金庸作「鹿鼎記」読了。全8巻。週1冊のペースでの長い読書でありました。これで金庸の長編はすべて読みました。
この作品はあとがきで作者自身が言っているように、武侠小説の色合いが薄く、清朝時代の歴史活劇というべきものです。
武侠の側面が薄いのは主人公・韋小宝の性格によります。
彼の本質はは「市井の小人」の域を出ません。たいそうな野心もないし、そのために努力する気もない。自分が一番かわいいけれど、 . . . 本文を読む
金庸「鹿鼎記」を読み始めました。金庸作品、ポツポツと読んできましたが、邦訳された長編は「鹿鼎記」がとうとう最後です。
まだ2巻までしか読んでませんが、他の金庸作品とは一風変った展開です。
他の作品は概ね貴種流離譚で、主人公は義侠を大事にし、機会に恵まれ絶技を身につけていきます。それに対し「鹿鼎記」の主人公、韋小宝は女郎の息子で、性格はゆがんでおり、小ずるく、武芸もめんどくさがって修行しない。何とも . . . 本文を読む
しばらく金庸作品を離れていましたが、この夏「雪山飛狐」、「飛狐外伝」、「倚天屠龍記」を読みました。
「雪山飛狐」、「飛狐外伝」は江湖でも並ぶものなき胡一刀の遺児・胡斐が主人公。生後まもなく両親を喪った胡斐は、父親の残した武芸書を頼りに、父の親友にして仇敵でもあった苗人鳳と戦うため、修練を積みます。苗人鳳自身、義侠の人であり、仇討ちの結末は・・・。
金庸作品の主人公はどれも義侠心に富みますが、胡斐 . . . 本文を読む
「北方水滸伝」を読み終えて、少し淋しいので新たな水滸伝を読むこととしました。
魁星社「絵巻水滸伝」です。
以下、キノトロープのサイトから引用です。
『絵巻水滸伝 第一巻 伏魔降臨』
ウェブサイトで大好評の『絵巻水滸伝』
(株)キノトロープ制作がついに単行本化!!
〈本書の内容〉
やむにやまれぬ事情から、108人の英雄豪傑が粱山泊に集結し、貪官汚史を相手に縦横無尽に暴れまわる。街頭で語ら . . . 本文を読む
北方謙三の「水滸伝」第19巻・旌旗の章を読了。私において北方水滸伝が完結しました。
前にも似たようなことを言いましたが、第18巻までは背後に歌が聞こえました。雁屋哲・池上遼一「男組」のラストシーン、主人公・流全次郎が影の総理に挑むときに流れるワルシャワ労働歌です。
暴虐の雲 光を覆い
敵の嵐は荒れ狂う
ひるまず進め我らが友よ
敵の鉄鎖を 打ち砕け
自由の火柱輝かしく
頭上高く燃え立ちぬ
いまや . . . 本文を読む
北方謙三の水滸伝第14巻を読みました。前の巻を読んでからだいぶあいてしまいましたが、図書館で借りて読んでるもので、待ち行列がすさまじいのです。
この巻では官軍が梁山泊へ総攻撃をかけてきます。宋の底力を見せつけるような大群で梁山泊の拠点に猛攻を加えます。14巻ではまさに戦いの真っ最中。持ちこたえることはできるのでしょうか。原作とは異なる展開のため、予断は許されません。相変わらず男気の面々はかっこよく . . . 本文を読む
昨日は破れかぶれの忘年会でカラオケ屋で徹夜。始発電車で帰宅。年齢的には自殺行為かもしれません。
北方さんの水滸伝はしばし休んで、金庸「秘曲笑傲江湖」を読み始めました。
金庸作品は「書剣恩仇録」、「碧血剣」、「射英雄伝」、「神雕剣侠」、「天龍八部」、」「連城訣」、「侠客行」を読みました。いずれも無条件に面白い。その中でも「笑傲江湖」は最高傑作といわれているそうなので楽しみです。 . . . 本文を読む
北方謙三作「水滸伝」13巻まで読み進みました。戦死者も含めほぼ108名出揃ったところ(まだ数名足りませんが)。官軍側も体制を整え、正面からの激突が始まっています。
感心するのは100名を超える宿星たちの人物像がリアルに伝わってくること。それぞれの「生き様」が見えてきます。また、数万に及ぶ梁山泊軍の兵隊の息遣いが感じられること。北方さんの構想力と筆力によるものでしょう。
. . . 本文を読む
何とはなしに藤水名子の中国怪奇小説集「赤いランタン」(集英社)を読みました。藤水名子の作品は初めて。男女の心のもつれを主軸に幽霊や妖怪や人間が織り成す怪異譚。「聊斎志異」のような感じを想像していましたが、ベースは現代的な情念の世界のような気がします。男性の私にはもう一歩、感情移入できない印象でした。 . . . 本文を読む
北方謙三・水滸伝~#8
北方水滸伝8巻まで行きました。遅読の私としては早いほうです。
途中あまり感想を語りたくありませんでした。随分死んじまったし、途中であれこれ言えない重さがありました。以前の投稿に対するコメントで「泣きながら読んでいます」というのがありましたが、鄭天寿と焦挺の死には涙が出ました、電車の中で。108人が梁山泊で集うことはもはやないんだなあと思うと、北方さん、あんまりだという気 . . . 本文を読む