ。片道114元は格安ですが、久々に乗った火車の軟座、前のおじさんの足があまりにも臭く、思い切って「すみませんが靴をはいてください!」と中国で言って、むっとされるなど、まさに学生の小旅行みたいになってしまいました。

朝は2度寝をしてしまったわけですが、昨晩は、大手商社と有名メーカーの方と、とある店で偶然知り合って、話が盛り上がったのも原因ではあります。が、20代半ばの彼らは、企業から派遣され北京で1年弱の語学研修に来ているとのこと。皆さん、非常に綺麗な声調で話していて、「三声は低く粘る感じ」と理屈でも理解されていました。別に私どもが教育を施したわけでもないのに、なぜか嬉しくなりました。高学歴で性格も明るい3人でしたが、日本の未来は明るいな~と上機嫌になりつつ、下手な先輩風吹かして、しゃべり過ぎてしまいました。

車窓からは、河北省の黄色い大地が続いていましたが、山西省に入ると、山が多くなってきました。初めての太原ではありますが、なんとか無事に着くことを祈りながらも、一見、無駄のような普通列車での移動で、あらためて中国の一般人(老百姓)の空気も感じることができました。甘粛省の蘭州行きの列車には、様々な人が乗っています。足の臭いおじさん、畑から掘り出したジャガイモのような人もいますが、小奇麗な格好をした男性も、パソコン作業をしている女性も乗っています。最近は、近代的な中国の側面しか見ていなかったので、自分のミスで招いた遠回りな旅ですが、これはこれでよかったかな!と無理やり思うようにしている車中でした!