中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

第六届中国中部投資貿易博覧会に出席して・・・

2011-09-26 22:31:31 | 中国
一夜明けた太原の朝は、6時朝食、7時出発で、中部投資貿易博覧会の会場に向かいました。この中部とは、山西省、河南省、安徽省、湖北省、湖南省、江南省の6つの省の経済圏を指し、沿岸部と四川省などの内陸部の丁度中間に位置する省の集合体です。6年前から博覧会を初めて、日本はもちろん、海外からの投資促進に向けて協力しているユニットです。モーリシャスから来賓が来ていることも興味深かったです。

これからは中国!と言う文字も躍る中で、沿岸部の主要都市は、世界の国々も含めて役者は出揃っていて、比較的投資の遅れた中部が、この数年メキメキと頭角を表しています。実際、この5年の6省のGDPの伸び率平均は、13.2%で、中国全土平均を2%上回っています。元が低いと言うのもありますが、沿岸部が発展していて内陸部が遅れているとの指摘は当てはまらず、すでに発展中と言うのが正しい分析でしょう。実際、昼間に見た太原の街は、綺麗に舗装された道路に高層ビルと、金太郎飴的に発展を続ける地方都市の典型であり、石炭の街、刀削面の街と言う実感はほとんど湧かない、近代都市になっていました。

博覧会には、王岐山副総理が参列していて、力強い開幕の挨拶をしていました。同行した中国ビジネス四半世紀の商社の先輩によると、次期国家主席さえ、習近平氏かどうかも実のところまだ決定していないようで、総理も有力な李克強氏ではなく、金融に強いとされる王岐山氏かも知れないなど、日本の書籍や報道は今のところ推測の域をでていないと言わざるを得ません。意外だったのは、王岐山氏が歴史専攻で博物館で働いていたと言う経歴だったこと。さらに、山西省の偉いさんがスピーチしていましたが、あまりにも普通話がひどく、会場から若い女性が失笑をすると言う現実も見てしまいました。

午後は、日中投資促進機構の合同会議。商務部や六省の重鎮が中国側で出席しましたが、中国の日本への投資についての方向性を一言でまとめると、「ハイテクは引き続き沿岸部へ、ローテクは中部も含めた内陸へ」これに尽きるのでないかと思います。環境、エネルギー、卓越した中小の精密技術は歓迎しますが、それ以外は、発展途中の中部、内陸のほうに是非どうぞ!そのような姿勢がはっきり見て取れます。社会保険や賃金上昇、優遇制度の廃止についても、内外格差解消、欧米との比較と言う言葉で片付けられ、豊田章一郎氏がまさに国を代表するように、要望を投げかけますが、やはり政府と政府のパイプがないだけに、歯痒い感じがしました。

いっそ経済のトップが日本の政治の中枢にいたほうがいいのではないか、中国自体は経済=政治なだけに、あらためてそう感じました。いずれにしても二日目の山西太原、多くの中国ビジネスのプロの先輩方に囲まれて、危機感はあるものの、貴重な言葉やエネルギーをいただき、感謝感激の一日になりました。

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