KAMAKURA☆CHAMPROO

見る前に跳べ!「無計画に走るのは世の常」が座右の銘

月刊漫画ガロINDEX 1967年11月号(通巻39)

2007-08-21 01:17:15 | COMIC

目次
白土三平 カムイ伝 第35回 (36ページ)
永島慎二 禁じられた遊び
上野昂志 目安箱 第32回 ナンセンスにはナンセンスを!

池上遼一 禁猟区
渡二十四 終りなき午後
勝又進 作品集 第17回
佐々木守 日本忍法伝 第24回
入選作品 豊島雅男 不眠症
新人作品 林静一 アグマと・息子と・食えない魂
佐々木マキ 天国でみる夢
つりたくにこ 狂人日記
滝田ゆう 昼下りの妄想/くちおしい/皿右衛門失踪
水木しげる 鬼太郎夜話 第6回


この号で特筆すべきは、佐々木マキが従来の漫画の枠をこえた実験作を発表したことと、林静一のデビューです。


白土三平 カムイ伝(36ページ)




永島慎二 禁じられた遊び

シリーズ黄色い涙 SHINJI GEKIGA COLLECTION NO.5

映画「禁じられた遊び」そのままの話。お墓を作る遊びに興じる子供たち。ミミズの墓やカブトムシの墓、犬の墓を作ったけど、人間の墓がまだ足りない。





池上遼一 禁猟区


冬の禁猟区。猟銃を持った少年は猟師小屋に少女をかくまっている。遠くで助けを呼ぶ声が聞こえ、少年は湖に落ちた中年男を助ける。その男は少女の父親で、一年前に誤って湖に落ちて死んだ母親の思い出を求め家出した少女を、探しに来たのだった。それを知らぬ少年は、少年が目を離した隙に少女を連れ去ろうとする男を射殺する。湖に死体を沈め、少女を守ることを決意する少年。その少年の背中にナイフを突き立てる少女。「わたしは少しだけパパから自由がほしかった、保護されない・・・」と泣き崩れる少女。(若気のいたり)




豊島雅男 不眠症

不眠症の男。眠れぬ夜が続きタバコばかりすっている。やっと眠れ、すがすがしい朝を迎える。が、日差しがどんどん強くなり、耐えられないほどに。心地よい目覚めは実は夢で、本当はタバコの火の不始末で寝たまま焼け死んだのだった。
ストーリー的には取るに足らない作品ですが、この作者は水木プロのアシスタントで、この後、身をもちくずしてどぶ川で溺死するということになります。それを題材に、後年水木しげるがガロ誌上で作品として発表します。





林静一 アグマと・息子と・食えない魂


林静一のガロデビュー作。その後の先進的なスタイルに比べると、オーソドックスな作風。
地獄の悪魔とその息子。死んだ人間の魂を食べようと、「店」を構えている。最初に訪れた男は戦争で犠牲になった昆虫学者。自分が地獄に来るのは間違いだと言いはる。悪魔はそんな男を帰してしまう。腹をすかせた息子は食ってかかるが、悪魔は「ああいう魂は煮ても焼いても食えないんだ」と言う。





佐々木マキ 天国でみる夢

この作品にはこれといったストーリーはありません。イメージの連鎖でイラストチックなコマが続くだけ。これが漫画かというと、やはり漫画なのでしょう。コマからコマへのつながりにポップなリズムを感じるし、何となくコマを追っていくとなんか気分が良くなってきます。暗黙の漫画のルールなんか無視して表現したもん勝ちという、自由な漫画表現のさきがけとなった画期的な作品。



 





つりたくにこ 狂人日記

前作「栄光への脱出」の続編。精神病院入院中の自称「ノーベル賞候補作家」・二宮修吉に、弟子のアカネちゃんができる。最初は仲良い二人だが、その内アカネちゃんが師匠を馬鹿にし始める。互いの妄想が相手を否定しあって、最後は共倒れ。




読者サロン

この号から読者サロンが常設に。ホットな投書が続く。
「ガロ」9月号の感想・・・つげ義春にピンとこないという意見。全否定ではなく、今までの漫画と異質で、何となく戸惑っている感じ。
「カムイ伝」に一言・・・カムイ伝が物足りないという意見。かつては大衆の圧倒的なエネルギーを感じたが、最近はマンネリ気味で迫力がないという激励の投書。


水木しげる 鬼太郎夜話



猫娘の登場。



ネズミ男を襲う猫娘が圧巻。



以上です


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