KAMAKURA☆CHAMPROO

見る前に跳べ!「無計画に走るのは世の常」が座右の銘

月刊漫画ガロINDEX 1967年9月号(通巻37)

2007-04-16 23:36:56 | COMIC
目次
白土三平 カムイ伝 第33回
上野昂志 目安箱 第30回 「聖域」について
水木しげる なまけ武蔵
つげ義春 海辺の叙景
佐々木守 日本忍法伝 第23回
楠勝平 茎(前編)
滝田ゆう 風法師
池上遼一 地球儀
やすだたくお 罪の意識
コモリマコト 妙薬TCM
勝又進 作品集 第15回
つぎ宛春(つりたくにこ) それから
水木しげる 鬼太郎夜話 第4回



白土三平 カムイ伝(86ページ)




・目付橘軍太夫の弟 橘玄蕃の登場。凄腕の持ち主



・正助が外出中、ゴンを中心とした若者組の活躍で、村の生産性は上がっていく。



・自己の存在理由に疑問を持つ竜の進と笹一角



・徹底される農民-隔離政策



・目付の息子・一馬、橘玄蕃の差し金でごろつき達に簀巻きにされて川に捨てられる



・橘玄蕃と竜の進、笹一角の接触、赤目との接触、カムイとの接触



・目付と城代の権力闘争。暗躍する橘玄蕃。無人流 突破の太刀




水木しげる なまけ武蔵

晩年の武蔵という副題がついています。剣の道を追い求めるあまり、青春を楽しむことのなかった武蔵の悔恨の晩年。それでも人々は武蔵に「剣聖」を要求し、それに答え仏像を彫ったり「五輪書」を書いたり。





つげ義春 海辺の叙景



ある夏、母親に誘われて海辺の親戚の家に遊びに来た青年。一人の女性と出会う。



ほのかな恋心。翌朝海岸で待ち合わせるがあいにくの雨。遅れてきた女性はビキニ姿。雨の中、二人きりの海岸で遊ぶ。女におだてられた青年、一生懸命泳ぐ。

ストーリーとしては、何気のない二人の男女の出会いを淡々と綴っただけのものですが、ところどころとてもシュールな表現がされており、ただならぬ雰囲気があります。



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二人で歩くこのコマのシークエンスなんか、とても不思議な感じ。恋愛というよりは存在の不安を感じさせるような印象です。

相手の女性もあまり生活観はないが妙に存在感を感じさせます。



最後のシーン。波打ち際に傘を差した女、暗く不安な波間を泳ぐ青年。「あなたすてきよ」、「いい感じよ」という女の言葉は誰に向けられた言葉なのか。二人の間の絶望的な断絶みたいなものを予感させるコマです。(次のカットは最後から一つ前のコマ。本当のラストは見開きなのでスキャナーできませんでした。)



この作品、この時期のつげさんの一連の作品はとても印象的ですが、この作品はとても好きな作品の一つです。何か最後のシーン、藤田湘子さんの有名な俳句

愛されずして沖遠く泳ぐなり

を思い出します(強引ですが)。同質の悲しみがあるように思います。



楠勝平 茎(前編)

江戸時代、染物師を志す少女つむぎ。



染物屋に住み込みで働くが、周囲の職人たちは所詮女だと歓迎しない。



つむぎは日々人一倍働き、男の中に混じっての重労働。



同じく染物師を志す民江という女性と友達になる。



民江から見合いをすると聞き、「この仕事をしようと思った時・・・考えたわ。一生一人だって」と言うつむぎ。



そんな時、ひょんなことから、喧嘩っ早い青年と出会う。




滝田ゆう 風法師



人の運命を変える琵琶の音色に一人の男の運命が弄ばれる。



池上遼一 地球儀

長く入院している少年が地球儀を眺めていると、その表面にミクロな実世界が存在しており、地球儀を回してみると、実際に地震が起こる。





つぎ宛春(つりたくにこ) それから

「続・李さん一家」という副題がついた「李さん一家」のパロディ。留守中に一階の部屋を完全に李さん一家にのっとられてしまった。仕方なく二階に住もうとすると、そこにも得体の知れない女の子がいた。





水木しげる 鬼太郎夜話



・鬼太郎と目玉親父を手中にした日本血液銀行の禿山頭取は、二人を警察に引渡そうとする。



・ドライブと偽って二人を連れ出すが、道に迷い、車が崖から落ちてしまう。。



・着いた先は地獄の入り口。そこで日本血液銀行の元社員に出会う。彼は鬼太郎の育ての親だが、ビジネスに妖怪を使おうとして地獄の入り口に迷い込んでいた。禿山頭取は車の事故で成仏しており、地獄からの迎えが来てしまう。元社員は反省していることが認められ、人間世界へ戻れることとなる。



・銀座四丁目の上品な書店でねずみ男が、江戸川梅毒著「植物幽霊学」を立ち読み中。そこに書かれていたことをヒントに鰯の頭を混ぜた血液を、地中に埋めた牛鬼と吸血鬼にかける。結果、「吸血木」という新しい妖怪が生まれることとなる。




以上

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