中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国語学習・・・当たり前ですが単語量は重要ですね!

2012-01-22 05:59:07 | 中国語
春節を目前に控え、晦日にあたる昨晩、北京から上海に戻りました。雨模様の街は、いつもと違う静けさを醸し出していて、行き交う車も減り、行き着けの日本料理屋もお客さんはまばら、明日から5日間は休業するようです。多くの人々が故郷に戻る、いわゆる民族大移動の時期ですが、今年はかなり分散傾向にあるようです。今日からは、上海に残った上海人と新上海人、そして一部残った外地の人と外国人で、盛大に新年を迎えることになるのですが、私は午前中に仕事を片付けたら、日本に帰国します。まだ一度も春節を中国で迎えたことがないのですが、日本の休みは中国で、中国の休みは日本で働くスケジュールを組んでしまうとそうなってしまいます。

さて、余談が長くなりましたが、夕べは疲れのせいで夜10時に寝たものですから、今朝は5時に起きブログに向かっていますが、この後、中国語の勉強をしてから、事務所に向かおうと思います。今回も受け入れた短期語学研修の受講生が、初心者からわずか2ヶ月強で中国語検定で3級をうかがう実力をつけ、私も尻に火がつきました。日本で1週間、上海で1ヶ月、北京で1ヶ月、キャンパスライフではなく、マンツーマンで徹底的に鍛えるコースですが、特に後半は単語量を増やす宿題が大量で、放課後?も外出もおぼつかなかったようです。

子供のように放っておいても単語が脳細胞に刻まれる年齢ではないだけに、のっけから単語をひたすら覚えるよりは、発音の基礎や、語感になれ、語順を組み立てる。建築で言えば骨組みを完成させることが重要ですが、やはり単語量、語彙力は何においても基本になります。私の場合は、最初から意味のない単語までひたすら単語カードに書き写し、気がつけば買い物袋一袋分の単語カードが今も埃にまみれていますが、効率の悪いこと甚だしいです。が、今から思えば、数多くの漢字のピンインはかなり読めるようになりましたし、もう少し実践が伴っていれば今よりは語学力がアップしたのではないかと思います。

巷では、実践的と言う言葉が踊りますが、あくまで外国語である中国語は、その語彙の多さによって、実践で活かせる幅が違ってきます。駐在員や出張者など、ある場面の単語とフレーズを優先することは、その場を凌ぎ、自信をつけるにはまずは有効ですが、その後の学力向上には、単語量をひたすら増やす努力も必要だと思います。英語においては、試験に出る英単語など、ひたすら単語を覚えたはずなのに、中国語は圧倒的に語彙力が少ない。私も、同じ話しかできない状態がしばらく続いているようにも感じています。

もちろん、若い頃より記憶力は鈍ってきますので、目先のものを何でもかんでもとは行かないと思いますが、とりあえず出会った単語は覚える努力をして、結果的に不必要なものが抜け落ちる・・・それくらいの努力を単語にかけてもいいのかも知れません。言っておきながら脳細胞が悲鳴を上げそうですが、チャレンジしてみます。

中国人にとっての、「法律」「常識」「マナー」の感覚。

2012-01-19 20:53:52 | 中国
北京に着きました。最近は上海と北京を往復することが多くなりましたが、国内線には外国人も乗っているものの、ほとんどが中国人です。飛行機の機内では、基本的には携帯電話の電源はオフ、パソコンなどの電子機器は離着陸時は切らなければなりません。また、空港に機材が降り立っても、飛行機の扉が空くまでは、携帯電話の電源は入れないようにとアナウンスがあります。

が、中国の国内線でよく見かけるのは、出発間際まで電話をしていて、そのままポケットに・・・明らかに電源を切った様子がありません。さらに離着陸時にも関わらず、i-Padらしき電子機器をひたすら操作している人もいますし、飛行機のタイヤが地面に着いた瞬間から、携帯電話での会話があちこちで聞こえてきます。キャビンアテンダントも特段気にした様子もなく、実際に誰がどこで迷惑したわけでもないまま、短いフライトは終わります。

ビジネスに限らず、生活面でも、中国の法律、条令はどこまで守られているのか、疑問に思うことばかりです。以前に、非常勤スタッフの給与の件で、税金を払わなくていい月収800元以内の条件だったはずの彼女に、仕事が増えたものですから、2倍近くのお仕事を頼むことにしました。税金のこともありますので、私が、「免税の範囲とか超えちゃっうけど、逆にもっと頑張ろうね!」と言ったら、「税金?そんなの払いません!私の母親の名義を増やして二人で割ればいいじゃないですか?」と言われました。冗談じゃない!と逆に説教をしようとしたら、彼女の捨て台詞としては、「何の努力もせずに税金を払う経営者は頭が悪い!」とのこと。つまり、抜け道考えて、いかに節約するか、それこそが優秀な経営者と言わんばかりでした。結局、彼女は去っていただきました。

