中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

尖閣問題が米朝の思うツボにならぬよう!

2012-07-21 10:58:17 | 政治
嘘八百の見出しが飛び交うと言えば、某スポーツ新聞が有名でしたが、ネットのトップ記事や、今や大新聞も事実でもないことを平気で書くことが広く知られるところとなりました。 そんなネットの記事に、「いよいよ日中開戦か?」と言う見出しが躍りました。何のことはない、中国やアメリカの一部メディアが煽っているだけのことで、意外だったのは、ロシアメディアには、「尖閣問題は、消費税増税や原発問題から政府が目をそそらすためにやっている」との記事があり、それが一番腑に落ちました。

このような日中の分断、アジアでの孤立戦略は、アメリカの常套手段であり、日本側には中国は危険だ!と日米同盟(実質は米国主導)の重要性を強調する一方で、米中関係は、軍事面、金融面では熾烈な争いを水面下で行いながら、肝心のビジネスに関しては、ちゃっかりと中国市場でのシェアを奪い取っています。自動車に関して言えば、米国のポンコツが日本車に歯が立たなかったにも関わらず、ねつ造のトヨタいじめや、日中関係に常に火種を仕掛ることで、13億の中国市場での日本のプレゼンスを下げています。

私がこのような論調をすると、中国贔屓ではと批判する人もいるようですが、そんな簡単な問題ではありません。22世紀が来るかどうかはわかりませんが、すでに今の世界情勢は、米中が覇権争いでしのぎを削り、市場としてはインド、ブラジル、ロシア、アフリカなどが台頭する時代になっています。過去の日本は、製品の品質を武器に、世界市場でも市民権を得てきたのですが、金融やITの寡占化も含めて、一部の人間が世界を動かす時代になると、米国、そして中国との対等な関係づくりなしには、世界の表舞台に立つことも許されません。衰退前の横暴が目立つようになった米国にくみするよりは、中国も含めたアジア、ユーラシアの枠組みの中に将来性を見出すのが日本の進むべき道だと思いますが、残念ながら独立国家でもなく、米国の属国である限り、その道は開けないようです。

韓国も米国に属された国家であるjことはご存じかも知れませんが、一見、対立してるように見える北朝鮮とアメリカの関係も裏では確実につながっています。「テポドン発射宣言」⇒「日本にパトリオットを営業」⇒「日本には発射の情報入らず」・・・みたいなことが毎度繰り返されていることを見ればわかるでしょう。尖閣問題は、単純な日中の課題ではなく、アメリカにとっては東アジアの団結を阻止する重要なカードですし、さらに北朝鮮の核やミサイルはワイルドカードです。丹羽大使を批判する論調がありますが、別に目先の金儲けの話を度外視したとしても、中国、インド、ロシアを軸に、英国以外の欧州が加わるユーラシア経済圏を重視するのは当然のことであり、長い歴史から見ても米英の覇権などはごく最近の出来事です。米英だけが世界を混乱させている・・・産業革命以降、近代史はずっとそんな感じではないでしょうか?ま、歴史や経済の専門家でもないですが、歴史の流れを意識するだけで、本質が見えることもあると思います。