中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

見習うべきは、中日・落合監督の幹度!

2011-05-30 00:33:20 | ビジネス
風邪気味の週末、ベッドに倒れてる時間以外はパソコンに向かう生活をしてしまいました。友人、クライアントからのお食事の誘いも体調不良を理由に全部断って、まさに、引きこもり状態になった気がします。鈍い頭を揺り起こすように突然ブログに向かってみては、これで4本目、最後には野球の話題になってしまいましたね。

中日が首位に立ちました!って、私は中日ファンではありません。幼少時代の和歌山には全国ネットの巨人戦しか放映されてませんでしたので、巨人ファンです。好きな選手は、高田・新浦・江川・桑田、最近では松本と金刀でしょうか。ただ監督では、故藤田監督を除いては、いかがなものかと思うことも多く、巨人ファンと言うよりは、プロ野球全体を楽しんでいます。実際、巨人軍一辺倒の時代から、実力でも、さらに地元志向の人気面でもパ・リーグが面白い!杉内・和田・ダルビッシュ・岩隈・田中・涌井・成瀬、この7人は素晴らしいです。セ・リーグにも、吉見・館山・能見・前田健あたりがいますが、世界選抜だとほとんどパの投手を起用することになるでしょう。

話は落合監督に戻ります。彼のエピソードと言えば、現役時代よりは、監督になってからの日本シリーズ・山井のパーフェクト寸前交代などが思い浮かびます。名球界入りを拒否してみたり、少し斜めから球界・社会に切り込むところが好きです。いずれも彼なりの信念、裏づけがあることで、人気商売であるプロ野球を、ひたすら結果を出す方向で一人頑張っている。たまに感情が入り過ぎて取りこぼしますが、実際、結果も出しています。

特に今年の開幕当初は、最下位に転落していましたが、「あと50敗できる・・・」的な発言をしていましたが、実際、それから33日で首位に立ってしまいました。和田・森野・ブランコが低打率、守護神岩瀬も防御率5点台、普通は不安になりそうなものですが、「そのうち打つでしょう!」と打線には気にも留めず、リーグ5位のチーム打率で首位。現役時代は練習の虫、選手に対しても厳しいですが、「これだけやった!」と言う自信の裏返しでしょうね。

対照的に調子が上がらないチームを見ると、猫の目のように打線を入れ替えたり、ちょっと調子が悪いとすぐ変えたり、持ち場がコロコロ変わったりしています。最悪なのは、選手ばかりを責める監督。自分の部下でしょう!と言いたくなります。たまの叱咤激励はいいですが、自分が起用したなら信じて使い続けるべきです。

ふと、自分の会社はどうなのか?先日も、遅れ遅れの仕事に対してスタッフに愚痴をこぼしてしまったばかり。最善の準備を尽くしたのなら、あとは信じて任せるべきですね。ぶれない落合監督を見習います!

決めつけの中国人論③ 「中国人はすぐに転職する?」

2011-05-29 13:34:39 | 中国
喉の痛みが徐々にひどくなり、鼻の通りも悪くなってきました。が、引き続きブログに向かいます。

③中国人はすぐに転職する!

日系企業の採用担当の方から、よくお聞きする愚痴があります。中国人はせっかく採用して教育しても、その経験を活かしてすぐに別の会社に移ってしまうから嫌なんだ!・・・実際、そのような体験をした方も多いのではないですか?そもそも、中国の企業では、基本的には即戦力を求める傾向があり、新卒を育てて戦力にしていくと言った考えはまだまだ浸透していません。

以前にも書きましたが、中国人が組織に向かないかと言うとそうではなく、最強の組織が政府と軍隊です。彼らの人材育成は、若い頃から青年団として上層教育も施したり、半ば日本の優良企業のように、新人を金の卵のように育てています。ゆえに今の強大な権力、組織ができあがるわけで、テンポラリーな成功ではなく、100年揺るがぬ企業を作ろうと経営者が思ったら、必ず組織作りと人材育成に注力するはずです。

辞めてしまう中国人を憂う前に、その会社がどのような長期ビジョンがあり、社員はそのビジョンの中でどのような階段を上がっていけるか?入社時点に企業側が概略だけでも示している会社がどれだけあるでしょう。弊社のように、小さな企業なら取締役がすぐそこにあったりしますが、大企業になれば、先の先は見えずらいものです。が、可能性として具体的にイメージができること、極端な話、社長になりたい人にストーリーが語れるかどうか?もちろん、そのためにクリアすべき指標も具体的、かつガラス張りの評価基準がなくてはなりません。