コンプライアンスなる片仮名が日本でも浸透していますが、日本の大企業の不祥事を見ていると、日本も中国も五十歩百歩と言えますが、少なくとも法律に向き合う前提が日本人とは異なります。法律の場合は、まだ罰金、罰則と言う目先の利益、利害に影響があるものですから、その存在は意識した上で対処していると思われますが、常識においては、誰にとっての常識か、日本人の考える常識がまったく意味をなさないことも多く、ましてやマナーなどは、守って何の得になるか理解しないことには、その存在さえ無意味なのかも知れません。

中国人にマナー教育をする日本企業が増えていますが、それを実践すると自分にお金が振り戻ってくるくらいの現金なことを理解してもらうか、同じ中国人でも、その人が生まれ育った風土、境遇などを理解した上で、個別に対応しないと、「日本企業で働く時は、とりあえず、何でもまず謝っておけばいい!」と言ったマニュアル対応的な結果にしかならないこともあります。気遣いなる日本語にフィットする中国語が見つからず悩んでいましたが、国が違う、歴史が違う、一人一人生きてきた背景が違うわけですから、存在しない言葉もきっとあるのでしょう。

中国経済失速の危機との報道・・・冷めた見方が必要です。

2012-01-18 00:03:50 | 中国
上海3日目の夜です。3日続けてアルコール漬けにはなりましたが、何とか修正して今日は早めにホテルに戻りました。この2日間でも、日系企業の現地法人の責任者の方々と情報交換を続けて、一部の情報に過ぎないとは言え、ビジネスの温度感みたいなものをご教授いただきました。

たまに見る日本のネットの記事などでは、「中国経済が失速、世界の危機」的な書き方をしていますが、少なくともここ上海の空気と、現場の方の見方からは、鵜呑みにしてはいけない内容だと断言できます。まずは、失速して8%の成長率をどう見るかですが、昨年前半くらいまでは、放っておくと15%くらいいきそうな経済の勢いがあったのは事実で、それと比べると見劣りするかも知れません。日本の著名な学者でさえ、中国のバブルが弾けると平気で述べていますが、上海万博が終わるとバブルが弾けると書いた専門家は全員後悔していることでしょう。

実際、バブルが弾ける要素もいくらでもあり、誰も住んでないのに値上がりを続ける不動産、日本人には手が届かなくなりそうな上海の億ションなどを見ていると、確かにこのまま続くわけがないと分析するのは正しいでしょう。が、経営ボードに匹敵する中国政府のトップは、そんなことはお見通しで、金融の引き締め、公共料金の価格統制など、すでに打つべき手を打っていると見るのが正しいでしょう。その影響で、本来、もっと伸びると踏んでいた業界は、一気に数字が落ち込むわけですが、これ以上の急激なバブルを弾けさせないための調整経済とも言えます。自動車も、最高級車などは飛ぶように売れていますし、欧米の落ち込みで輸出産業は影響を受けますが、その分、自国では駄目だと中国に投資を向ける世界のお金は、引き続き流入するでしょう。実際、日本の市場は駄目だと思い、中小、ベンチャーまでもがアジアの市場を目指そうとなっているのではないですか?

以前にも述べたように、中国人みなが真面目に働いているわけではなく、国家と言う営業マンが世界中から投資マネーをかき集め、一部の人が驚くほどの恩恵を受けて発展している側面もあり、決して健全な経済成長ではないとは思います。が、日本の記事が書き立てる前に、問題点だけは同じ政権の中で以前から検討されていて、やりすぎなくらいの規制なども含めて、バブルを最小限に抑える策は講じているのです。

別の見方では、今年の政権交代を前にして、一旦締め付けるだけ締め付け、新政権以降に、成長の角度を再度つけるためとの政治的な思惑もあるようですが、一部超資本主義の勢力の裏切りがなければ、当面の中国は難題を抱えながらも成長を続けると見るのがまっとうではないかと私は思います。ただし、そこで外資系企業にチャンスがあるかは別の話ですが、悲観的になって二の足を踏んでいるうちに、韓国や欧米企業に寝取られてしまうリスクもあるわけで、企業の経営者はこの先も難しい舵取りが必要になることだけは間違いないですね。

郷に入れば郷に従え!やっぱ中国語ですね。

2012-01-16 01:43:56 | 中国
久々の上海、今年初めての出張です。以前、中国でビジネスするならば、住んでみないとわからないと思い、部屋まで借りて、しばらくは上海中心に生きてみたわけですが、結局、日本が忙しくなって、ただの出張族に戻ってしまいました。すっかり落ち着きを醸し出すこの街は、決して中国の中心じゃないとあらためて感じました。

