中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国貨幣、角(毛)がなくなる日・・・

2010-11-28 22:30:06 | 中国
半ば下宿生のような上海での一人暮らしが続いていますが、今日は日曜日。午前は、中国語の学校でレッスンを受けて、午後は新しいお仕事のアテンドや残務整理などをしていると、いつものように外は真っ暗になってしまいました。毎日、毎晩、明るいうちに部屋に戻ることは、ここ上海でも当分無理なようですが、早く時間に追われる生活から、時間を買う生活になれるよう頑張りたいと思います。

さて、冒頭の中国貨幣の話しですが、ご存じのように現在の中国は、元(块)、角(毛)、分の3つがあります。現時点で、1元は約13円、100元札は1,300円ぐらいの価値になります。偽造防止のこともあるのか1,000元札が存在しない中で、高額なものを現金で買った時には、まるでスーパーインフレの国ようにどっさりと札束を払うことになります。何十万もするブランド品も、日本の百貨店に来る観光客だけでなく、こちらでも売れていますが、40万の買い物をしたら、100元札が300枚は必要なわけです。

そのような中で、上海など都市部では、元の単位以下の貨幣はあまり使われなくなりました。地方のタクシー表示や、上海でもスーパーや路上の肉まんなどは「角」単位で売っていますが、「分」に至っては、両替の際、銀行でもらうくらいで、使う場所もなく、子供の頃集めた世界のコインよろしくコレクション化したりしています。そのうち、各都市でも角がなくなるのだろうか?中国の変化をこんなところに感じました。一時の日本でも、1円を笑う人が増えていましたが、消費税導入もあり、1円の単位はとりあえず意識の中にきちんと残っています。円の下の一銭が日常にならないようにしたいものです。

実は、朝から風邪気味の風邪は、夕方になっても気味のままですが、明日からの1週間、さらには週末の上海フルマラソン(ろくに練習できてませんが)に備えてスタミナをつけようと、近所の韓国焼肉に一人で行ってきました。日本人のいない街の韓国料理、さぞかし安かろうと思うと、1皿150元を超えるメニューが並び、怖気づいて、1皿20~30元くらいの羊と牛肉、椎茸を頼みました。さらに鮪の寿司があったので注文したところ、テーブルには、韓国式なのか、キムチを含む前菜がずらっと6皿、山盛のサンチュは無料で、椎茸大8個、いずれも2人前はあるお肉が4人前並び、友達や家族連れで賑わう店内で、一人「プチ満漢全席状態」になってしまいました。恥ずかしいものの、韓国料理は薬に違いない!とチャングムを思い出し、わずか30分で9割方食べ尽くしてしまいました。まるでフードファイターのようでしたが、やっぱり食事は誰かと一緒に楽しみたいものですね!

日本がアジアで4位になる日・・・

2010-11-27 23:56:49 | 中国
亚洲运动会(Asian Game)が閉幕しました。閉幕の様子をたまたま中国のCCTVで見ていたのですが、閉幕式にも関わらず、様々なイベント、歌、踊りありで、最後には次回開催の韓国のプレゼンテーションがあり、まるで開幕式のように感じてしまいました。日本では「アジア大会」と、国体に毛が生えたような呼び方をしていますが、これは「アジアオリンピック」と呼ぶべきだとつくづく思いました。

アジアの定義ですが、今回の参加国を分析すれば、ユーラシア大陸から、ロシアとEUを引き算した国々で、これだけでも世界の人口の6割を占め「あ、アラブの人たちって仲間なんだ!」とあらためて思ったりもしました。本来、日本は、世界人口1、2位の中国、インド、さらにASEANとアラブ世界のユニットに含まれているわけで、そのユニットでの存在感をもう少し出せないものかと思いましたが、そんなことになったら困るのはアメリカであり、アラブにはイスラエル、インドとパキスタンを適度に緊張させつつ、アフガニスタンにも派兵、極東の属国「日本」と、さすがに的確な楔を打ち込んでいます。

この大会前に、選手団の関係者が、尖閣諸島など一連の騒動を受けてか「覚悟して行ってきます!」的な馬鹿げたコメントをしていましたが、マスコミ、アメリカに踊らされ、日本人が中国嫌いになっている間に、当のアメリカやヨーロッパどころか、韓国を含めたアジアも国々に中国市場でも大敗する可能性は大です。以前に、オリンピックのランキングと世界経済を結び付けてしまいましたが、中国はおろか、韓国にも圧倒され選手団長が反省していますが、反省する前に国力の差を思い知るべきだと思います。人口では、日本よりもインドネシア、パキスタン、バングラディシュが多いわけで、アジア3位どころか、アジアで4位になることも十二分に考えられるわけです。日々、汗を流しているスポーツ選手には何の責任もないですが、オリンピックの世界の壁は、アジアオリンピックでさえ高くなっています。

そんな私は、上海に居をかまえて3週間強、実際には日本に出張で戻ったりしていますが、下宿生活同然のジモティな生活を送っていますが、ホテル暮らしと住むことの違いをひしひしと感じます。まだ厳密には駐在員ではないですが、少し長いスパンで、周囲の空気を感じ取らないと、ビジネスのヒントもチャンスもリスクさえも見落としてしまいそうです。私が日本から派遣された代表選手ではないですが、少しでも日本の未来に役に立つ動きができれば・・と切に願う、土曜日夜の一人の書斎でした!


