唐突ですが、「あしたのジョー」を通読しました。少年マガジン連載時は小学生から高校生にかけてで、若干、後の世代に属しますが、それでも後半は熱心に読んでおりました。
今回NETの電子書籍で全20巻通読して、途切れ途切れに読んでいた物語がつながりました。
素性の知れぬ風来坊の矢吹丈がボクシングに目覚め、次々と強敵に挑んでいく姿には心が震えます。丹下段平と出会ってからホセ・メンドーサとの死闘で燃え尽きるまでの期間は思ったより短かったのですね。連載時にはホセとの試合など半年ぐらいやっていたような気がしましたが、単行本で読むと一呼吸で一気に読める感じ。描写に緊迫感があるからでしょうか。
ウルフ金串、力石徹、カーロス・リベラと、勝敗にかかわらず、対戦相手を必ずクラッシュしてきたジョー。自らの心身もダメージを受けましたが、彼らの魂が乗り移ったかのように野生的な闘争本能が研ぎ澄まされていきます。ホセ戦では丹下段平も彼を理解できなくなっていました。彼を支えてきたドヤ街の子供たちとの絆も、葉子のジョーへの思いも、巨大な敵のホセの前では、まったく関係ない。それらを全部乗り越えて、彼はたまらなく孤独でした。孤独に戦って白い灰になってしまった。最終ページ、安らかに眠っているようなジョーの姿も何か悲しい。
あしたのジョーなんか嫌いだ
太って結婚してしまった西の方が
オレは好きだ
あしたのジョーなんか嫌いだ
飛行機に乗って無邪気にはしゃいでた
片目のおっちゃんの方が
オレは好きだ
燃え尽きて灰になってしまうような奴なんか
オイラ嫌いだ
力石と二人でかけた
血と涙のブルースが
誰もいないリングの上にこだましたとき
ジョー お前は本当に
あしたの来るのを信じていたのか
ジョー ジョー あしたのジョー
お前が殴っていたものは
カーロスでも力石でもなく
お前はお前のあしたを
殴り続けていたのさ
あしたの来るのを信じていたなら
なぜ葉子を抱きしめなかったんだ
ジョー ジョー あしたのジョー
(三上寛/あしたのジョーなんかきらいだ)
最新の画像[もっと見る]
-
大西ユカリと新世界 17年前
-
大西ユカリと新世界 17年前
-
鎌倉のちょっといい古本屋 17年前
-
吾妻ひでお「逃亡日記」 18年前
-
月刊漫画ガロINDEX 1967年11月号(通巻39) 18年前
-
月刊漫画ガロINDEX 1967年11月号(通巻39) 18年前
-
Bluesの学習 Robert Johnson 18年前
-
Bluesの学習 Charlie Patton 18年前
-
月刊漫画ガロINDEX 1967年10月号(通巻38) 18年前
-
月刊漫画ガロINDEX 1967年9月号(通巻37) 18年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます