中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

第7回 漢和塾中国ビジネス研究会 8月24日(水)開催!

2011-06-27 09:57:32 | 政治
突然、セミナーのお知らせです。漢和塾ビジネス研究会と称して、かなり不定期に実施していますが、8月24日に久々に開催することとなりました。今回のテーマは、「中国エリアスタディと世代分析&自己紹介の中国語!」

昨今は、中国ビジネスの専門家、あるいは専門家を語る人が圧倒的に増えているように感じますが、私ごときもセミナーをしているのですから、実際そうですね。この3年間、年の半分を中国で過ごしてみたことから、以前と比べれば、中国への理解は深まったのは事実ですが、所詮、私が見た中国、私が感じた中国人にしか過ぎません。これは、上海に10年駐在した人とて同じことで、それは「あなたの見た、感じた中国」に過ぎず、あまりにも広い地理的な要因、さらには歴史的、階級的、最終的には個人的な差異を一括りにして、「中国人とのコミュニケーション論」「日中異文化論」などを語ることは詐欺に近いとあらためて感じる今日この頃です。

そんな中、今回のセミナーでは、まずは「あなたの相手はどこの人?」と言う切り口で、中国の地図を眺めながら、エリア、大きくは北と南、6つの経済ブロック、各省の特徴と人口感、直轄都市や自治区の分析などを行います。中国人と言っても、ヨーロッパがすっぽり入るくらいの民族や特性の違いがあり、ヨーロッパのマーケティングをするのに、イタリアとフィンランドを同じ国として調査する人はいないのと同じ理屈です。たかが地理?と思うなかれ!赴任者も派遣先しか見えなくなると中国が何一つ語れなくなりますし、何より本社の責任者が客観的にでも中国の市場感を知っておかないことには、的確な指示も出せるはずがありません。

次に分析するのは、「文化大革命」「改革開放」「一人っ子政策」と言う、今の中国人の世代に大きく影響している3つの事柄を軸に、中国の世代間の分析をします。文化大革命・・・あまりここで文字を割くことは控えますが、この失われた10年を知らずして、中国人論は絶対に語れません。

総経理で赴任される方も想定して、中国人のマネジメントの実例、特に「組織で働くこと」もセミナーの要素として簡単ではありますが追加します。本来、これだけで1日かかることですので、ポイントだけお伝えします。

そして後半2時間は、自己紹介の中国語!2時間で中国語などできるはずが?と思われるかも知れませんが、社名と名前の10文字程度に集中して、100人の中国人社員の前でも、綺麗な発音(特に声調)で自己紹介をしていただくための、コツを伝授させていただきます。自己紹介は中国人を知る・語る以前に必要なスキルです!

中国赴任者、出張者の方はもちろんですが、国内にいることの多い経営者、あるいは人事担当者の方にこそ、是非参加いただきたいセミナーです! 
詳細 http://www.kanwajuku.com/seminar7.pdf

18年ぶり?東北新幹線で宇都宮へ

2011-06-26 12:13:03 | 国際
リクルートと言う会社にいた頃に、安比高原に行ったのが最後でしょうか?久々に東北新幹線に乗りました。今や、震災、原発と東北の話題は増えましたが、「北」と言う文字は、一見マイナスなイメージを醸し出します。が、同時に「北」と言う文字は人間の強さも醸し出すように思えます。もちろん、今回は関東は栃木・宇都宮ですが。

中国では、一般論として、北の人は、屈強な体と強い精神力を持ち、悪く言えば好戦的で野心的。南の人は相対的に土地や食糧に恵まれていて、戦争においては、歴史小説にあるように防戦一方、ゆえに策士も輩出します。世界地図を眺めたら、日本の北と南なんて、中国の比ではないのですが、それでも、国民性、県民性の違いは大きいわけで、中国人とは・・・と一括りに異文化論を語る学者さんが詐欺師にしか思えない今日この頃です。

残念ながら、日本には、マスコミ洗脳の成果か、中国に対するマイナスイメージを上げればエンドレスな方が多く育ちました。これは、いっぱしの社会人でも同じで、一度も見たことのない人に限って、詳しすぎるくらいに中国の批判ができてしまいます。確かに中国は4,000年、いや5,000年の歴史を通じて、ずっと戦乱の繰り返しでした。が、それはたかが建国200年強のアメリカがひたすら戦争をしているのと同じで、世界平和は、誰がどう唱えても、人間が動物であり、欲望がある限り実現することはありません。

昨今の、読売洗脳新聞に、中国の脅威がひたすら強調されていますが、国連の常任理事国で、平和を掲げている国が一つでもあるでしょうか?ましてや、中国政府の方針としては、他国に攻め入るなどと言うよりも、まずはあの広大かつ混沌とした国を治めることのほうが至難の業で、よその国を相手にしている場合ではありません。さらに言えば、領土などよりも、華僑と言うソフトのほうが、世界中にネットワークを張り巡らせているわけですから、何も大砲や原爆を武器に各国を脅すこともないわけです。

ブラジルから中国に異動された赴任者の方の話ですが、ブラジルではなかなか英語が通じないそうで、私の専攻でもあるポルトガル語を駆使されたようですが、意外に通じるのが中国語とのこと。なぜなら、ブラジルに限らず、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、世界のいたる所で、ビジネス・商売のキーマンは「華僑」が握っていることが多いからだそうです。S.H.E.の曲で、「中国話」と言うのがありますが、世界中の人が中国語を話し聞く時代・・・的なメッセージです。世界情勢を見る限り、あながち歌の世界だけではなさそうです。

世界は、ユダヤ人と中華人のせめぎ合い、そんなことを今日クライアント先で言ってしまいましたが、実際、そんな状況だと私は思います。本来は、このブログ、それなりに分析や意見をまともに整理しようと努めてはいますが、たまに今日のように、缶ビールを片手に思いのままを殴り書き(打ち)してしまう夜もあります。

「聞く」「話す」「読む」「書く」・・・基礎の重要性!

2011-06-19 14:07:48 | 中国語
昨日、全国外国語教育振興会のイベントで、札幌の立命館慶祥高等学校の今井康人先生の講演を聞いてまいりました。高校の英語教師のお話を聞くのは初めて、半信半疑で参加しましたが、まさに目から鱗でした。

まず、考えてみれば当たり前のことですが、語学の向上は、やはり基礎が重要とのこと。基礎があっての実践、これは私がしていた剣道に限らず、すべてのスポーツや、仕事、研究にも必要なことです。脳の形成段階の幼児ならまだしも、高校生以上、ましてや社会人になれば、習うより慣れろ式の学習方法が、膨大な環境がない限り困難を極めます。まずは新しい言語、その特性の基本をしっかり学ぶことが重要なのは間違いありません。

さらに、中国語の学習で基本とされている、听说读写「聞く・話す・読む・書く」の4技能は、英語でも重要な要素であり、さらに音読にはこの3つの要素が入っているので、基礎学習には有効とのこと。ビジネスシーンのスキルと言った優先順位の差こそあれ、言語習得の理論は普遍だなとあらためて思いました。

また、同じ音読でもどのように工夫するか着目しておりましたら、同じパートの材料、それもストーリー性のある題材で聞く、話す、読む、書くを繰り返すことも効果がありそうで、今後のテキスト開発の参考になりました。よく、英語のみ使って鍛えよう的なアプローチをする研修会社もありますが、英語を日本語に訳すだけの日本の英語教育(私の世代)はいかがなものかとは思いますが、日本語を英語に訳す作文、あるいは瞬時に変換する「瞬訳」などの重要性も今井先生は説いておられました。

何よりも感動したのが、高校でやる気のない生徒、あるいは興味のなさそうな生徒をいかにその気にさせるかのお話。教師自体が、あきらめない姿勢を示すことだとおっしゃってました。熱意は伝わると言うか、先生の本気度がすべて。さらには、準備の重要性!授業のほんの10分で説明する資料を3時間もかけて準備をする・・・どれもこれも、当たり前のことのように聞こえますが、実際には難しいことです。ふと、弊社の中国語研修に当てはめてみましたが、講師のスキルや考え方はもちろん、会社としての用意、工夫など、今井先生の爪の垢に過ぎないと愕然とした次第です。

それでも、やっぱり私もあきらめません。中国語と言う言語へのアプローチにおいて、特に声調を重視し、「声調なくして報酬なし」とまで講師の方には伝えています。「熱意なきものは去れ!」とも申し上げております。この言葉を発する私自身が、講師の方々の何十倍も努力しているか・・・甚だ疑問ではありますが、今日より明日、明日より明後日と、一歩ずつでも、限りなく遠い理想に近づいていきたいと思います。

人事部・人材開発担当者(特に女性)こそ海外へ!

2011-06-15 23:48:25 | 中国
一部の大手企業では、随分前から、中国の現地法人にも人事部があって、独立した海外の会社で、本社同様に機能しています。そんな会社は総じて業績も順調だったりします。が、私がお邪魔している200社近い上場企業の中でも、そのような企業は一握り。大抵は、安い労働力を求めて、中国での工場進出が先だったせいか、エンジニアや工場長が赴任してきた歴史があります。「弊社は中国にはもう随分前から進出している!」「これからは現地化だから日本人を帰任させている!」と言う大企業も多いですが、果たしてそれでいいのでしょうか?

中国市場が世界に開かれた起点を、小平氏の南巡講和が始まりと仮定しても、すでに20年近く経ちます。世界の工場として注目されたことは同時に、人も金も世界から集まり、市場としての中国もスタートしていたわけです。最近のセミナーの論調で、「中国はこれからは生産拠点ではなく有望な市場に変わっていく!」とまだ平気で言う評論家がいらっしゃいますが、何を寝言を言ってらっしゃるのか?台湾・香港はもちろん、欧米・韓国の企業などは、とっくの昔から市場として戦略を練ってきているのです。

本来、ある外国に進出して事業を立ち上げ、物を売ろうとしたらどのような手順を踏むでしょうか?まずはマーケティングや営業部隊以前に、事業計画を立案すべき経営者と経営企画室も乗り込むべきでしょう。その上で、どのような人の配置が適切か、現地の採用はどうするかを司る人事部、人材開発担当が必要です。現地法人とは言え、一つの独立した会社の運営ですから、当然と言えば当然です。が、現実には、責任者は数人で、それも技術畑の人が経営を一任されていたり、経験の浅い世代、あるいは逆に引退前のベテランに任せている会社も少なくありません。もちろん、スーパーマン的な人物で、計画も営業も採用も開発も一人でやってます!と言う総経理の方も実際にはいらっしゃいますが、その人がいなくなったらどうしますか?

昨今、グローバル人材育成が叫ばれていますが、入社1、2年目の人に海外を体験させると言う経営者が多いようです。実際、ラインを外しやすいですからね!が、その新人君は、確実に事業のコアに成り得ますか?(外務省のキャリア入社組なら話は別ですが・・・)若手の育成を叫ぶ前に、仕事のできる中堅、さらに言えば、優秀な女性が多く在籍している人事部、人材開発のキーマンにこそ、海外を経験させるべきではないでしょうか?上海の商工クラブなどは男だらけですが、大企業は、中国での優秀な女性の登用を加速すべきだと思います。

百聞は一見にしかず、まずは出張ベースからでも、女性の人事担当者が中国と日本を行き来する・・・女性の観点が、マーケティングのヒントになる可能性もあります。海外志向のない新人を海外に行かせるよりも、人事の女性が海外を駆け巡るような会社にこそ、海外志向の人材が入社してくるのではないでしょうか?

中国語学習!最初の入り方を間違わないで!

2011-06-15 00:11:06 | 中国語
皆さん、英語は今までどれくらい勉強してきたでしょう?身近にある外来語も含めて、LOVEが愛であること、COPYが複写すること、別に英語を専門的に勉強してきた覚えのない人でも身についているのではないでしょうか?さらに、今や小学校から、少なくとも中学から高校あたりまで勉強してきた時間数だけ足すと何時間になるでしょうか?方法論はさておき、脳内を英語と言う外国語が行き交った時間は膨大なものがあるのでは?

先日、中国語をすぐにマスターする方法がないですか?と聞かれ、思わず絶句しました。漢字だから?あるいは、英語のようにできそうだから?と思われるのかも知れませんが、大人になってから、新しい外国語を習得することは環境が許さない国内においては至難の業です。ましてや忙しいビジネスマンならなおさらですね。語学の勉強は継続は力なりと言いますが、並大抵の継続ではビジネスレベルには届かないのが現実です。

ただ、企業が中国語研修を検討する場合は、ビジネスの現場を理解し、いつ、だれが、どのような場面で使うのかを把握して目標設定をすれば一定の時間で研修価値は出ます。事例としては、繰り返しになりますが・・・

 ①中国のエリアスタディと異文化概論&自己紹介の中国語 ⇒1日
 ②出張・赴任直前!独学の基礎と自己紹介&タクシー ⇒30~50時間
 ③国内事前学習+現地語学研修短期集中 ⇒300時間超

この3つで十分です。中国市場を開拓する営業マンなら③は必要ですが、英語、あるいは通訳を駆使してコミュニケーションをとる準備なら②、開所式や宴会など晴れの舞台に出る役員クラスの方には①が最適です。

1日やそこらで自己紹介の中国語?と聞くと、前述の、「すぐマスターできる方法」に絶句したじゃないか!と叱責されそうですが、新しい外国語をどのような目的で使うかを決めてこそ、初めてゴールが設定されるのです。

そして何よりも大事なのが、この新しい言語学習の入り方、アプローチです。あまりにもしつこいですが、たかが四つの声調の存在自体が中国語のすべて!と言う認識を忘れないでください。最近、独学も含めて学習経験者が増えていますが、下手に勉強して、単語、言い回し、ピンインは知っていても、声調がいい加減で、二度と戻らない悲しい学習者を多く見かけます。声調言語である中国語から、声調を引いたら何も残りません。プロであるはずの研修会社でさえこれに反論するノウハウなどを提供しているようですが、頼むからやめていただきたい!

目標設定もさることながら、学習の入り方を間違えると遠回りどころか、取り返しがつかなくなります。これで何度目でしょうか?今夜も日付が変わるような時間に、「声調」について叫んでしまいました!