中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

花粉症が始まりました!早く今の中国に行きたい!

2010-02-28 22:02:49 | 中国
このように書いてしまうと、日本全国の花粉症患者の方から「中国に行けば直るのか?」と質問を受けそうですが、私の場合は、この2,3年は少なくとも上海に出張に行った瞬間から花粉症の症状が一瞬止まりました。4年前に突然発症した花粉症。8年前から発症していた長男に向かって、「花粉症なんて、体鍛えてないからなるんだよ!軟いな~!」と言ってしまった天罰でしょうか?今もとにかく目が痒いです。

スケジュールを見返してみると、1月17日に上海から帰国してから、すでに1ヶ月半近く経ちます。前日に深酒をして、翌日の午前10時15分に浦東発のフライトにも関わらず、当日にオークラ(花園)の近くの安宿で目を覚ました時には時刻はすでに午前8時50分・・・頭は真っ青(≠白)になり、手当たり次第に荷物をスーツケースに詰め込み、7分で支度、3分でチェックアウト、タクシーに飛び乗って9時40分に空港着、地上職員の方にご迷惑をかけながら、飛行機に飛び乗った・・・そんな前回の上海での失態が、遠い昔のことのように感じます。

2010年もすでに2ヶ月が経過、その間に中国に関するニュースも格段に増え、テレビやネットのトピックスで中国のネタをきかない日々が少なくなりました。考えてみれば、中国本土で13億強、台湾、シンガポール、インドネシア、さらに世界中に散らばる華僑の数を含めば、軽く15億を超えてしまう・・・地球の人口の4人に1人が中華民族です。ゲルマン民族が何人で、ユダヤ人が何人でと数えたことはありませんが、少なくとも「新興国」などと呼ぶには歴史的にも現在の実力的にも失礼極まりない思います。もちろん、日本はもとより、世界から批判される要素も多く抱えた中国ではありますが、「衣食足りて礼節を知る!」と言うべきか・・・改革開放以降の経済成長の波にまだまだのまれている感があり、乗りこなすには、もう少し時間がかかるかも知れません。

そんな中国ですが、3月後半に行くことになります。つまり2ヶ月ぶりですね。今回の出張では、上海以外にも湖南省、安徽省など、中国の中堅省に行く予定です。中堅省と呼びましたが、安徽省だけで、人口は日本の半分に迫り、省都の「合肥」の人口は640万以上・・・都市部と農村部、南部と北部の格差はあるようですが、その実態をこの目で確かめてきたいと思います。もちろん、万博が迫った上海も変わってるんだろうな~。久々に行く中国は楽しみではありますが、2ヶ月もブランクをつくってしまった私は、現地では浦島太郎同然です。

そんな浦島太郎の余談ですが、先週、ライブハウス出演者のオーディションに参加してきました。結果は合格でしたが、練習不足甚だしく、ギターの手入れも怠りチューニングはボロボロ・・・5月16日に学芸大学近くで5年ぶりのライブをすることになりましたが、最近は中国語の曲づくりにもチャレンジしています。ご興味のある方は、是非是お越しください(追って続報します)。仕事に歌にマラソン・・・どうやらこれが私の生きるリズムのようです。

中国ビジネス専門家が増えていますが・・・

2010-02-28 02:25:11 | 中国
このようなタイトルを書いている私自身も、最近は月に1、2度は、大手企業の社員の方を前にして、「中国ビジネス」について語ることがあるのですが、もちろん、私の専門は、語学スキルを通じて、いかに中国、中国人とのビジネスを円滑に行うかが中心になっています。中国人のマネジメントについても多少なりとも経験を積んできましたが、さて、実際の中国ビジネスの現場となると、まだまだ素人同然です。


何度かこのブログでも述べましたが、2009年は、10回、合計108日の出張で、生の中国を体感したつもりになっていましたが、1/3にも満たない滞在時間で語れることは少なく、2/3以上の膨大な時間、中国に身をおいていない時点でアウトです。さらに、もう7年も前から、企業に対して、中国語の研修をご案内し、ビジネスにおける語学の必要性など説いておりましたが、今から思えば「よくもまあ、現場も見ずに言ってたよね~!」と当時の自分が恐ろしくなります。1日より10日、10日より100日は現地に触れることで感じることは増えますが、所詮、中国のスピードにはついて行けません。現在は、日本にいる時にも、できる限りアンテナを張って対処しています。

語学に限らず、研修会社の多くは、自らがたまたま留学経験があり、語学が堪能であったりするものの、社会人経験としては、研修を実施する企業の方には遠く及ばず、更にはマネジメント経験もないのに、マネジメント研修を提案している営業マンさえ見かけます。モチベーションをアップしましょう!って言われなくても、優秀な企業の有能な社員は勝手にモチベーションが上がってますし・・・。語学研修においても、これから赴任される方よりも、現地での問題点を知っておくのは当然のこと。簡単に言い放ちましたが、これがまた難しい・・・

