中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

国の発展は、やはり「教育」次第ですね!

2011-04-29 19:15:03 | 中国
気温27度の上海、スーツ姿で移動するのは少しきついです。が、今年の日本の夏は、節電の影響で地獄が待ち構えているので、今から耐える訓練が必要です。そんな上海ですが、昼間のランチで立ち寄ったCoCo壱番屋カレーのお店で、興味深い光景を見ました。

お昼時、12時過ぎに店に入り、カレーを注文して待っていたら、アルバイトとおぼしき青年が慌てて店に入ってきました。スタッフは、何やらもう一度店の外に出て行くように指示、店のリーダーらしき女性が外の廊下で彼を呼びつけ説教が始まりました。内容は聞こえませんでしたが、あきらかに遅刻に対する叱責!彼は12時10分に来たので、定時が12時、いや、多分11時半だったのでしょう。他のスタッフが、またか!的にニヤニヤしていたので、どうやら遅刻の常習犯なのかも知れません。合理的な中国人的に言えば、ランチタイムの忙しさから考えると、すぐに仕事につかせるかと思いましたが、説教は延々7~8分続き、私は出てきたカレーを食べ終えました。

最近は、開店前にスタッフを並べて、朝礼(夕礼)をしている飲食店やデパートのお店も増えました。サービスが悪いと言われた時代は遠い昔、今や上海では接客態度も向上、その背景には、経営者、店舗リーダーなどの教育に対する姿勢、考えが変化してきたことが要因と思われます。一番身近なところでは、両親の教育、できればそこに経験豊富な祖父母の経験、そして学校、社会の先輩と、人は本来、誰かに教わり、学び育っていくものです。繰り返しになりますが、文化大革命の10年間は、そんな文明の進歩を止めてしまったわけで、国の発展が遅れたのもある意味当然と言えます。

昨年お邪魔した北京のレストランでは、まだまだサービスがなってないと思いましたが、家庭でも社会でも「教育」は、国の発展に欠かせないものだと思います。国の繁栄だけなら、武力や石油で豊かになる時期があるのでしょうが、やはりその国が進化・成長していくためには、人が教育を受けていないと発展的な未来はありません。先日読んだアフリカやアジアの飢餓地域の本の中でも、貧しい彼らが喉から手が出るくらい欲しがっているのは、食料だけではなく、教育を受ける機会だとのこと。恵まれた教育環境にいるのに、勉強しないのは罰当たりかも知れませんね。

もちろん、ある程度のレベル、高い次元を求められる世界では、「人は育たない」のかも知れません。が、最低限の教育や教養は、国策として必要です。日本について言えば、ゆとり教育の世代の方は運が悪いとしかいいようがないですが、最近は、公立の義務教育の現場はレベルが下がっているような気がします。塾が主導権を握るぐらいですから。社会人教育も大事ですが、やはり、家庭・そして小中高の教育レベルについて、改めて強化することがにも必要だと思います。


中国語の四声に注目!待望の一冊?

2011-04-28 12:32:22 | ビジネス
待望の・・・という割りには、初版は昨年の12月ですから、私が知らなかっただけですが、昨日、成田空港の書店である中国語学習に関する書籍を見つけました。タイトルは「中国語が1週間でいとも簡単に話せるようになる本」(加藤勤著)で、ぱっと見た瞬間は、「また、いい加減な本を出版して・・」と思い、パラパラを冒頭の数ページを立ち読みしました。所要時間10数秒、「四声がわかれば中国語は通じる」との文言に心が奪われ、即購入しました。

このブログでも、実際のレッスンの冒頭でも、しつこ過ぎるくらいに言い続けてきた「声調・四声」の問題!企業向けの教育を担当している研修会社でさえ、四声は後回し、文型で覚える!などと目を疑いたくなるようなメソッドを振りかざしていますが、私と同じ、ほぼ独学と思われるこの著者の体験と考え方は実に的を得ています。

決して一つ一つの発音(ピンイン)を疎かにするわけではありませんが、ピンインよりも声調の良し悪しが、通じる通じないはもちろん、この人は中国語が理解できているかどうかの試金石になります。駐在員の方で、生きていくためなら、多少四声がひどくても、会社の中国人は半ばあきらめて理解しようとしてくれますし、夜のお店は商売ですから、何を発声しても「上手~」と言われることでしょう。ポイントは、貴方が上司で、尊敬されるべきビジネスマンであることです。

