はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

さだのものさし。

2013年07月23日 18時14分44秒 | 音楽全般シリーズ
なんだろう
涙が止まらなかった。

自堕落な、僕の大学生活も終り
更に堕落の奈落へはまっていた自由人時代の大晦日
テレビからこの曲が流れた。

さだまさし
案山子

いや、知ってるんだよ
これ知ってるし、何度も聴いてるし
でもなんだろう
もう涙が止まらん。

♪元気でいるか
街には慣れたか
友達できたか
寂しかないか
お金はあるか
今度いつ帰る♪

たぶん紅白だったかな
いやちょっとはっきりとした記憶がないが
うん、きっとNHKの紅白歌合戦
本気でみていたわけではない。ただのBGM化したテレビ。
ほんの一瞬のことで僕の心の水瓶はいっぱいにあふれた。
「なんだこれ、ズルいよ」
やられた。
同じさだでも今時のNHK大晦日の夜の番組
年のはじめはさだまさしのトークもズルいが
この時のさだまさしの歌は別。
(さだとか、さだまさしとかいう書き方にて失礼をば…)
予期せぬさだまさしのズルさは、こ生意気で強気だが弱い僕の心に染みた。

当時の僕はといえば、まるで
はっぴいえんどというバンドの春よこいという曲の世界みたいで
やりたい事をやりたい放題、夢だけを追いかけ両親には迷惑三昧
実家からは半ば勘当状態で孤独だった。
彼女とも別れ、正月にもなれば仲間はみんなそりゃ実家で楽しく過ごしてる。
僕は大掃除もすませたやけに殺風景できれいな部屋でひとり
お酒を飲み、この歌を聴いた。

♪元気でいるか
街には慣れたか
友達できたか
寂しかないか
お金はあるか
今度いつ帰る♪

18歳で実家を出た。
気合いを入れて通おうと思えば通えた往復6時間弱の大学通学を勝手に断念し
親の反対を無視して
大学近くの四畳半風呂無しトイレ共同アパートに引っ越した。
家賃2万6千円。
もちろん仕送りなし。
それが堕落のはじまり。
自由を履き違えた度重なるバカな行動で、大切な親を本気で怒らせる。
こちらも強気だ。怖いものなど何もない時代。
ああいいさという気持ちで実家と縁を切る。
正直、バカなことをしていると後悔していた。
しかし決めたらなにがあろうが我を通す意地っ張りの損な性格である。
自分は正しい。別にどーでもいいさ、なるようにしかならねー
と、自分に暗示をかけた。

そんな僕に母親父親交互に、ことある毎に連絡があった。
「元気か。父さんにはナイショでいろいろ送っておいた」
「お金、振り込んでおいた。母さんにはナイショだ。ところで元気なのか」
そのたびに、うるせー!いらねー!と強がってみせたりしたものだ。
さだまさしの案山子は、そんな僕のことを優しく説教してくれたわけだ。

四畳半のボロアパート。
よくテレビで語られる芸人の苦労生活そのものかそれ以上。
ひどい雨漏りで部屋にキノコを生やしたことがある。
食べて、吐いた。バカなのだ。
そんな環境で友人とよくフォークギターを弾いた。
古くさいと思われようがフォークの重鎮たちの歌をたくさん歌った。
大人になった今
当時の自分と同じくらいの年齢の若者に聴いてほしいと思う曲が
当時の四畳半にたくさん響いていた。
その中のひとりの1曲が、さだまさしだ。

今40歳のおっさんが、ググッと若い世代の方々の考えを分かろうとしても
きちんと分かることはなかなかなもんだ。
なんとなく分かった気にはなれる。本気で納得は相当だという意味。
世代間の溝というものは
互いの興味と気付きでつながるものだと若い頃の経験で知った。
人生は短い、ようでいて
すすめられた半信半疑なお料理を
口にしてみようと思い食べてみられるだけの試しの時間はたっぷりある。
温故知新とはよくいったものだが
いろんなものにチャレンジしてみるのもとっても良いこと。
それぞれの価値観が違うのは当然だが
時間の無駄には、たぶんならないだろう。

ちょいとさだまさしを聴いてみてほしい。
たまたま最近ベストが出た。
さだまさしの曲はかなりパンクだ。
おちゃめで毒っ気のある、あたたかな優しさで包まれたハードパンクである。
今日も電車の中でさだまさしを聴いて涙があふれた。
大汗をかいていたのでごまかせてちょうど良かった。
なんて言ったらさだまさしに
ごまかさず、泣く時ゃ堂々と泣け!と一喝されそう。
なんて、いいやどちらかといえば
泣くんじゃないっ!泣くときはズル泣きだけっ!
なんてのがふさわしいのが、さだまさしなのか。
なんてさっきからまことに勝手なことばかり言っている。失礼。

嫌な自分の身ぐるみをはいでくれる曲。
ズルいやつなら聴いてみると
その感覚が痛いほどよくわかる。
そして、少しは周りが好きになれるかも。

いい曲が
いっぱいでした。

めけめけ~。

写真。ベストCDジャケ。


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