中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国の魚釣島(釣魚島)問題に見る、米国の戦略。

2012-08-06 23:16:00 | 政治
上海のホテルでじっくりテレビのニュースを見るのは久しぶりです。出張の度に待ち構える様々な難題に追われることも多く、10日ばかりの日程はあっと言う間に終わってしまいます。もちろん、新たに日本人の常駐責任者が着任したのは心強い限りです。そのテレビの報道ですが、この時期ですので、オリンピックの映像が多く流れていますが、4年前の北京オリンピックと比べると、巷の人も含めてあまり盛り上がっていないようにも感じます。そもそも、北京オリンピックはまだしも、上海万博などは、広く多様性のある中国においては、ほんの一部のエリアのイベントに過ぎず、日本のように、偏った一部のメディアの報道に、国民全体が洗脳されるようなことはなさそうです。

そんな中、ある特番で、釣魚島と日米の脅威・・・的な番組が流れていました。ゲストとして、中国と台湾の有識者と思われる人物が出演していましたが、興味深いのは、中国と台湾、いわゆる両岸に影響のある魚釣島問題になると、一つの中国が強調されることです。確かに馬英九政権以降、中台関係は、経済のみならず、政治的にも距離感を縮めています。これは両岸の危機を利用して、東アジアで影響力を保ちたいアメリカにとっては喜ばしいことではなく、中華人の絆は近い将来で確実に復旧するでしょう。

その番組の字幕で何度も出ていましたが、日本がアメリカの盾であるとのコメント・・・実際、報道の争点も、日米の軍事強調による東シナ海への脅威に警笛を鳴らすもので、日中間の領土問題と言う次元ではなく、米中の壮大な覇権争いの中の一つが魚釣島問題であると認識しました。石原慎太郎氏の名前も出ていましたが、日本がアメリカを領土問題に巻き込んでいると言うより、米国の戦略に日本が利用されている、それも中国から見たらアメリカの盾・・・そんな言われ方をされることが悲しいですね。

日本でも話題になったオスプレイや、無人偵察機「グローバルホーク(全球鷹)」が、尖閣海域を意識して配備されたとニュースは伝えていましたが、日本で「日中開戦」などと煽られていますが、アメリカの日中分断作戦が着々と進んでいることを、ここ中国であらためて知りました。確実に言えることは、アメリカは中国とは絶対に直接戦争はしません。日本を盾にして、北朝鮮やフィリピンあたりも利用しながら、強かで巧妙なアジア支配を画策しています。その一方で、ビジネスにおいてはちゃっかりと二枚舌で中国市場でのシェアを拡大していきます。中国とて、アメリカを敵に回したくはないことでしょう。

ふと気が付けば、アメリカの盾になり、メディアが反中感情を煽り、政治的な危機が日中経済に影響すれば・・・さてさて誰が得するでしょうか?日本の自主独立は、もはや夢物語なのでしょうか?

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