中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

「Economic Animal」と呼ばれた時代が懐かしい・・・

2011-09-23 18:47:17 | ビジネス
もしかしたら、今の若い方にはこの言葉自体がピンとこないかも知れませんが、私が社会に出た頃、日本人は世界からEconomic Animalと呼ばれていました。今や、あえて言うなら韓国企業がそう呼んでも不思議ではないような気がしますが、Animalとはひどい言い方には違いないですね。なぜにこのような言葉を思い出したかは、「日本企業にいま大切なこと」と言う書籍の中で、遠藤功氏が、「いまこそエコノミックアニマルに立ち戻れ!」と言及していたことがきっかけです。

確かに、私たちの先輩方は、高度成長期を支え、がむしゃらに働きつつも、弛まぬ研究で繊細な技術を世界に送り出していました。社会人になったばかりの頃は、会社員は朝早くから夜遅くまで働いているイメージがあり、実際、私がいたリクルートはちょっと極端かも知れませんが、夜の11時、12時は当たり前、休日出勤と言うより、土日に日々の仕事のキャッチアップをする・・・そのような生活をしていました。「働き蜂」と言う言葉もあったような気がしますが、強制的な労働ならいざ知らず、当時は少なくとも目の前の目標や、会社の未来なども信じて、自主的に頑張っていたように思えます。ゆえに世界からも日本企業が注目されていたのでしょう。

多分、それに楔を打ったのがアメリカ主導の、日本の逆意識改革ではないでしょうか?欧米人はバカンスで休みが多いと吹き込まれ、労働時間に制限が加わり、正社員の終身雇用が企業の団結力を強めていると見るや、派遣社員の領域を拡大、会社への忠誠心を薄め、さらにコンプライアンスやJ-SOXなど、枝葉末節なことに社内の人材と時間と資金がつぎ込まれて、気がついたら世界での競争力が見劣りするようになっています。働かざるもの食うべからずでいいとは思いますが、働きたい人がとことん働けるような時代に戻さないと、日本の復活はありえないような気がします。もちろん、そんなことは制度化しなくても、やっぱり働いている人はとことん働いていますが、地震・原発事故とこれだけ追い込まれながら、相対的に危機感が欠落しているようにも感じます。

韓国人に限らず、今日お会いした北京の教育機関の副院長は、いわゆる政府系の若き役人ですが、ランチタイムも利用して商談をこなし、中国国内はもちろん、韓国、来月はアメリカと移動しながらも、合間を縫って、たとえ少人数でも留学生の修了式に出席、近い将来の事業計画も壮大で、まさに彼女はエコノミックアニマルでした。

アニマルはやめて、チャレンジャーでいいと思いますが、私自身も、中国は疲れる!などと愚痴を言わずに、中国語教育やグローバル人材育成の理想に少しでも近づくべく、「Economic Challenger」の仲間入りをしなければ・・・13年前、中国語の「ちゅ」の字も話せないのに一人乗り込んだ北京を思い出しながら、気持ちを新たにした次第です。