中国ビジネス・・上には上が下には下がいます!

2010-11-26 00:45:31 | 中国
11月19日に上海に来てから明日で1週間になります。今般は前半、妻の中国観光のアテンドがあったこともあり、仕事に費やした時間がまだまだわずかですが、昨日は、新幹線(高鉄)に乗って「昆山」まで行ってまいりました。上海駅から一駅目、乗車時間は20分程度でしょうか?蘇州と同様に近代的な駅がまさに建設中でした。訪ねたクライアントは自動車関連で世界のトップ3に入る日系企業。ご多分に漏れず、優秀な人材確保が悩みのようです。上海市内からわざわざ通う人は少なく、どうしても地元で探さなければならない・・・人口は200万は超えていますが、若い世代の中から優秀な人材を確保するのは確かに大変なようです。

私の仕事は、かつては中国に赴任するビジネスマンの日本での事前準備の語学研修だけでしたが、赴任後の状況も理解できずに提案どころではないと思い、2008年8月に上海に現地法人を作りました。が、この2年は結果的には年10回、合計100日程度の出張族に過ぎず、お見送りした駐在員の方々に、3年どころか1年くらいで情報量も、さらには人によっては語学力も完全に抜き去られてしまうことばかりでした。さすがに駐在とはいきませんが、まずは住居を構えることで、少しでも駐在員の方に追い付きたいと考えています。

私の知りえた知識や経験でさえ、日本にいる企業の方には役に立つことは多いとは思いますが、たかが一部の経験でしかありません。が、以前にも言及しましたが、たかが1年前から出張で数回来ている人でさえ、中国の今を語ったりしています。中国進出にあと先も勝ち負けもありませんが、常に自分よりもはるかに経験の多い先輩方はいらっしゃいますし、逆に、私ごときの情報でさえ重宝いただける方もいるわけで、上には上がいますが、下には下がいる・・ただそれだけのことで、自分は自分のできること、感じることを磨く以外に策はありません。

問題は、年数ではなく、どのような感性と問題意識を持って、この国、その町で過ごすかです。木を見て森を見ずになってはいけませんし、逆に中国と言う森はとてつもなく大きいので、一本一本の木でも注意深く見ておかないと何も見えなくなります。以前、中国の平均値になんの意味もない・・・とコメントしたことがありますが、GDPを平均したり、年収を平均したりしたところで、中国の個々の実態はつかめるわけがありません。また、実際にいつの中国を見たのか?どこの中国を見たのか?で年数や経験が仇になる場合もあります。

この先も続々と日本から中国に進出する企業、個人は増えるでしょう。閉塞感のある日本市場よりは夢も規模も大きいのは確かです。が、日本と言う、ある意味混沌としていない市場でさえ成功できないと、多様性、意外性、危険性いっぱいの中国ではなかなか成功しないんじゃないかとも思います。これから中国に進出される方々に少しでもお役に立つ情報を提供すべく、明日も疲れた体に感性だけは積み込んで過ごしてみたいと思います。

多種多様な中国、そして中国人!

2010-11-26 00:09:52 | 中国
実は、私、11月から上海に部屋を借りました。お知り合いの中国人老師の部屋(息子がカナダに駐在中)を格安で借りることになりました。となりの部屋には、96歳の老夫婦がいて、私の部屋にも時には親戚のおじちゃん、おばちゃんが訪ねて来たり、この歳(45歳)になって、初の中国ホームステイ体験と言ったところでしょうか?