中国語をとりあえず始めようという方、この本のような四声に重きを置く指導書、あるいは指導者に習ってください!ただ、問題は、この書籍の理念は素晴らしいのですが、付属のCDを聞く限り、ネイティブが発音する音だけを真似ると、かなりな確率で二声と三声を混同してしまうな~と思いました。これはCD等の通信教育の限界かも知れませんが、日本人的ではありますが、三声の実態とコツについて、あるいは一声の高さについて、もう少し丁寧かつ理論的に指導しないことには、やっぱり「女王」「起床」「本来」が通じない人が出来上がってしまうと感じました。もちろん、そのために書籍やネットだけではなく、「老師」が存在します。

「声調なくして報酬なし!」とは、漢和塾の講師への私からのメッセージ、半ば、説教です!過去にこの理念を理解いただけずに去って行った中国人もたくさんいらっしゃいます。四声が大事、こんな当たり前のことなのに、当のネイティブが、噛み砕いて四声を説明できない・・・そのためのトレーニングもしています。中国人としての自信はわかりますが、プライドは邪魔になります。あらためて日本人の問題点をご一緒に解決していく志のあるネイティブ講師の方、是非漢和塾にご連絡ください!


久々のCCTVで見た、思わぬ日本人!

2011-04-28 11:34:03 | ビジネス
4月10日から2週間以上、中国に戻らなかったのは久しぶりかも知れません。夜の上海は、やたらに丁寧な運転のタクシー(万博新型車両)に乗ったせいで、浦東空港から市内までけっこう時間がかかってしまいました。久々に自分の部屋でCCTVのニュースを見ました。いつものように日本の福島が取り上げられるかと思いきや、突然見たのは、岩田隆造さんという僧侶のニュースでした。

「日本の僧侶が孤軍奮闘、過去の侵略戦争を謝罪!」とでも見出しをつけるべきでしょうか?彼は随分前から、日本軍が侵略した日中戦争(抗日戦争)の被害者に対して、僧侶として一人で謝罪の活動をしているとのこと。恥ずかしながら彼の存在は、今日初めて知りました。

古くは村山談話なる謝罪が国としてはあったようですが、太平洋戦争は日本人はしっかり焼き付けるものの、日中戦争については、その存在や過程、結末などもあまり知らないのが一般的ではないでしょうか?私からすると、本来はアジア同士で戦うべきではなく、ひたすら攻めてくる欧米列強に対して、当時は日本が勘違いとも言えますが、アジアの覇権を一人主張したのではないかと思います。清の末期、弱体化した当時の中国は、伴に戦うと言うよりは、欧米の草刈場になっていて、ならば日本も・・・とでも思ったのでしょうか?結果的には、アジア人同士で憎しみを生み出すような結果になってしまいました。

さて、この僧侶の行動、報道を見て、少し複雑な感情になりました。日本では、死後の世界と、今、現在と言うのは切り離して考えることが多く、靖国問題の一端でもありますが、悪人でも死んだら仏様的な発想は日本人独自のものかも知れません。中国では、生きる死ぬの境目はなく、悪人は悪人、名誉が死んだ後に回復することもありますが、そうでなければ墓石にも唾をはきかけるぐらいです。過去に対する過ちを、一人の僧侶が代弁できるものか・・・もちろん個人ベースのこのような活動は、実際に被害にあった中国人の子孫の方々には多少なりともお詫びになるのかも知れません。が、うまく言えませんが、日中の過去は、もっと高い次元で消化し、昇華していかないと、日本はアジアの新しい枠組みに加われないまま衰退するのでは?と恐れています。

アメリカよりの日本の報道だけ見ていると、中国に対してアメリカが問題視しているニュースばかり流れますが、実はこちらのテレビなど見ていると、アメリカと中国は緊張感を保ちながらも、実に密に連絡をとりあっています。日本はアジアのこの位置にいながら、「お前ら黙ってろ!」と言わんばかりに、中国との距離を遠ざけてしまい、まさに頭越しに米中が世界の主導権を争いながらも交流する状況・・・今のアジア情勢の中では、「日本沈没」も可能性がなくはないですね。個人の努力も大事ですが、やはり国家のリーダー、指導者が必要な気がします。


無知な自分に愕然・・・偏見を捨て興味を持つことですね!

