先日、ぼんやりとテレビを観ていたときのこと。
若手のお笑いのタレントさんたちが、お笑いについてマジメに語るという趣向の番組。自分の笑いのスタイル、立ち位置、明日のこと、周りにいる他のお笑いのタレントさんのこと。
いつもテレビでは馬鹿話をして馬鹿笑いをしているところしか見たことのないけれど、マジメに考え、苦しんだしもがいたりしているんだなあと感心しました。
お笑いの人たちの苦しいところは、マジメに考え、苦しんだりもがいたりしている姿を人前で見せたら駄目なんだろうというところでしょうか。
少しへこんでいる時は、笑い飛ばすことで自分自身も元気になることが出来ますが、本当にへこんでしまった時には笑うのはとても辛い。ましてや人を笑わすなんて、とても出来ません。
それでも、笑いというものを職業に選んだからには、自分がどんなコンディションにあろうとも、人を笑わさなければいけない。だからこそ、お笑いの世界で生き残れる人はごく僅かなのだろうと思うのです。
まあ、お笑いに限らず、プロフェッショナルになるということは、どんなことでも難しいのだと思うのですが…。
昨日、落語家の立川談志さんがなくなりましたね。ワイドショーで林屋木久扇さんが、「自分は死ぬ死ぬというのをよくネタにしていたので、まだ、談志師匠が死んだことが信じられない」という話をされていました。
落語家たるもの、苦しむ姿を人に見せるのは無粋というところでしょうか。でも、だからこそ、立川談志は、誰もが認める一流の落語家だったのだろうなあと思いました。
ステキな落語家さんが亡くなるのは寂しいものです。