さらに、日系企業に就職してきた人材、特に日本語人材で、何段も飛び越えて外資に転職できるケースはまれで、結局、よく似た日系企業の転職していたりします。日本でも年功序列が古びた言葉になっていますが、年齢ではなく、企業そのものの継続性を語れるかどうか。100年は無理としても10年くらいは必要でしょう。人間誰しも安定志向はあるわけです。そして、何よりも働きやすい環境かどうか?以前に離職率の低い企業の成功事例をお話しましたが、給料だけでない部分、そしてボスには、しかめっ面ではなく、前向きな笑顔も必要です。

最後に気をつけるべきは、人材ブローカーの存在。彼らは企業に人材を紹介をして1年もたてば、同じ人材を他に回すことで利益がでます。定期昇給に毛が生えたような給与アップで人材を転がす。それで転がるようならその人材もその会社もその程度と言うことでしょうが・・・さて、自分の会社はどうなることやら?課題山積です。

決めつけの中国人論② 「中国人は起業家が多い?」

2011-05-29 12:37:47 | 中国
シリーズ化を宣言してしまったようなものなので、引き続き書いてしまいます。今日は、上海の日曜日、けたたましい爆竹の音で、風邪気味で沈み込んでいたベッドから飛び起き、そのままパソコンに向かっています。

②中国人は起業家が多い!

日本でベンチャー起業が台頭してきたのはほんの10数年前。私も6年前に起業しましたが、何より痛感したのが、ベンチャー(冒険)などと呼ばれて、ギャンブル的な怪しい会社・・・と思われることが多々あることです。勇気があったかどうかは別に、清水の舞台から飛び降りるつもりで起業したものの、その行動よりも、成功確率の低さが世間の評価でした。優秀な人がまず大企業に行く!そこから逆算すれば当然の結果と言えますが、大企業を辞めてチャレンジしたとしても、ドロップアウトなどと言われることも少なくありません。

それとは対照的に、アメリカのMBA取得者で大企業を選ぶ人は少なく、ほとんどが起業、コンサルティングファーム、投資銀行を志すようです。中国でも、優秀な人は、サラリーマンにはならず起業家を目指す!と言う意見が多いのは事実です。が、あくまで一握りの優秀な人が成功しているように思えるのは私だけでしょうか?

私の知り合いの中国人が2年ほど前に上海に会社を設立したとのことで、お祝いの会食をしたことがあります。まだ20代中頃の女性で、それまでは広告会社に勤めていました。で、どんなビジネスをやるのと聞くと、旅行会社だとのこと。さすがにリクルートでABROAD・じゃらんと言った旅行系の仕事をしていて、また旅行会社の利益率の厳しさも理解しているだけに、先輩風を吹かして「どんなビジネスモデルなの?」と聞いてみました。彼女の答えは簡単で、「私の友達の友達だけで400人くらいいますから、チケット買ってもらうんです。社長もいかがですか?」・・・・私はしばらく考えて聞き返しました。「ねえ、アムウェイって知ってる?」

つまり、その事業はネットワークビジネスの域を出ていないだけで、人口が多く、人脈重視の中国人からすると、自分の食い扶持ぐらいは自分の周囲の人達で稼げることもあるわけです。が、その先のビジネスモデルがどこまであるのか?問いただしたものの、チケット売りつくしたら他のものを売ります!と気丈に語っていました。

起業と企業の違い・・・立ち上げるだけでなく、組織を構築して、何よりも継続発展させていくことの難しさ。私も日々痛感してますが、中国人とて、起業家は星の数ほどいれど、企業家になれる人は日本の確率と変わらないと思います。ともあれ、大小関係なく、チャレンジできる土壌があることは羨ましい限りではあります。


決めつけの中国人論① 「中国人は面子を重んじる?」

2011-05-29 10:54:02 | 中国
代表的なものに・・・①中国人は面子を重んじる!②中国人は起業家が多い!③中国人はすぐ転職する!があると思いますが、実際、このネタだけで、中国人を知るセミナーができてしまうようです。確かにその理由や程度を分析するのならまだしも、中国人はこうだ!と決めつけると読み誤ることが増えると思います。

①中国人は面子を重んじる!

まず、日本人にも面子があります。人前でこけ落とされた日には、復讐の炎がメラメラと燃え上がりますし、立場を無視した行為には厳罰が下るかも知れない。中国人に限らず、世界中の人がそうなのではないでしょうか?