おかげで、中国語を使わざるを得ない環境になり、朝は一時間かけてバス通勤、かなりジモティな生活を送っています。一人暮らしなんて、20代の時以来でしょうか?掃除、洗濯、買い物、すべてが新鮮です。この2年間、確かに出張ベースで、年間100日は上海を中心にした中国に滞在していましたが、住むと住まないでは大違い・・・出張族には違いありませんが、ようやくホテル暮らしから脱却できたと言うところです。

駐在員の皆さまはセキュリティの問題もあろうか、けっこう高級なマンションに住んでいるかと思いますが、私の住居は、地下鉄もなく、バスで乗り換えも必要。通勤には約1時間を要します。時には、隣のおばさん(教授)と一緒にバスに乗って中国語で話をしたり、家に戻ったら親戚の人が訪ねてきていて、一緒にご飯を食べたりしていますが、どことなく、中国生活のど真ん中に身を置いているような、人生において貴重な経験ではあります。

さて、表題の多種多様な中国、中国人の意味ですが、文字にしてみれば当たり前のこと、中国は一つではありません。南北、世代で分析をしてみたものの、その一個人が、一体どのような階級の人なのか、どのような経験を積んできたのか、結局は一人一人を見る以外に、「中国人」を語れる術などあり得ません。異文化研修なるものを私自身も実施していますが、いらぬ先入観を取り去り、自分なりに感性を働かせながら、目の前のイレギュラーを見る・・・異文化対応とはそれに尽きるのではないでしょうか?

中国嫌いの妻でさえ、「上海は色んな人がいるのね!」と言ってました。彼女がタクシーの中から見た風景、それは、多種多様な民族の横顔、さらに、同じ上海市内に生きている人でも、それぞれが千差万別、異次元の世界が広がっている・・そんな風景のようです。これさえ理解できれば、グローバル研修は不要かも知れません。

人種のるつぼがアメリカなら、民族の、そして主義主張の違う人々のるつぼが中国だと思います。日本のマスメディアに流されて、いまだ中国に対して、不安、不満、不足を感じる方々・・・やはり百聞は一見にしかずです。特に人事部、国際人事部の方々は、100回見ろ!とは言いませんが、せめて1回、生の中国を体感していただきたいものです。内向き鎖国志向が抜けきらない日本人ではありますが、大きな変化はいりません!まずは、現実、現場をよく見ることが重要なのかも知れません。


初物尽くしの上海観光!

2010-11-23 00:17:25 | 中国
かなりプライベートなネタですが、妻が上海に来ました。以前「私の妻は中国が嫌いです!」とブログに書きましたが、妻の人生初の中国本土上陸です。わずか3泊4日の短い旅行ではありますが、出発前には、同僚に、「中国に行って大丈夫?」と心配されたようです。が、結果的には、上海を好きになって今日帰国の途につきました。

私はその後も上海に残って引き続き仕事をしていますが、この数日は、久々に仕事のことは(頭から離れなくても)ほとんど手をつけずに過ごしました。4日間、実質3日間の旅行日程は以下の通りです。

【1日目】 朝:成田発 午後:上海着 タクシーにてホテル(延安飯店) 
漢和塾・上海事務所強制見学 夕方:淮海路一瞬散策 
夜:学校関係者と中国語オンリーの夕食(上海料理)

【2日目】 朝:市内移動(タクシーとバスに乗車) 昼:豫園観光 
昼食は南翔小龍包(30元/6只) 新天地散策 夕方:静安寺 
夜:新天地で夕食(香港火鍋) 
バンドの夜景堪能後、マッサージ(200元/2時間半)

【3日目】 午前:田子坊散策 昼食(上海蟹) 夜:ポートマンで上海雑技観賞 
南京西路のバー 

4日目の朝は、リニアモーターカーに乗りましたが、時速は300㎞しか出してくれませんでした。ま、とりあえずガイドブックに掲載されている定番だけは網羅したかと思います。が、旅行中、妻から、「この建物は何?これは何?どうして貴方は上海のこと何も知らないの!」と容赦ない口撃を受けました。そうなんです!私は、去年も年100日は上海を中心に中国に来ているのに、上海の観光スポットをろくに知らないのです。言い訳をすれば、昼間はクライアント先を訪ね、夜はどちらかと言うと駐在員の皆様とは日本食、新天地や雑技なんて、今さら行くこともないし・・・などと、地元ぶっては怠慢極まりないことを、妻は即座に見抜いてしまったのです。

豫園の小龍包と新天地は遠い昔に一度、田子坊なるスポットは存在さえ知らず、何よりも上海雑技団を初めて見たわけです。買い物好きでもないものの女性にはやはりレトロな雑貨屋さんのある田子坊がお気に入りのようでしたが、私一人では絶対行きません。上海雑技に至っては、その身体能力と高度な技にあらためて感動し、客席で何度も声を出してしまいました。準備(練習)あってこその本番・・・見習うべきだと思いました。

結局、妻をガイドするはずが、自らが初物尽くしの観光体験になってしまいました。忙しいは言い訳、もっと心に余裕を持って、上海の正面、横顔、裏顔などを観察すべきだと思いました。道に迷った路上で喧嘩もしましたが、何よりも収穫は、妻がとりあえず上海は好きになってくれたことでしょうか。