中国政府からすれば、もう上海には投資はいらない、逆に言うと、彼らが取捨選択をする状態になっていて、これからは中国!と、とりあえず上海に出てみる企業には、茨の道が待っているようにも感じます。それでも世界中の資本は上海に向いていて、浦東空港には、アジア人以外の外国人が長蛇の列をなしているのも事実。

そんな初日に、昔、よく通った日本料理屋に行ってみました。いわゆる日本人街からはなれた場所で、最近はどうなっているんだろうと思いきや、多くの日本人で店は繁盛していました。そこで、あきらかに中国人と思われる30代の男性が飲んでいたので、思わず中国語で話しかけてみました。ネタとしては、初対面には失礼かと思いながら、政治の話。日本の今の政権について意見を求めましたが、彼曰く、日本も韓国もアメリカの属国みたいなもので、日本好きの彼からすると悲しいと思うことも多いとか・・・

そうなんです。世界の見方は正直で、日本で報道される反日感情植え付けのニュースや、ちゃんちゃらおかしいTPPの協定も含めて、なんだか悲しい国と言うのが日本の評価です。彼は日本には何度も行っていて、日本の漫画については、私よりも詳しいアニメおたく系でしたが、どうやら私よりはしっかりした会社を自ら経営している、そんな彼の目にうつる日本像を聞きながら、日本の政治の愚かさを痛感しました。経済人はそこそこ頑張ってるのに、国と国の外交をあきらめた、つまり独立国家であることを捨てたわびしい国が日本です

酔った勢いもありますが、この二人の会話では、中国語なくして何も語れなかった思います。彼は時より英語を交えて話しますが、基本は中国語。久々、出張で戻った私には、中国語の理解はかなり苦しいものがありましたが、それでも、なんとか二人でコミュニケーションが図れました。ここはどこの国?そう中国です。

英語ができれば世界に通じるという妄想はさておき、経済力が逆転してしまった以上、日本人が中国語を駆使する場面は今後さらに増えます。英語が鬼門な日本人ではありますが、アジアを意識せざるをしてグローバルなどとはおこがましい。小学生の英語教育に励む以前に、現役ビジネスマンが中国語や英語である程度の「渡り合い」ができる人材がさらに重要になります。もちろん、外国語能力以前に仕事の地力と度胸、明るさが必要です。自分に照らし合わせてみて、すべてにおいて不足しているかも痛感した夜でした。

中国語の発音!中国人でも生涯トレーニングが必要です。

2012-01-14 10:24:51 | 中国語
ネイティブの中国人が見たら、えっ?と思いそうなタイトルですが、しつこいくらい中国語の発音、特に声調についてブログでも述べていますが、日本人はもちろん、中国人の方でも、中国語の標準語「普通話」を完璧に話せる人は少ないと感じます。一説には、普通話を綺麗に離せる人は、13億の10%もいないとか?確かに、世代的に普通話の教育を受けていない人、さらに地方の方言がきつくて、その影響が残っているエリアの人も多く、実際に中国に行くと、普通話を話していても、学んだはずの言葉とかなり違うなあ、と感じることは多いと思います。

昨年後半からニーズが加速した企業での中国語研修ですが、受講生の中に、ちらほらと中国語の学習経験者を見かけることが多くなりました。NHKの講座、通信講座、他社での受講など様々ですが、ちょっと厳しい言い方をすると、経験者の方に限って、発音の重要性を疎かにする人が多いのも事実です。

パターンとしては、単語量や文法知識はかなり進んで学習しているのに、肝心の声調ができていない方。あるいは、日本語にない音、例えば母音の[e][qu]、そり舌音などを理解しないまま適当に話している方もいらっしゃいますし。実は、私が独学を始めて三年くらいたった時もそのような状態で、中国語検定3級をとった時点でも、発音は曖昧、特に「去」とか「知道」と言った簡単な単語でさえ自信をもって話せず、中国人からも実際に何度か首を傾げられました。

声調については、すでに述べてきたように、最初の入り方が間違っていることが多く、特に英語の片手間でやっている語学学校が発音自体をないがしろにしていたり、不幸な始まりがこの先も増えてくる恐れがあります。何度でもいいますが、中国語は声調言語、声調ができなければ言語ではなくなります。また、一度くせのついた声調は、ピンインと比べても修正するのが難しいのです。

また、中国人でもバラツキのあるピンインの発音は、あまり完璧を求めると先に進まないので、学習がある程度進んでも定期的に見直し、生涯練習してもバチは当たりません。ネイティブ講師の中には、日本人=外国人だから仕方ないと、矯正をあきらめている人も見受けられますか、これは職場放棄に等しいです。アドバイスするタイミングなど、プライドを傷つけない配慮は必要ですが、老師=師匠であるなら弟子には厳しさが必要です。

学習経験者が増えることは喜ばしいことですが、発音難民だけは増やしたくない!中国語の先生も、語学学校のプランナーも今一度基本に立ち返っていただきたいと切に思う新幹線の中でした。