中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

「NO」と言う相手が違っていませんか?

2012-07-08 21:46:59 | 国際
「NO」と言える日本と言う書籍が出版されたのは1989年。私は、リクルート入社2年目、中国では天安門事件などが起きていたでしょうか。石原慎太郎氏とソニーの故・盛田昭夫氏により執筆されました。日本は、まだバブルの全盛期、すでに崩壊の兆候はありましたが、当時の私は残業200時間の見返りに、年齢の割には高額な給与をもらい、またそのほとんどを六本木、海外旅行に費やしていたものです。三菱地所がマンハッタン、いや、アメリカの富の象徴とも言えるロックフェラーセンターを買収したのも1989年です。

当時は、アメリカ、あるいは欧米偏重の経済政策や制裁に対して、日本独自の反論ができた時代で、実際、私も含めて「そうだ!そうだ!」と血気盛んだったものです。バブルが弾けたと言われてもう何年経ったでしょうか?20年近い年月の間、日本の政界だけは結局大した変化を望まず、まるで調子に乗りすぎた日本のアメリカへの反抗に鉄槌をくらわすように、政府、マスコミだけでなく、経済までも、元のアメリカ隷属に逆戻りしてしまいました。失われた20年どころか、原発大事故まで起きて、まさに踏んだり蹴ったり。子供らに、「昔、昔、日本は独立国家だったのよ~」と読み聞かせる夜が来るかも知れません。

そんな折、当の石原慎太郎氏が、「尖閣諸島を東京都で購入!」などと言い出したことから、政府が買う買わないの議論にまでなっています。韓国の竹島ではなく尖閣であるところに、日本の置かれた状況が見て取れます。韓国は実質的には、日本以上にアメリカのコントロール下に置かれていて、日本と韓国はサッカーの共同開催や芸能などソフトパワーで友好関係に見えますが、これは韓国を利用した日本の底辺からの切り崩しです。底辺の黒幕がフジテレビなどのマスゴミであることは、ようやく日本国民も知るところとなったようです。そして、もう一つのアメリカの極東アジア分断作戦は、日中友好禁止令です。これも正力松太郎から連なるアメリカの諜報機関、日本テレビが味方についています。

アメリカに対してモノ言える政治家であったはずの石原氏も、息子は自民党の犬とマスゴミのお天気キャスターでは、さすがにわが子可愛さか、NOと言えなくなったようです。そして、NOの矛先を中国に変えてしまいました。領土問題などは、喉に刺さった魚の骨、本気で解決するなら戦争しかありません。グレーゾーンを残しながらも強かな交渉、駆け引きができてこそ外交。当のアメリカは中国と睨み合いながらも、ちゃっかり関係は持ってます。気が付けば倒産の危機だったGMが中国で好調なわけですから。それもこれも、日本が独立国家ではなく、アメリカのいい様に操られているからで、米中並び立つ世界の中で、日本のプレゼンスを弱めるには、やはり反中反日戦略が一番なのは今に始まったことではありません。

前門の中国、後門の米国、脇の下に韓国・・・今の日本の置かれた状況はこんなところでしょう。