逆に、日本の場合、私も過ごした学校や職場の空気が、面子を潰されても耐えるべき、忍ぶべき、諦めるべき的な環境であることが多いからかも知れません。組織の中に埋没すると麻痺すると言うべきか・・・私が生まれ育った時代は、大学生あたりでも、体育会において下級生は人権がありませんでしたし、社会人になっても、新人時代だけでなく、上司の理不尽な態度や叱責にも耐えていたものでした。この年代が40~50代を迎え、中国に責任者として赴任しているわけです。目の前の中国人部下は、自分とは違う!まずはスイッチを切り替えることで済む話かも知れません。日本国内の企業でも、世代ギャップとして問題になったのではないですか?

ひとつ付け加えると、面子とは、能力が備わり尊敬されている人にのみ与えられるものだと思います。実力もないのに拘るのは、ただのプライドであって、それがが傷ついたと言って騒いでいる人は成長しません。あらかじめ決めたミッションや職務において、怠慢あるいは不備であるなら、人前であろうが指摘することも重要だと思います。職場で感情的に「怒る」ことは、ご法度ですが、理論的に指摘することを躊躇する必要はありません。

また、この場合、職場が組織として機能しているかが重要です。よくある中国の中小企業のように、ボスに対して部下が個別に繋がっている場合、同僚同士はライバルでしかなく、その面前で指摘されようものなら、離反していきます。俺はボスに見放されたような気分にもなるでしょう。部・課単位のミッションが明確で、組織で働くメリットを理解した上で働いているならば、上司や同僚の厳しい指摘も成長の肥やしになると、優秀な人なら思えるはずです。ふと、昔、後輩に向けて言ったフレーズを思い出しました・・・40代の偉そうな説教ですかね?

『プライド捨てても、自信はなくすな!』 (プライドは成長の邪魔になるが、小さな自信から積み重ねよう!)


原発反対を唱える前に、世界の現実に目を向けるべき?

2011-05-28 03:14:34 | 国際
日本のニュースで、俳優が原発反対を唱えたためにドラマを降板させられたとのニュースがありました。先にも書いた、浜岡原発の停止の話も、まるでそれが原発削減への第一歩のように賞賛され、いわゆる国民は何も気付かないまま、アメリカの戦略にはまってしまいましたが、その後の公の場で、当の総理本人が原発推進を世界に向けて発信したのですから、猿芝居もいいところです。

アメリカではハリケーンの甚大な被害が報告されていますが、ふと思ったのは、原子力発電所に巨大ハリケーンが来たら対処できるのでしょうか?最悪、運悪く隕石が落下することもあるわけで、国防なみに発電所の防御が出来ている国はどこにもないのかも知れません。

では、なぜ原発?それは今や電気なしではすべての経済活動が成り立たないわけで、地球温暖化の阻止を掲げて火力発電を控えなければいけない中で、大量のエネルギーを生み出す原子力への依存は、先進国はもちろん、これから経済成長を続ける国々には不可欠なものとなっているからです。ドイツのように先駆けて削減のメッセージを出す国もありますが、彼らは隣国から電力を輸入できたりもしますが、削減が実現するまでに地球がもつかどうか、ま、そんな問題かも知れません。つまり、今、反対を叫んだところで、半世紀、いや何十年後かで結末が見えてくる話に過ぎないのです。

ならば、今の課題は?重大な原発事故は、有名なところでスリーマイル、チェルノブイリ、それに今回は福島が加わってしまったわけですが、大小問わなければ危機一髪的な事故もたくさんあったことでしょう。が、それ以上に、砂漠や海の真ん中で核実験をして撒き散らす放射能と比べると、世界中に何基もある原子力発電所の事故による被害の確率ははるかに少ないものではないでしょうか?

私はここで原発推進とか反対とかの議論をしたいわけではありません。事故は必ず起こるものです。予防ができるものなら、立地、気象条件、技術水準を検討して開発に慎重になればいいことですし、すでに作ってしまったものについては、あらゆる可能性を想定して、「危険性」を告知すればいい。原発反対ならその近くから離れるしかないでしょうし、電気を使わない生活に戻る覚悟もないなら、国を出るしかないと思います。もちろん、国を出ても世界規模で原発事故は影響してくるわけですが、それを言うなら地球に住んでいることが不幸なだけです。

戦争がなくならないのと同じように、生活の欲望を満たすための電気、それを大量に生み出す原発もなくならないでしょう。放射能の濃度の高い世界が普通になる日がくるだけのこと。地球は昔、酸素だらけだったこともあったわけで、人類が今のままの人類で、未来永劫いられるわけではない・・・刹那的ですが、そのように考えた上で、対処法、責任の所在を限りなく追求していくしかないのかな?・・・まとまりのない真夜中の独り言でした。