中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

日中異文化?中国人を語るその前に・・・

2010-01-30 09:53:03 | 中国
「その前に・・・」シリーズもすでに数回目になりますが、最近はマスコミあげて中国市場の重要性を取り上げることが多くなり、上海、北京のみならず、湖南省の平和堂のニュースなども大々的に発信されるようになりました。「中国の台頭」「新興国」などと呼ばれますが、そもそも、新興国などと中国の方は呼ばれたくないはずです。歴史的には、先進国だったわけで、清朝末期、さらには文化大革命に至る近代史の傷跡から復活しただけのこと、その名の通り、世界の中心の国が、あらためて目の前に姿を現したわけですから。

企業研修や、各種セミナーでも、「日中異文化を語る・・・」「中国人を知るには・・」と言ったテーマで、大学教授、以前に中国で活躍した経験者の方々が講演をしていますが、一番、乱暴だと思うのは、「中国人とは・・・」と一括りにして、「謝らない」「言い訳が多い」「言った通りに働かない」などと語るケースです。

そもそも、「中国人」とは誰を指して言っているのでしょうか?以前のブログでも書きましたが、まずは、エリア的にも中国は広いのです。省ごとで国が違うと思えば分かり易いですが、文化も考え方も違うわけで、日本と中国の異文化を語る前に、中国の北と南の異文化のほうが差が大きいくらいです。

さらに、「あなたの付き合う中国人は、どの世代か?」、この「世代」が非常に重要だと思います。近代史において、世代に影響を及ぼす象徴的な出来事をあえて3つあげるとすれば、「文化大革命」「改革開放」「一人っ子政策」でしょうか。中でも、文化大革命は、その実情を、日本人のみならず、中国人でさえ、多くを知らされてはおらず、私も親しい中国人の親御さん、お爺さんの話を伝え聞いて、ようやく書籍にのってる事実以上のことを知りました。トランプの大富豪で言えば、王様とど貧民が大逆転する、教養ある人が最低の人間になってしまう、10年余り続いた悲しい歴史、中国人の世代ごとに、その時に何歳であったかを分析することによって、彼らの生きてきた背景を推し量ることができます。

日本では、教育水準も含めて、優劣はあれど、なんとなくよく似た育ち、教養の人が暮らしていますが、中国人を5歳ごとに分けるだけで、彼らの体験してきた苦難や、努力、あるいは、どうしようもない境遇などが浮き彫りになります。「80后」が注目されますが、彼らの親御さんはどの時代を生きてきたか、一人っ子政策もあいまって、非常に特徴的な世代とも言えます。

この場では、多くを説明できませんが、中国人は○○だ!と語る前に、その中国人は、どこの人で、故郷はどこで、どの世代に生まれ、どのような体験をしてきたか・・・そのことを理解せずして、中国人を語ることはできないと思います。エリアと世代だけで何百ものマトリックスがある・・・そこから日中の異文化論は始まる!私も含めてまだまだ勉強が必要だと感じる土曜出社の朝でした。

中国語!興味なくして上達なし!

2010-01-29 13:43:28 | 中国
以前からも何度もコメントしてきましたが、去年の11月以来、久々に行った1月の上海では、またしても出張族の限界を感じました。「5年の出張より、1年の赴任!」と言われるくらい、地元に根ざすか、根ざさないかは大きく、月に一度の出張でも、凄まじいスピードで動いている社会の中で毎月バカンスをとってるようなものです。

とは言え、日本の仕事も、中国語研修のニーズが格段に増えてきており、体と(もう少し高性能な)脳みそが二つくらい欲しい感じです。上を見ればキリがありませんが、今できることを一生懸命するしかないですね。

上海は、5月に迫った世界博覧会の準備が急ピッチで進んでおり、いくつかのパビリオンも3月末の完成に向けて24時間体制で工事中とか・・・地下鉄の2号線の表示だけは、すでに、虹橋(空港)から浦東国際空港まで開通したものに張り替えられ、万博に向けた交通網の整備も進められています。ただ、タクシーの運転手が英語を話せない状態はあまり変わらず、欧米人の観光客対策が大丈夫かと思いましたが、逆に言えば、国際化だから英語が必要と言うよりは、世界博で是非、中国を見てくれ!知ってくれ!という意味では正しいのかもしれません。

