中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

意外な誤解⑥・・・中国語は習うより慣れろ!

2011-09-10 15:33:10 | 中国語
私のブログ下の広告にも、「聞き流すだけ・・・」「○○時間で超速・・・」などの中国語教材の売り込み広告が並びます。そうですね、長年基礎だけは積んできた私にとっては、是非是非チャレンジしたい教材かも知れません。中国語の中級者が増える中で、さらに独学の教材は、有料無料を問わず充実していくことでしょう。

が、問題は、初学者の、特に発音、またしつこいですが、声調のアプローチです。何度もブログで実例を挙げてしまいましたが、最近お知り合いになった「中国語経験者」の方でも、せっかく語彙力、文法力はあるのに、肝心の声調がおかしい人を多く見かけます。肝心のと言ってしまいましたが、語学業界、研修会社、さらには中国語の講師までもが、声調が肝心であることをまるで忘れているかのように、発音難民が続出しています。

そんな中、冒頭の「習うより慣れろ!」ですが、子供の脳の回路と、忙しい社会人で学力優秀な大人の教育を一緒にするのは詐欺ではないかと思います。もちろん、大人になっても、留学、語学漬けの環境があるなら別ですが、忙しい合間にすべきことは、慣れることより、学習の優先順位、コツや差異を理解し、進むべき方法を習うことです。他の言語も本来はそうかも知れませんが、あえて中国語に関して言わせていただきますと、先々と単語を不完全な発音・声調で覚えてしまうと、もう後戻りはできません。

中国語検定やHSK上級者の人が、今さら発音、声調を直されることは、屈辱に値します。実際、昨日も中国の有名大学で留学経験のある方に、恐れながら声調の不出来をお伝えしたばかりですが、明らかに彼の顔色は変わりました。慣れる環境があるはずの留学経験者でさえ、この有様。ましてや、忙しいビジネスマンが、通信教育や遠隔授業でどこまで、学習のコツをマスターできるか?そもそも、その教材や研修会社が、慣れることに主眼をおき、習うことをないがしろにするなら、画面の向こうの中国語講師とて、講師かどうかも怪しいものです。

なぜ、ここまで言えるか?それは、弊社で長年にわたり、講師力のアップと実力の客観化をはかる「中国語教育能力検定試験」を実施していますが、面接試験も合わせて、いい加減1000人近い受験者の中で、教授法はおろか、ピンインさえも及第点になる人は、5%に満たないわけです。その5%でさえも、こと声調においては、必ずしも適切な結果を出せていないケースもあり、私の基準で言えば、1%、10人程度の講師しか完全に信頼して、初心者の指導をまかせられないと言うのが正直なところです。なので私のような素人までもが、発音クリニックを始める羽目になるのですが、市場拡大、売上アップに走るのは勝手ですが、専攻や留学経験者ではないビジネスマンの学習アプローチについて、もう少し目を覚まして真剣に考えていただきたいと思います。

最近は、中国語学習経験者がくると恐怖を感じます。初めての中国語学習は、2時間でいいので、是非、漢和塾の考え方を参考にしていただければ・・・その上で、無償教材などにチャレンジください!