また、私自身も中国進出は真っ最中、会社設立から2年が経過しようとしていますが、そう簡単に中国では儲けさせてくれません。現地に限らず、日本国内でも、中国ビジネス支援や、ビジネスコンサルタントを名乗る方が増えています。が、彼らの中には、過去の駐在員経験を活かして後進にアドバイスをしよう!あるいは、学問的に分析した資料で「これが今の中国ですよ!」と主張されたり・・・これから中国に進出する人に少しでも情報を提供しようと言う試みは尊敬に値しますが、なにせ、過去のことも、机上の空論も当てにならないくらい、中国は広く、中国は速く、中国は深いのです。

私自身、複数のコンサルタントの方の話はもちろん、できる限り地理・歴史・経済の数字を分析して感じとり、自分なりの中国ビジネス像の仮設を立てて対処しています。ネット社会同様に、多くの情報が散乱するようになった中国ビジネス。新しい発見はもとより、情報の匂いと流れを見分ける力が今後さらに求められると思います。

中国に関係する書籍・評論・・・バランス悪くないですか?

2010-02-23 20:25:00 | 中国
書店のベストセラーらしき新刊のタイトルを眺めていると、「中国ゴールドラッシュを狙え!」という夢いっぱいの本もあれば、となりには、「こらぁ!中国いい加減にしろ!」と言うセンセーショナルなタイトルも並びます。書籍の中身は目次だけを見ただけですが、それにしても両極端なメッセージだなあ~と思いました。

それでも、以前の中国関係の書物には、「中国崩壊論」的なシリーズのほうが多く、中国を持ち上げるような論調のものが増えたのは、けっこう最近のことかも知れません。90年代にも、2000年中盤にも、この「中国崩壊論」的な本は出回っていた記憶がありますが、さてさて、中国は崩壊したでしょうか?

以前にも申し上げましたが、私は中国が好きでこの仕事をしているわけでも、日本より中国が素晴らしいと手放しで褒めているわけでも、日本は駄目だと悲観的に感じているわけでもありません。ただ、つい最近の近代史の優劣だけを機軸に、中国が台頭してきたとか、日本が抜かれたとか、あまり感情的にならないように、できる限り事実と史実を知ろうとしているだけです。

小学校の教科書で、卑弥呼が漢から金印をもらったこと、遣隋使や遣唐使が行われたこと、後に日本の仏教に影響を及ぼした空海や最澄。嵐が助けたと言われる元寇、長い鎖国の後には、満州事変や日中戦争、田中角栄が訪中、パンダが上野公園にやってきた・・・そのような知識は誰もが持っていると思います。

日本と中国の歴史は、戦後の趨勢で語るほど、浅いものではないはず。歴史の大部分で隆盛を極めていた中国は清の後半に衰退。代わってアジアの代表でもあるかのように軍国主義に走った日本。日中戦争に勝利するも文化大革命で時計の針を戻した中国。高度成長期でアメリカをも凌駕しかけた日本もバブルが崩壊。改革開放、そしてオリンピックと成長著しい中国・・・素人がわかる範囲の事実を並べても、これだけの流れがあります。

市場が有望だからと単純に進出ブームに浮かれてるほど、中国ビジネスは甘くありません。これは中国の規制云々の問題だけではなく、韓国、欧米、インド、アフリカ、世界各国との競争に勝たなければなりません。かたや、春節で何十万も買い物をし、銀座の物件も視野に日本の不動産を侵食するかのようなチャイナマネーの脅威を嘆く向きもありますが、これは明らかに現在の日本の国力、自力、地力が弱くなった裏返しです。

昨今の世論調査も近視眼的な情報に一喜一憂する悪い例ですが、もう少し、事実を時の流れで把握して、長期・中期の予測を立て、その上で起きている問題点、欠点、改善点などを双方で解決していく。政府も会社も一個人も、そのような懐の深さが、これからの日中関係にも求められていくと思います。

「銀座」で学ぶ中国語の漢和塾が、「御茶ノ水校」開設?