ある方にも指摘されたのですが、昨年10回も上海に来ておきながら、中国について何一つ知らないんじゃないかと愕然とすることがあります。もちろん、国内で語学のことだけを語っていた時代よりは格段に、現地の情況、赴任者の課題、実用的な学習方法などは身につきました。

が、中国でビジネスをしていく上で、肝心のその国のことを知らなさすぎると焦っています。簡単なところでは、中国にいくつの省があり、それぞれがどのような発展を遂げているか、四川省と重慶だけで1億人、安徽省で6400万人など、昨年は基礎データを洗い直しましたが、到底、各省を直接回れもせず。中国は人脈と言われながらも、政府の関係者どころか、地元の中国人の友達もできず、中華料理の油が合わないと言っては、日本料理屋にばかり行き、冒頭にも申し上げたように、中国、上海にさえ根ざすことができていないのが現状です。

もちろん、誰も彼もが赴任者として、中国に住めるわけではないので限界はありますが、日本にいながらでも、もっと中国に興味を持ち、日本にいる中国人からでも中国のことを知り、そして、あらためて中国語の勉強をしよう!と決意をあらたにした次第です。

ある大学教授の教え・・・「中国に興味なくして、語学の上達もあり得ない!」 その通りだと思います。




2010年!遅ればせながら、新年快楽!

2010-01-29 13:26:50 | 中国
すでに、amebaブログでは、2008年から不定期連載をしております、中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」を、遅ればせながらgooブログでも同時アップすることにしました。まずは、1月のバックナンバーからアップしていきます。昨年以前のブログにご興味のある方は、amebaブログも参考にしてください。

さて、2010年は、中国での話題は上海万博でしょうか?私の故郷は和歌山でしたが、1970年の「大阪万博」が開催された時、私は5歳でした。両親、一つ上の姉、生まれたばかりの妹の5人で、5回くらいは万博会場にいったものです。小さいながらも、頭の中に残っている映像としては、太陽の塔、ソ連館、長蛇の列、そして「外人さん」を初めてみたことでしょうか?あとは、まだ小さな姉が迷子になったのに、迷子センターに預けられているのを確認した親父が、「じゃあ、しばらく預けていおいて買い物するか・・」とか言っていたような・・・。

先の愛知万博は一度だけ行きましたが、中国からの視察の方がたくさん来場されていたのを記憶しております。

上海での万博準備は、着々と進んでいるようで、北京オリンピックの準備の時には、けっこう「他人事」の空気が漂っていた上海も、さすがに盛り上がっているようです。日本の東京オリンピック、大阪万博の流れに似た、今回の北京オリンピックに続く、上海万博の開催は、中国の復興の象徴として、日本の高度成長期と比較して報道される向きも多いようです。

ただ、経済評論の中には、中国の経済成長の勢いは、上海万博を終えると不透明・・・との論調もありました。これは、金融危機以降の中国が思いのほか経済が順調なのは、国の60兆近い経済対策のおかげと言うのと相通ずるものがありますが、そもそも、中国の現在の成長は、そのような短期的な投資の浮き沈みの話ではなく、長年に渡る国家の事業計画の結果の一部だ!とは、前にも述べたことです。

特に、中国と言えば、上海が注目されますが、四川省、雲南省、新疆ウルグイ自治区、安徽省など、各省の省都は、大阪・名古屋を凌ぎ、四川省の成都などは東京に匹敵するくらいに発展していて、北京・上海への局地的な投資が全土に影響するほど、中国は狭くはありません。日本の国土で、大阪万博が行われれば、国全体が過熱しますが、上海万博は、国の成長の象徴として盛り上がるとは思いますが、こと経済においては、各ブロック、各省が、言わば一つの国のごとく、それぞれの強み、弱みを抱えながらも成長を続けていくと思います。

私自身も含めて、中国の全体をもっと理解しないと、いざ中国進出と言っても、中国の何処を、誰をターゲットにするのかは把握できない・・・今年は、もっと中国を知る努力をしていこうと思います。