2011-04-24 12:35:29 | ビジネス
晴れた日曜日。雲が出ますが千葉の空は青く美しい!これから久々にジョギングに行きます。放射能汚染の情報がさらに少なくなったことが気になりますが、大事な過去は忘れず、大切な未来を切り開きたいです。

さて、先日、一気に三冊の書籍を購入したことをブログで公開しましたが、小沢氏に関する書物は当日すぐに読み終えたものの、「餓死現場で生きる(石井光太著)」「日本人のためのアフリカ入門(白戸圭一著)」の2冊は、なかなか手が(目が)つけられず、週末、母親の一周忌で和歌山に帰った飛行機の中でやっと読み終えました。

この2冊に関連性があって買ったわけではありませんが、一つ強く印象に残ったことは、私はいかに何も知らないかと言うことです。私が世界の現場に行けるわけではないのですが、それでも、いや、それなのに勝手な思い込みと偏見で、貧困地域のイメージや、アフリカのことを語っていました。先日のブログで、BRICSに南アフリカが加わったことへのコメントで、エジプトと南アフリカを「アフリカ」の範疇に入れて同一化してしまったのですが、大きな間違いでした。常々、中国、中国人を一つに括るなと辛らつな指摘をしている自分自身、見たことも行ったこともない国や土地のことは、まったくもって偏見で語っていることに気がつきました。この書物では、サハラ砂漠以南をアフリカと定義していて、エジプトのジャンルは中近東・・・思わずアフリカの地図を探しました。

もっと前に書いたブログで、日本にとってのグローバル化は、WEST(西へ)だ!と述べて、中国⇒インド⇒中近東⇒アフリカの順序を勝手に設定しましたが、日本が1993年から、やり方は別にして、アフリカを視野に入れて、莫大なODAを投下してきた割には、身になる投資や開発・関係作りができず、すでに中国に先を越されていると言うのが事実です。中国政府のやり方を非難しても始まりません。これからはアフリカ!どころか、国際競争の中ではすでに一敗地にまみれているわけです。一部の商社の方々の活躍を除けば、日本のマスコミの露出量の少なさも手伝って、私も含めたアフリカへの認識など塵か埃のようなものと言わざるを得ません。

「餓死現場で生きる」と言う本も、単純に貧困への同情を訴えるようなメッセージではなく、貧困ゆえに犯罪でさえ仕方のない仕組みなることや、仲間意識が貧困を継続させてしまうことなど、現実的な内容になっています。綺麗ごとを言う前に、今ある事実と、その原因、できることなら解決の糸口なども考えてみたいものです。

まずは偏見を捨てて興味を持つこと。興味があれば、さらなる好奇心はもちろん、情報に対する疑いも発生します。最終的には自分の目と感性で見るしかありませんが、書籍を手にとった時点で旅は始まります。


ミッションなき人材開発と語学研修を憂う!

2011-04-22 09:12:50 | ビジネス
先の中国ビジネスヘッドラインのコラムでも書きましたが、震災の影響とは関係なく、今年になってから、中国語研修を始めなければと、上場企業の人事担当者の方から相談をいただくことがさらに増えました。中国語研修自体は、古くは大手電機メーカーが、250人の社員を選抜、2年ほどかけて300時間のレッスンを国内で実施するなど、2002年に中国がWTOに加盟したあたりに一度研修ブームがありました。 巷の語学学校では、ビジネスの動きとはまったく別に、反日デモだ、餃子事件だ、尖閣問題だとマスコミが騒ぐものですから、韓流ブームとは大違いで一向にブームが訪れませんでした。実際には、日本人の鬼門は英語であったりしますが、日本の地理的要因、経済的要因からすると、中国語も必要!と言うのは、世界でビジネスをしていく上では必然ではあります。 今や、どの企業でも、グローバル人材の育成が急務と言われますが、基本はやはり「語学力より仕事力」です。英語の公用語化などを目指して、社員全員がミッションもなく語学に励まれては目も当てられません。中国語となるとさらに負担が大きくなるのですが、だからと言って、若手を1年間語学留学と言う安易で耳当たりのよい手段を講じる企業もありますが、入社2年目の彼は、すでに会社のエース候補なのでしょうか? 実は「語学力も仕事力」です。会社の中でのミッションさえ明確に決まれば、施すべき内容や時間も決まります。私がお付き合いしている企業の成功事例を見る限り、中国語研修ならば、1日/50時間/現地も含めた300時間、目的とターゲット別に、この3つの方法で十分です。 ただ、上場企業でも、研修を施す人材開発担当者のところに会社のミッションが明確に伝わっていないことがあります。本来、全社を見渡し、世界を見渡さないことには、ミッションなど決められないわけで、それが決まらなければ、誰が、どのようなスキルを身につけるかと言った研修戦略も定まりません。重要な戦略にもかかわらず、研修部門を別会社にして丸投げしている会社もありますが、少なくとも海外でのビジネスに精通したエースの意見も取り入れ、経営に近いところでミッションを決めないことには、研修担当者も混乱するばかりではないでしょうか?また、研修会社こそ、現地を知り、語学の必要性を分析できる力を持つことは言うまでもありません。 さて、御社はどのようなミッション、どのようなターゲットごとに語学研修を実施していますか?さらに、委託している研修会社は、現地・現場をどこまで知っていますか?