2010-02-22 23:50:57 | 中国
すでにプレスリリース等でご存知の方もいらしゃるかと思いますが、銀座1丁目に研修センター兼語学教室を構える「漢和塾」が、この度、御茶ノ水で中国語講座は開設する運びとなりました。

語学教室と言うと、多店舗展開が一般的ですが、漢和塾では、上場企業、大企業のビジネスマンの方の企業研修が中心ですので、銀座に続く2号店は、中国の「上海」でした。その理由は、弊社で赴任前研修をされるビジネスマンの方の大半が結果的に上海に着任されることが多く、日本国内→中国現地への一貫教育の必要性を感じたことが一つです。(看板が同じチェーン店でも、業務提携や中身が別物の学校が多いのも実情です。)

が、最大の理由は、数ある中国語の研修会社のスタッフは、私も含めてどこまで現地に精通していのだろうか?と言う疑問が沸いたからです。中国に行ったことのない、たまにしか行かない、机上の空論で見てきたかのように語る・・・そんなスタッフに、これから現場で苦労される赴任者の気持ちがわかるのだろうか?そのように感じたことが上海進出を決意した大きな要因です。実際、一昨年から、毎月のように現地に行ってみて(出張ベース、しかも上海中心ではありますが)、駐在員の悩みや、本当に必要な事前学習は何か?などをリアルに感じることができました。今の、生の中国を知らずして、よくもまあ中国ビジネスを語っていたな!と反省しきりの毎日です。

さて、そんな中で「御茶ノ水校」です。これは、事業計画には当初なかったことですが、東京通訳アカデミーの岡村氏との出会いがきっかけです。岡村氏は、兵庫県一円で有名な学習塾「岡村ゼミナール」の代表で、現在は、学習塾の経営に加えて、通訳、医療コンシェルジュなど、有益な仕事に就くための資格取得に向けた教育を施し、卒業生に就職の門戸を開く、そのような事業に注力している方です。

漢和塾が実践している、「ビジネススキルとしての中国語」と言う考え方に共感いただき、御茶ノ水にある東京通訳アカデミーの教室を共同で運営させていただくこととなりました。春からビジネスマン向け、あるいは就職に備えて「中国語検定」を目指す学生向けに講座を開設します。(詳細は漢和塾に直接お問い合わせください)

銀座と違い、漢和塾の看板が表には出ていませんが、講師、カリキュラムはすべて漢和塾が運営。企業内や銀座だけではなく、一人でも多くの方に、「ビジネススキル」をつけていただきたいです!もちろん、銀座教室でも4月から同様の講座を開設しますが、通勤・通学の関係で「御茶ノ水」が便利な方は是非お申し込みください。

P.S. 2月23日(初十)で、中国の春節が終わります。日本の2月も後半戦・・・もうすぐ春ですね!



大人のビジネスマンに教えると言うこと!

2010-02-17 13:49:43 | 中国
日本の新聞誌上には、毎日のように、大企業の「中国進出加速」「新興国開拓」と言った文字が躍りますが、欧米を中心とした国際化でさえ進んでいないと批評されることの多かった日本企業、金融危機以降は、堰を切ったように急激に中国一辺倒になっているように感じます。

すでに、早くから中国に布石を打ち、またそれなりに苦労を重ねてきた企業の方からは「何を今さら・・・」と思う向きもあるかも知れませんが、20年前、10年前、5年前、1年前、下手すると1ヶ月前の中国と今は、すでに市場も法律も感性も違ってきているかも知れません。もちろん、手放しで喜べない課題とリスクが横たわっていることも、現場を知る企業戦士の皆様はご存知のことと思います。

さて、そんな中で、弊社が専門的に手掛けている、中国への赴任者や出張、あるいは中国ビジネスに関係する管理職への中国語研修も、春の異動シーズンに向けて急激に増えています。当たり前ですが、中国語学習の受講生は、全員「大人」のビジネスマンです。そもそも受講生という呼び方もいかがなものかと思いますし、中には「生徒さん」などと呼んでいる語学学校も多くありますが、彼らは、間違いなく社会人、大人であることが、語学教育を実施する上で、最も重要なことだと思います。

よく、語学の習得には、子供が言葉を覚えるように・・・と言った歌い文句の教材や教え方がありますが、忙しいビジネスマンで、長期の留学環境でもない限り、初めて習う言語においては通用しない話です。また、年配の方からは、耳や記憶力が悪いから単語が覚えられないと言った嘆きもよくききます。

大人になってから第2外国語を習得するために必要なことは下記の3つだと私は思います。

①モチベーションの向上 ⇒ 必要性、あるいは使いたくなる場面がイメージできるか?

②学習方法・コツの提示 ⇒ 大人のビジネスマンほど、自分で納得して勉強したいはず!

③性格・プライドの尊重  ⇒ 大人は傷つきやすいもの。初心者でも子供扱いは禁物!

英語は、できないと言っても、少なくとも中学から基本的な語彙も数千、さらに日常生活で外来語も多く耳にしています。初めて習う言語、こと中国語に関しては、ビジネスマンの忙しさを理解することに加えて、教える対象者が大人であること、これを何よりも意識していただきたいところです。そんなわけで、最近つくづく思うこととしては、声調の練習で、赤ちゃん言葉でもある「ma(マー)」だけで延々練習させるのはいかがなものかと思います。