中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

英語ができればグローバル!の勘違い。

2013-04-05 23:10:55 | ビジネス
以前のブログで、「英語と言う保険ありきの中国語の必要性」 と言う内容を書きました。中国語の必要性が世界を相手にする際に重要なカードになることも、「人脈構築言語としての中国語の必要性」 などと形を変えて説明をしてきました。が、実際に大手企業で海外戦略を考えているトップの方にお会いすると、意外にも英語万能主義の経営者が多いことにびっくりします。もちろん、日本人にとっては、英語は鬼門ですので、最低限の語学力、実践力がないと海外に打って出ることは難しいでしょう。

  繰り返しになりますが、英語ができれば中国でのビジネスがOKなわけではないですが、中国に来ると英語も必須になります。日本語ができる人材のレベルの低下もあり、採用においても英語人材の中から選ぶ必要性が増し、中国で英語を学ぶ赴任者もいますし、香港、シンガポールでは英語が軸になります。

  が、現実的には、シンガポールや中国が英語で乗り切れるからと言って、中国語の必要性に気付かない経営者は、この先、中国のパートナー、あるいは中華系のライバルに足元をすくわれることになるでしょう。これは一概に世界人口で中国人が多いとか、言語人口で中国語が一位とかの問題ではなく、世界経済の覇権が、欧米偏重からアジア、中国へと大きく変わってきたことにあります。6年ほど前に、CHINABAL=中国を軸にした世界経済なる造語を作り出し、一部の人から失笑を買いましたが、中国を贔屓目に見ているのではなく、実際に東南アジアはもちろん、新興国と呼ばれる国でも、中国人、中国語の影響力は、マイナス情報しか流さないメディアに洗脳された日本人には想像できないスピードで広まっています。

  私の中国人の友達の一人も、それは流暢に英語で話します。が、中国人の母国語は中国語と言う当たり前のことに気付くべきです。中国は英語教育には力を入れ、子弟を英国に留学させる一方、孔子学院などを通じて全世界に中国語を広める国家戦略を遂行している国なのです。当のアメリカが、10年前から小学校での中国語教育を強化したり、中国語を国防省の戦略言語にしていることにも着目すべきです。

  中国は近年急に成り上がった新興国ではなく、改革開放以来の事業計画がようやく実を結んだ計画的な復興国です。5,6年先、中国市場が下降しても、中国人は世界で待ち構えています。英語と言う片肺飛行で手遅れにならないうちに、中国語、そして華人戦略はしかるべき準備と対策を打ってこそ、グローバル化に対峙できます。中国関係の私が言うと眉唾ものですが、間違いない!と断言します。


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